自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第27号》2006年6月7日発行
◆ いなかのSOHO(素人が建てるログハウス 最後のログ材搬入)
◆ 今週の話題(彷徨うキジ)
◆いなかのSOHO

前号からの続き「素人が建てるログハウス(原村篇)」です。

  ●ちょっと設計変更

昨日は、小学生が丸太を運んでくれたおかげで作業が大分はかどりました。

その小学生達の隣の合宿は、いつもなら林間学校みたいで賑やかですが、きょうは晴れだというのに、妙に静かです。そういえば、八ヶ岳の行者小屋まで日帰りで行くとか言っていたのできっと今日がその日なのでしょう。

腰までの高さに積まれたログの壁。まだ家らしくないその囲まれた中央に立つと、区切った部屋の広さがなんとなく見えてきます。

床にべったりと座ると10畳の仕事場がかなり狭く思えます。ログがすべて積み上がれば、もっと圧迫感が出て今よりも狭く感じることになると思います。そこで、和室とログで仕切られた境を、ログは5段まで積み、その上は途中からツーバイフォーにして、壁を板張りにすることに決めました。

造りながら変更できるのもこのログハウスの良いところ。この部分は耐力壁ではないので、好きなように変更できます。

三方がログですが、仕切壁は腰から上はパインの板。こうすれば、明るく壁面もフラットなので、ポスターや絵画を飾るにも有効に使えます。


  ●最後のログ材が来る

明日からはお盆休みになるので、きょう最後のログ材が来ることになっています。今日まで使ったログを数えてみるとおよそ60本、全体の約3割です。今回は使った分だけ補充されることになります。あと一週間の夏休みの間にすべてのログを積む予定です。

段数で1日2段、果たして可能かどうかな〜と考えていると荷を積んだトラックが来ました。

相変わらずユニック無しのトラック2台です。あの腕相撲のチャンピオンは奥さんと子どもを助手席に載せてきました。もう一台はその人の父親です。この父親も、がっしりとしていて逞しい体です。例の如く荷下ろしはほとんどこの2人で行います。逞しくなるわけですよね。


   ●下準備

これでログは予備も含め全てきました。新しく来たログに芯墨を打ちVノッチの加工をします。この加工は、丸鋸で行うのですが、その丸鋸は直径が303ミリと大きな物で、持つ手にもかなり力がいります。

太鼓挽きのログの厚さが180ミリなので、一回では切ることが出来ません。裏返してまた小さな丸鋸で切り落とします。この作業がなかなか時間もかかり大変なので、チェーンソーで切ることになりました。

早速、一番近くの富士見の金物屋で電気のチェーンソーを買ってきて使い始めました。バーの長さが300ミリの一番小さな物です。それでもこのくらいのログなら一回の作業で簡単に切断加工が出来ます。

V字型の斜め切りなので、丸鋸と較べどうしてもササクレが多く出ますが後はカンナで面取りすれば綺麗な仕上がりになります。


   ●雨の中のオートバイ

次の日残りの1人が帰ることになりました。あいにく昼過ぎから雨です。彼はオートバイで来ていたのですが、必ず持っているはずのレインコートを忘れたようで、途方に暮れています。

夏なので少しぐらい濡れても大丈夫なのですが、3時間の運転となるとかなり堪えます。そこで、妻が名案を出し、実践することになりました。

当時は、一般のゴミ袋は紙が多く、危険物のゴミ袋は黒いビニール系の物が使われていました。その黒い大きなビニール袋を加工してレインコートを作るというのです。

「私に任せなさい。」と妻は大張り切りで作り出しました。

一分も経たない内に「完成!」と言いながら持ってきます。何のことはなく、底中央に楕円の穴を開け、左右を少し切っただけです。Tシャツの腕がない格好になります。

彼はゴチャゴチャ言いながら被るように着ると、それは正しくレインコートです。近くで見るとおかしなスタイルですが、遠くから見ればブラックのエナメルコートに見えます。

着ている本人はかなり恥ずかしがっていましたが、背に腹は変えられないのでそれを着て、爆音と共に去っていきました。4日後また来ると言っていますが、今度は忘れないでレインコートをもってきてくださいな。

(つづく)



◆ 今週の話題《彷徨うキジ》

以前お話ししたキジが、まだこの近辺の林の中をウロウロしています。あまり行動範囲は広いとは言えませんが、かなりの速さで移動しては、例の「カッ、カッ〜」という鳴き声と共に走り去り、数十メートル位先でまた、鳴きだします。
歩く速さは、歩幅が大きいせいか、一般のニワトリの早足よりやや早く、時々その大きな体を、助走を付けて宙に浮かせながら、飛びます。

行動範囲は、此処を中心として4〜500メートルの半径以内。いつもその範囲にいるようですが、この近辺では、いまだにそのオス1羽しか見かけません。きっと、メスを求めて鳴いているのでしょうが、昨年いたメスは姿を見せないので、毎日林の中を彷徨っているのかなと思います。

ちょっと哀れに思いますが、いつまで続くかは定かではありません。見つからなかったら諦めるのでしょうか。電気柵で囲まれたのであまり遠くには行けませんが、巡り会いの旅にでも出るのでしょうか。心配です。


【編集後記】

数週間前に2羽のシジュウカラのヒナが巣から落ちて、残念なことですがなくなりました。残りのヒナは、その後順調に育ち声も大きくなり、先日巣立ちました。3羽です。羽ばたく回数は多いのですが、なかなか進みません。やっと家の前の栗の木の枝に留まることが出来て、20分ほどキョロキョロしながら親鳥の鳴く方を見ていましたが、そのうち残りの2羽と共に親鳥に導かれてより高い木の枝に飛び移り、しばらくして森の中へ飛び去っていきました。毎年の行事になりましたが、朝起きてヒナの声が聞こえないと少し寂しい気がします。
以前は防火帯だったため林の向こうには蓼科山が見える。
メイン道路側からはこんな感じになる。まだ家の形にはなっていない。
Vノッチを加工する時や丸太を切断する時にはやはりチェーンソーが役に立つ。

Copyright(c) 2000-2020 Creative Design Office LETTER HOUSE(since1979) arrival media All Rights Reserved.