嬉しい楽しい山の幸
山菜や若菜摘みの楽しみを温暖な気候の静岡県で教わりました。早春のふきのとうやワラビに始まり秋の自然薯で締める。採り方も全部は決して採らないで次に来る人や来年の楽しみに残しておく。これも山の幸を楽しむルール。ここは長野県なので静岡ほど多くはありませんがそれなりにその日を楽しめるくらいの量は採れます。山の幸の旨さは、その時期にその土地だけでしか味わえない旬の山菜やきのこを、山に分け入りその日の分だけ自分の手で採取し、工夫して食べることに醍醐味があると思います。そして今でもあまり採りすぎないことをモットーに山の幸を毎年楽しんでいます。
フキノトウ(フキの花芽)キク科
高原の原村のフキは茎(柄)が堅く雨の多い年以外あまり利用したことがない。ここ富士見町では葉の柄は小ぶりだがちょうどよい具合に柔らかく、キャラブキに最高である。蕾は主に朝の散歩の時に採ってくる。家下の川の縁や畑の畦、山道にも群生している。

花の咲きかかりのものはまだ良いが、時期を逃し採りそこなって写真(下)のように蕾が開いてしまったら後は見るだけにしておこう。食べる事も出来るが花の食感がボソボソしていてあまりおいしくない。



苦さ香りが最高である。胃腸にイイ!という感じがたまらない。我が家ではまず天ぷら。天ぷらはそのまま衣をつけて採りたてを揚げる。残ったものはフキみそにする。家では茹でてアク抜きしたものを10分位水にさらし、細かく刻み味噌であえて酒とみりん砂糖を混ぜ弱火でゆっくりと練り上げていく。家中フキの香りでいっぱいになる。ちょっと大袈裟だが本当に春を感じる瞬間だ。

ワラビ(シダ植物・ワラビ科)

成長が早いので取り損なうともう次の日には葉が展開し始めてしまう。頭をちょこんと出していたのが雨の次の日にはもう10センチ以上に成長していたりする。量が少ない時にはやや開き始めた真ん中の部分を収穫する事もある。

森の中のワラビは背が高い。中には1メートルを越すものもある。例年5月の初めから6月中頃まで葉が展開する前の食べ頃なワラビが採れる。富士見では4月中頃から順次採れ始める。採り方は茎を持ち下の方からしごきながら上げていき、すんなり折れる所で採る。無理矢理下から折ってもその部分は堅くて筋っぽいので結局は食べないことになる。



採ってきてすぐに、バット(大きめの平鍋でもよい)にワラビを並べ重曹か木灰をかけ、熱湯をまんべんなくワラビに注ぐ。軽い重しを載せて半日寝かせたあと水洗いをする。中には煮てしまう人もいるが、せっかくの歯触りと香りがぬけてしまう。朝とったものが夕食には食卓に並ぶという寸法だ。鰹節と醤油をかければ独特のぬめりと、しゃきっとした歯触りと旬の香りが味わえる。次の日の朝はみそ汁の実に。山菜蕎麦もいける。

ノビル(ユリ科)

借りている畑ののり面や畦、側の通路、山道の道路脇など至る所に群生している。とても食べきれる量ではないので、ある程度を利用して後はほとんどが雑草扱いだ。散歩途中に踏みつけてしまうと強いネギの臭いが辺りに充満する

春はどんどん延びるので、太いものはまるで作っているネギと見違うほど。強い繁殖力で畑の中までも進出してくる。



若く伸びた葉はアサツキ同様の香りで、薬味や生で食べる。シャベルで掘った球根(写真下)は味噌をつけて、これまた生で食べる。ほんのりとした苦みに似た辛みがおいしい。細かく刻んで薬味にも利用したり、茹でてヌタにしてもおいしい。冬でも根は有るので気が向いた時には数本掘って食べることもある。


こごみ(シダ植物・オシダ科)

この近辺の山の中ではあまり見かけないが、すこし下がった湿り気の多い山林の斜面や川の北側斜面に時々見かける。ほとんどが草刈りの時に一緒に刈られてしまうのが少し残念な気がする。
クサソテツと言われるほど、出始めのぐるぐる巻いた葉は柔らかくその緑色がとても美しい。また、出始めのゼンマイのような綿毛がなく、鮮やかな緑なのですぐ判断できる。(こごみの名は出初めの巻いた若芽を人がこごんで相談している姿に似ていることからきたという。)



出て来る時期はワラビより早く、油断しているとすぐ葉が展開してしまうのでその前に若芽を摘む。食べ方は至って簡単。採ってきてみそ汁にそのまま入れたり、軽く湯通ししておひたしやごまあえにしたりする。山菜特有のあくはほとんどないので、とりたてて個性的な味はしないが、この時期にしか味わえない緑が新鮮な貴重な山菜。


ミツバ(セリ科)

早春庭や道のあちらこちらに塊となって芽をだしてくる。最初は緑が懐かしくてそのままにしておくが、そのうち一気に成長し、堅くなって食べられなくなる。裏山の湿気の多い木陰でもよく見かける。その近くにはシソもよく繁殖している。上の写真のものは以前住んでいた所の裏の畑に10年ぐらい前に蒔いたみつばが繁殖して出てきたもの。野生化し毎年雑草にも負けずどんどん増えている。近所の家にも株ごと分けるが、飽きるくらい食べても食べきれないくらいだ。下の写真は富士見の庭に種をまいて増やしたもの。2年目にして旺盛に繁茂している。



香りが最高である。根本からばっさりと刈り込むが、数日後にはするともう新しい芽が出てくる。和え物は香りが飛んで好きではないが、おひたしにすればシャキシャキとして歯触り香りとも口の中は春満開である。みそ汁やすまし汁には食べる寸前にパ〜ッとうきみとして放つ。かき揚げ天ぷらに混ぜてもおいしい。大きくなった葉は、焼魚の飾り(といっても食べてしまうが)に使ったりしている。


ゼンマイ(シダ植物・ゼンマイ科)

中央高原ではヤマドリゼンマイやオニゼンマイがカラ松林内に群生している。(この時期は地元の人が他人の所有地にどんどん入り込んで採っていく。)標高の低いここ富士見ではそんなには多くないが所々に見られる。

茶色の胞子嚢が付いている胞子葉以外は利用できる。写真上くらいの状態が最良。写真下の葉の展開寸前のものは食べられるが見るだけ。葉が展開すると大きなものは一株で1平方メートルくらいの面積は占領してしまう。



下準備:頭部分10センチくらいの簡単に折れるところを採取。全体に包まれている綿毛を取り除き水洗いする。(出来れば外での作業がよい。)大きめの鍋に湯を沸かし、ゼンマイを入れ重曹(木灰)を入れて柔らかくなるまで茹でる。それを水にさらして、何回か水を替え一晩浸けてねかす。

一晩ねかしたものをもう一度茹でてから、ごまびたしやあえもの、あんかけの具にと色々に利用できる。山菜おこわも美味しい。(保存用の乾しゼンマイは下準備の終わったゼンマイを天日で乾燥させながら手で揉むことを3日位繰り返すという。まだやったことはないが大変そうだ。)


アサツキ(ユリ科)

中央高原別荘地や野営場付近ではアサツキは見たことがありません。この写真のアサツキは蓼科の開けた山間部の畑の土手にあったものをもらってきて原村の元自宅裏の畑の隅に植えたもの。3回株分けして毎年株がどんどん大きくなり、丈は30センチ位で太さは5〜7ミリ位になっています。

富士見では山に入ると各所で陽当たりのよいところにはかたまって自生していて道の中央にまで出ているところもあるが地元ではあまり人気の無い山菜。その気になって採ればカゴが一杯になるのは数時間とからない。




食料品店で売られている栽培品種の細ネギやワケギがこのアサツキに近い味がする。冬には枯れてしまうが、春一番が吹いた後に芽を出す。収穫には根を残して、地上に出た葉の部分をナイフで切り取り利用する。そうすれば絶えることなく毎年どんどん増えながらでてくる。私はスティックサラダぽく、少量を塩で食べる生が好きだが、軽く茹でて酢味噌あえにしても美味しい。もちろん小口切りにして薬味にも利用できる。春先の爽やかな香りと噛んだときの辛味がなんとも清々しい。


ヨモギ(キク科)

道ばたや土手などいたるところに生えている。ほとんど雑草扱い。しかし春先の若い葉は柔らかそうで見るからにおいしそうだ。

古くから、煎じて健胃や貧血用に、葉を搾って殺菌や消毒用にと薬草としてつかわれてきた。そういえば子どもの時、誰に教わったのか覚えはないが、遊んでいて出来た切り傷にそこらのヨモギを採って擦りこんだ想い出がある。アブサン酒も同属のニガヨモギから造るという。もぐさにしたり、よもぎ湯にしたり色々と利用価値がある。自然力ここに有り!




生葉は春菊のように天ぷらにしたり、かき揚げに入れて彩りにする。餅やだんごにするときはアクがかなり強いので、塩ゆでして水にさらし、堅い茎は捨て、葉だけをを細かく刻み、すり鉢でよくつぶす。香りはすこぶる良く、草餅やよもぎ餅に利用する。また手打ちパスタに混ぜ込んで、やや太めのフェットチーネにしても緑が鮮やかで美味しい。繊維質のかたまりみたいなものなので、おいしく仕上げるコツはすり鉢でよくすること。これを怠るとすじっぽくて歯ざわりが悪い。


山ウド(ウコギ科)

よく土に埋もれた茎根まで掘って採る人がいるが、長く楽しむなら、伸び始めたばかりの茎は数本残しておいて、展開したかしないか位の葉の枝分かれし始めの太い部分を採るのがおすすめ。そうすれば基幹茎がどんどんと伸び、再び枝分かれし若い芽が次々と伸びてくる。それを採るのである。次の年にはより太く、より多い芽が出て一層楽しみが増えるというもの。

ある程度のびたら一度全部切り取ってしまう方法もある。最初のものより一回り小さくなるが、また新芽が伸び出し採取が可能だ写真は山にあった小さな山ウドを庭に植え大切にしておいたら10年で30本以上になった。我が家の春の宝物。




のび始めの茎や若い葉はそのまま天ぷら。揚げたての若葉がカリッとして美味しい、柄の新鮮な香りも最高である。太めのとりたての柄を短冊切りにし、すぐに水にさらして酢味噌和えやきんぴらも美味い。売っている作りウドと違い山ウド独特の強烈な香りが春の力強い生命力が感じられる。私のお気に入り山菜のトップ3の一つ。


オオバギボウシ(ユリ科)

山道の脇や落ち葉の溜まった脇の草むらによくまとまって生えている。葉の出はじめは巻いた形で数センチほどのびてくるが、だんだんと開いて写真のようになる。まだ巻いた葉が近くに有るようならこのくらい開いていても十分利用できる。夏には薄紫がかった白っぽい花が咲き綺麗である。

都会の人たちは園芸植物として育てているという。山では山菜で食べてしまうと言ったら少し驚いていた。雨の日が似合う山菜だ。




出始めの若い葉柄(せいぜい写真のもの位)を根本で刈り取る。これ以上大きくなったものは葉を捨て、白い部分の葉柄(根本から葉がついている間)を利用する。軽く茹でてお浸しやごま和えでいただく。この辺ではオオバギボウシのことを「うるい」とか「コーレー」と言っている。


タラの芽(ウコギ科)

春山に入るとスーッと伸びた白っぽい細い木の上にやや赤みをおびた緑の葉が天に向かってちょこんと開いている。よく目立つ。その周囲には幼木が数本必ずある。陽の良く当たる所で育ったものは太くて芽も大きい。欲で幼木の芽を採る人がいるが香りもなく筋っぽくて堅い。後の楽しみのために十分成長してから採取したいものだ。

富士見では背丈以上になった太いタラの木が多い。上の方は採りにくい。しかし地元の多くの人達は平気でカマで斬り倒し、すべてを取り尽くしていく。乱雑に切り倒されたタラを見る度、寂しい気持ちになってしまう。




木には鋭い棘があり、葉や茎にも棘があるが若い内の棘はまだ柔らかい。写真(この一日前ならもっと良い)の様なタラの芽を生のまま縦に二つ割りにして軽く衣をつけ天ぷらにする。あまり主張しすぎないとてもやさしい春の香りと付け根部分のホクホク感がなんとも言えない。やはり山菜の頂点に立つ味だ。


ハリギリ(ウコギ科)

近くの山には自生のものが1本あるだけで他に大きな木は見かけない。その木は高さ15メートル太さ35センチぐらいのもの。大きくなると太さが1メートルを超すという。2002年その木のそばにあった実生の幼木を土地の持ち主から分けていただいたが残念ながら枯れてしまった。最近になって山には数本の2m位のハリギリが育っているのを見つけた。これからが楽しみだ
展開した葉(写真下)はヤツデのように掌状で、大きいものは20センチ以上。幹や枝にはタラノキより大きくて堅い棘がある。




写真のように芽出しからやや葉が展開しはじめた頃が食べ頃。外側(葉裏)は綿毛の覆われ、内側はお茶の新芽の様に光沢のある緑が美しい。アクもほとんどなくこのまま薄く衣をつけて天ぷらにすると最高で、若いタラの芽のような香りがする。茹でておひたしやサラダ、和え物も爽やかな春の香りと心地よい歯触りでかなり美味い。


アマドコロ(ユリ科)

山道の脇の半日陰から陽当たりのよい場所までにわたって点々と数十本のかたまりで生えている。原村ではあまり多くはなく、もっぱら高原の花(草)として観賞しているだけだった。ここ富士見では各所に群生していて、これなら少しは戴いてもよいかなという気分になる。あまり採る人がいないので毎年増え続けている。




出初めの若い芽とシャベルで掘った根を利用する。地下茎は横にのびてつながっているのでいるので注意しながら掘り起こす。ひげ根が多いので使う前にきれいに取り除く。それを茹でて定番のおひたしと味噌和えにする。その名のようにほんのり甘くておいしい。茹ですぎないように注意が必要だ。


山椒(ミカン科)

近くの山や山道に所々自生している。写真は庭にある実ザンショウ(雌株)で毎年10月頃に実をいっぱい付ける。たくさんの花が咲き、葉をつぶすようにしてさわると例の特有の香りがする。この木の周りには実生の幼木が数本生えており、山にも沢山生えているので将来的にもサンショウには困らない。




もっぱら葉の部分をちぎり、薬味や飾りとして使っている。目でも楽しめる香辛料なので、料理に添えるだけで豊かな気分になる。枝ごと採ってもしばらくするとすぐしおれるので、やはりとりたてが一番。葉をたたいて香りを出して刺身や魚の照り焼き等様々な料理に添えれば料亭気分。実は緑色になったら柔らかい内に収穫して醤油漬けにする。堅くなった実は乾かしてすり鉢で粉にして使っているが、黒っぽくなりあの緑色の粉にはならないが、山椒の香りは良い。実の若い時に採って醤油につけ込むことを知ったので瓶詰めにして保存してある。漬け込んだ実は焼き魚などのあしらいにすると実を噛んだときの香りが良い。漬けた醤油は山椒の香りが移っていて独特の香りがあるので様々な食材にも利用できる。


コシアブラ(ウコギ科)

近くの裏山にあるが少なくたぶんこの山にはここだけかもしれない。その数本は森林整備の時に切られてしまったが「切らないでテープ」を巻いておいた数本は残った。まだ小さい木はあるが生長するまで時間がかかる木なのでこの写真のようになるまで10年ぐらいはかかりそうだ。




まだ展開しないうちの葉の部分を柄の部分は残して摘み取る。木全体に葉は少ないので少しだけにする。アクもほとんどなくこのまま薄く衣をつけて天ぷらにするとハリギリ同様で最高の春の味と香りがする。軽く茹でておひたし、そのまま味噌汁に放ってもいける。時期を逸するとすぐ葉が開いてしまうので様子を見ながら大切に少しだけ使っている。


ワサビ(アブラナ科)

畑の奥の山肌からでる湧き水から側溝に流れる間にかけてワサビがある。十数年前に畑の地主さんがまとめて植えたもので、今ではちょっとした群落となっている。流れに添って下流にも点々と生育している。数年前泥浴びに来たイノシシに大分やられてしまったがまた復活した。繁殖は旺盛である。大きな石が多いので根はあまり伸びないが、一株で刺身や蕎など一回分の楽しみがある。




根はおろしわさびで利用する。葉は年中あるが、春遅く花が咲く。葉や花は天ぷらにするとおいしいが香りが飛んでしまう。茹でておひたしやゴマ和えなどにも利用している。酒粕を利用してわさび漬けを作った。自家製は甘さ控えめなのでけっこういける。香りや辛みを逃さないためのコツは、葉が生えたギリギリの所でカットして、根は軽く泥などを落として、輪切りではなく縦にカットすることである。


フキ(キク科)

畑の周辺や少し奥の水路まわりや側溝の上のなだらかな斜面のフキ畑に取り切れないほどのフキが生育している。以前は地元の人や下の集落の人達が背負いカゴを持参して採りに来ていたが、最近は見かけなくなった。



葉の柄はもっぱらキャラブキにしていただく。作り方は、柄だけを使い軽く板ずり(塩もみ)をしてから茹でる。筋と皮を取り、適当な長さに切って油で炒め、醤油とみりんで味を調え、照りが出てきた頃に七味唐辛子を入れて完成。


セリ(セリ科)

畑の周辺が主だが、畑横の水路を作った周辺や縁に多く生える。ここらで言う田ゼリである。



葉や柄はもっぱらおひたしにしていただく。ごまあえでもいける。しゃきっとした歯触りや春の香りがとても良い。時々大根下ろしをいっぱい入れた鱈の雪鍋に大量に入れて食べることもある。


ハナイグチ/ジコウボウ(イグチ科)

8月の後半から秋までカラマツ林に発生する。群生が多く、一つ見つけるとその周辺に多数発生している。大きな物ではかさが20センチ以上の物もある。表面は淡い黄色から濃い赤茶色のものまでいろいろあるが、いずれも表面はナメコのようにねばねばした粘質性で粘膜におおわれている。裏の管孔部は若い内は明るい黄色で古くなると茶褐色になる。

本来はハナイグチだが「りこぼ」とか「じこぼう」ともいわれ地元の人には非常に人気があり、別荘の多い所では敷地にまではいりこんで根こそぎ採っていくので毎年住人とのトラブルが多い。




あまり開いたもの(虫がかなり入っている)より傘と柄がまだくっついている開きかかりのものがしっかりとした歯ごたえがあって私は好きだ。野菜を入れたキノコ汁がおいしい。うどんやそばの具にしても最高。また水を入れないでキノコの水分だけで茹で、それを大根おろしで食べても美味しい。その茹でた物をピーマンや玉葱ニンジンなどの野菜とともにピクルスにしても保存がきいて結構いける。収量が多いのでいろいろと楽しめる。冷凍もやってみたが、味と色が落ちるのでうまくはなかった。


アミガサダケ/トガリアミガサダケ(ノボリリュウ科)

4月の後半から6月まで我が家の庭にポツポツと発生する。その名のように大ぶりの網目模様でしっかりとしており中は空洞になっている。淡い黄褐色。写真下の左側2本はトガリアミガサダケで色も黒っぽくい。どちらも食用になる。



欧米ではモレルという高級キノコだそうですが、味は普通で個性が感じられないキノコ。重量感があるので採取したときには得した感じがします。主役にはなれないので主に添え物でしょうか。料理は簡単で縦に半分、大きなものは4分の1くらいにカットしてバター炒め。脂質に合うというのでクリームやチーズにからめてパスタソースを作って食べたら意外に美味しかった。


クリタケ(モエギタケ科)

10月の前半から主に雑木林に発生する。近くの立ち枯れた楢の木や、栗の木の切り株かは判らないがその根元から毎年同じように発生している。手入れがなされていない林なので、落ち葉や折れた枝が重なり合って行くのに大変だが、束生している根元を少し掘るとこれから出ようとするかなりの量の幼菌のかたまりがある。傘の大きさは1〜9センチ位で周辺には綿のような縁があった。高さは長いもので10センチぐらいはあっただろうか。15〜20本くらいが一つの束になっていて、ここだけで袋が一杯になってしまった。



柄の石づき部分から黒いところまでは繊維質で堅いので切って使う。しっかりとしたキノコなので歯切れも良く、味も癖がないのでいろいろな料理に使える。我が家では、みそ汁やすまし汁が定番だが、すき焼きに入れたり、天ぷらにしてみても美味しかった。量も多く採れるのでいろいろと楽しめるキノコだ。


カラカサタケ(ハラタケ科)

9月の前半から雑木林に発生する。散生が多く一つ見つけるとその周辺にポツポツと発生している。背が高く大きなものは35センチ以上かさが25センチ以上の物もある。表面は褐色から薄い茶色のものまでいろいろあるが、開くと表面は鱗片のようなササクレ状態。柄は以外と細く、かさと同じような色のササクレ状態。根本はふくれていて上方にはツバがある。ここではニギリタケとも言うらしい。かさを握って放すと元のように戻るからだとか。試してみたが、握った時に上部が割れてしまった。放すと一応最初の開いた状態に戻った。とにかく背が高くかさも大きいのでよく目立つ。初めて見たときはびっくりした。しかし地元の人はあまり興味がないようだ。採っている人も見かけない。



しっかりとした大きなキノコなので、かさは食べやすい大きさに細かく切ってから、茎は長いので適当に切って裂いた後にバター炒めや天ぷらがおいしい。特に柄のほうはしっかりしているので野菜炒めやゴボウとニンジンのきんぴらにするとけっこういける。


スッポンタケ(スッポンタケ科)

9月の前半から秋の中頃まで家の前のひのき林に発生する。散生がで一つ見つけるとその周辺にポツポツと発生している。側に行くと臭いがスゴイ。異臭というか悪臭である。それは先の方に網目状の隆起のある間の黒い緑色をした胞子液のためである。そのためハエなどの虫ががとまっていることが多い。数日から1週間ぐらいすると胞子液はなくなり網目だけになる。



先端の網目には良く洗っても臭いが残る。柄はしっかりとした中空である。良く乾燥させて食べるのだが酢味噌和えぐらいのものだろうか、そんなにありがたさは感じられなかったので今は観察程度にしている。同種のキヌガサタケも時々見るが、やはりハエがたかっている。異臭も強烈だが、しかしレース状のマントを広げる姿は美しいと感じた。


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