友よきたれ、共にロマンを語ろう!
(蒼生舎旗揚げ宣言)
私たちはチャンバラ映画全盛時代に幼年期を過ごし、日活アクション・青春映画時代に少年期を、そしてヤクザ映画時代に青年期へ突入し、「フーテンの寅」さんに自己を投影し、「健さん」に幻想を抱きつつもヤクザ実録路線に生きざまの何たるかを突きつけられ、何やら知らぬうちに角川コマーシャリズムと大作映画時代になってしまった今、これからどのような映画が潮流となっていくのか私たちは想像する事もできません。
しかし、私たちにとって、 「映画=スクリーン」は常にロマンであると想っています。暗い映画館の座席に座ってスクリーンを見つめる。そこには何とも言えない緊張感がピーンとはりつめているのです。この緊張感があるからこそ映画は私たちを魅了してやまないのです。
私たちは映画が好きで映画を通して何かをつかみ、何かを求めていこうと思っています。その為に映画を肴に酒をのみ、ロマンを語り、楽しみながら自主上映をも行っていく集団をつくろうと思っています。
私たちが自主上映をしようと思っている映画は、町や村の映画館では見る事のできない(上映しようとしない)もので、内容ある映画であります。例えば、ATG映画(アート・シアター・ギルド)・独立プロダクション映画・アマチュア監督の16ミリ・8ミリの作品・往年の名画等です。そしてこれらの作品の中から、私たちの見たい、見せたいと思うものを選択して上映していきたいと思っています。映画が好きで、酒が好きな人は、ぜひ私たちと共に、ロマンを語ろうではありませんか。
大東町:岡本善達
(1980年4月号:78%創刊号掲載)
1981~1982
1983
1984
1985
1986~1991
蒼生舎の前身である 「天衣無縫」での活動はこちらからご覧頂けます。
ATG映画などを中心にした映画の自主上映
78%創刊号で映画を通じてロマンを語ろうとアピールした私たちですが、思うように人が集まらないのが現状です。しかし、私たちは、まず第一歩を踏み出すことにしました。まず、向こう一年はATG映画の中から何本か選んで自主上映していく事にしました。
ATGとは、日本アート・シアター・ギルドの略で1961年に結成された組織です。目的は純粋の芸術映画か映画を前進させる意図のもとにつくられた実験映画を配給することであった。1962年そのATG映画を上映する劇場が全国で十館誕生した(東京3、横浜・名古屋・京都・大阪・福岡・札幌各1)が、その頃は映画界そのものが下降線をたどっていた時代であった。だから1966年頃まではほとんど外国映画を上映したきたATGでしたが、1970年へ向かう新しいエネルギーが吹き出してくる中で、独立プロダクションの制作した日本映画を上映するようになった。そして1968年初のATG自主制作映画「絞死刑」(監督・大島渚)が作られた。この映画は1958年におきた〈小松川女子高生殺人事件〉に材をとり、犯行が異常性格によるものではなく、朝鮮人に対する日本人の差別感に反発して行われたということ、という2つの主題でつくられている。この映画は同年のフランス・パリの5月の動乱の中で上映され圧倒的支持を受けた。
このATG映画の特色は、監督の独立プロダクションとATGとの提携制作で、資金を半分づつ出すという事であった。当時、その制作費の額から「一千万円映画」と呼ばれた。その後ATGは日本映画中心へと方針を行こうしつつ傑作・野心作・異色作をつくりつづけてきたのである。
私たちは、このような歴史を持つATG映画を掛川の地において上映していこうとしています。それで、それを支えてくれる多くの有志を募集しています。ですから会員制にしていくつもりですので皆さんの参加をお待ちしています。
大東町:岡本善達
(1980年7月号掲載)