自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第96号》2015年9月26日発行
◆草刈り
◆大変だったベジタリアン食
八ヶ岳の里山は暑かった夏が過ぎ秋がゆっくりと始まっています。
ここの紅葉は山桜が一番早く落葉も多くなってきました。キノコも今年は発生が早く、先日はお客さんが仕入れてきた松茸や木シメジなどで早い秋の味覚を堪能させていただきました。前の林では作りナメコも出ていますが椎茸やヒラタケはなぜだか出てきません。


  ◆いろいろな里山の出来事

《草刈り》

今年の夏は前半が気温が高く、標高900mのここでも気温が30度を超える日が続き、雑草もよく生長しました。

我が家はコテージのお客さんも多いので家の周りの草刈りは欠かせません。2週に1回ぐらい行っています。他の草刈りは例年だと6月終わり頃から始まり、8月、9月終わり頃の3回位ですが、今年は7月中頃と8月終わり頃にも行いました。

最初に行う場所は広域農道から入る砂利道の山の法面と道路下の法面です。ここに住む人達や来客者、配送車などが主に利用する唯一の生活道路です。距離は300m位。以前は私がほとんど一人で行っていましたが、今では近所の有志数人の方達と分担して行っていますので、大分楽になりました。

次に行う場所は、借りている畑の周りと、そこにおりて行くまでの道路です。近くに我が家の水源地周りもあるので全体で700坪くらいあります。

その次は我が家の山の斜面と道を挟んだ畑の上の山の斜面ですが、ここは林の中なので、夏前に1回刈れば秋の終わりまで草が生い茂る事はありません。それでも、550坪くらい有り斜面なのでなかなか大変な作業です。

次は、畑の西側、3面張りの川向こうの緩やかな斜面です、ここは300坪くらい有りますが、灌木や木も無いので意外と早く済みます。奥にはフキが群生しているのでその部分はシーズン中は刈りません。

次は3面張りの横にある私道と東側の林です。道路には砂利や小さな山石が多いのでワイヤーの草刈り機で行います。ワイヤーだと金属刃のように石に当たるいやな音が無く草が細かく粉砕されるので見た目は美しい仕上がりになります。奥までは道巾3〜4mで、距離が150m位有りますがでこぼこも少ないので意外と早く刈れます。

途中セリやクレソンなどがある人工の小さな川があり、約1m位低い場所になっているのでこの斜面はいつもそのままにしてあります。一番奥には涌水がありそこには小さなわさび畑もあります。ここは木の根が気根のように出ているところもあり、石や倒木なども苔で覆われていて、この辺りには無い自然のままの雰囲気を醸し出しています。ここはアクセスする通路以外は草刈りはしません。

次はこのわさび畑から戻り、東の林の中です。ここ数年草刈りをしていないので雑草や灌木が濃密に生えています。この縦長で700坪くらいある林の中に個人的な遊歩道を作る予定があるので今年は草を刈りました。でこぼこした地形なので数日を要しましたが、刈ってみるとなかな感じの良い林になりました。

人工のクレソンのある小さな川には、数年前に自生していた唐松を間伐して橋を作ってあります。ここが遊歩道の入口になるのですが、今はフキがびっしりと生えています。以前は地主の知り合いの方々が採りに来ていたのですが、皆高齢になりここ数年姿は見えません。

最後に自宅東側の檜林です。昨年、森林組合が間伐したので陽も入るようになり草もよく生えます。500坪の林の中は落枝や木の根が浮いたところが多いので、ワイヤーで刈ります。ここに来たばかりの頃は、手前は腰ぐらいまで雑草が生え奥は落ちた枝や枝払いした枝が重なっていて歩ける状態ではありませんでしたが10数年掛けて暇なときに整理していたので今では障害無く歩けるようになっています。ここを抜けると林道が有り、生活道へ抜けます。この道は晴れた日には富士山の頭がよく見える場所です。そこも草刈りをして一応の草刈りが終了します。

草刈りはなかなかしんどい作業です。もちろん、自分達のためにでもありますが、近所の人達や子ども達、都会から自然を求めて泊まりに来てくれた人達がゆっくり気持ちよく散歩をしている姿を見ると、草刈りをしておいて良かったと感じます。また、雑草等は全てを刈るのではなく、ここの里山にある草花や低木などを残す場所は所々確保してあり、草花の他、昆虫やなども生息する場所になっています。



《大変だったベジタリアン食》

年数回コテージに来る外国人グループが先日の連休にも宿泊に来ました。ドイツ、カナダ、アメリカ、オーストラリア、韓国、台湾……と多国籍なので食材にも気を遣います。

コテージは基本的に自炊になっていますが、彼等の場合は特別に私たちが賄いをしなければなりません。夕食は外でバーベキュー、食材を用意し調理してあげ、次の日の朝食もこちらで用意し我が家で食事するという事になっています。

今回はインド人が2名参加するとう連絡が宿泊の2日前に急にありました。

インド人!?何を食べるんだろう、と言うより何が食べられないのだろうか?宗派によって違うし…たぶんヒンドゥー教!?

コーディネーターと電話での数回のやりとりで、魚や肉がダメだからサラダ位で良いという回答だった。これもにわかに信じられません。

それなら簡単。だがタンパク源が少ないので満足行かないのではと思いいろいろと調べながらメニューを試作。しかし、味付けやダシに動物のエキスや調理酒などが入っていてもダメらしいので今我が家にある材料ではなかなか上手くいきません。

もう一度質問し、乳製品は大丈夫だという。でもタマゴはだめらしいという回答。乳製品は良いというとチーズやヨーグルト、バターが使えます!

バーベキューは、野菜やカボチャ、根菜類が有れば良いので、これもOK。特別食に大きなダッチオーブンで、ジャガイモとタマネギとトマトのチーズ焼きを追加し、タマゴを使わないバケットも焼いて貰うようにしました。

焼くのも肉のと同じ網ではダメというので、肉とは別に鉄板で焼いて貰う。肉を触ったトングではダメなのでこれも別トングに。

酒も駄目なのかと思ったらビールは良いらしい。(酒がダメなのはイスラム教だった)がんがん飲んでいる。持参のJBL Charge2(なかなかいい音でした)からは大音響のインドの音楽が流れている。かなりハイテンションになってきて、その内に踊りも始まった。

他のオーストラリア人、ドイツ人、韓国人はやはり肉食でワインやビールで盛り上がっている。台湾人は焼酎が好きなようです。インド人以外は日本語が少し話せるので助かりますが、皆は殆どネイティブな英語での会話。(ついて行けずに疲れました)

最初にインド人ならケバブは大丈夫だろうと思って仕込んであったが、これは勿論ダメなので、他の人達に急遽作って出しました。インド人もこの料理は知っているようで、カバーブとか言うらしい。

食べ物が限られているのでライタサラダは好きかと聞いたら好物だというので彼等にはライタサラダを独創で作ってあげました。これはいつもやっているので簡単。レタスを周囲に置き、プレーンヨーグルトの中に、クミンシードとディルシードをから煎りして混ぜ、千切りのキュウリに塩胡椒して、チリパウダーを入れて混ぜ、レタスの上にバーンとのせて完成。

スプーンやフォーク、箸は使わないという。右手だけで食べる。不便では?言うと、慣れているから大丈夫というが熱い物を食べるのは大変そうだ。ラーメンは動物性のスープなのでダメなようだが、パスタは大丈夫のように聞こえた。箸の使い方を教えてあげたが、かなり苦労していた。

そんなこんなで、夜も更けお開き。12時を過ぎていた。

次の朝、妻が発案したイタリアンポテトコロッケ(ジャガイモ・パプリカ・オリーブの実)とトウフバーグと自家製のパンとパンプキンスープで朝食。インド人達はコーヒーは飲まないで、水だけ。氷も受け付けない。トウフバーグのトッピングのトマトソースに入れてあったシメジはすべて横に出してあり、キノコ類はダメとのことだった。

厳密に言うとタマネギやニンニクもダメなようだ。我が家の美味しい枝豆もダメらしい。でも、食べられないわけでは無いようで、トウフバーグにはみじん切りでよく炒めたタマネギが入っていたし、ダッジオーブン料理にも入っていた。その5、6人前をほとんど2人でたいらげてしまった。

今までは、ベジタリアンはイコール完全な菜食主義の人々だと思っていたが、実は肉や魚などの動物性食品を避けて植物性の食品を中心に食べ、中には乳製品やタマゴも食べる人もいて、その分類もあるのだと言います。2人のインド人はベジタリアンで私はビーガン(完全な菜食主義)だと思っていました。ビーガンだけは知っていたので勝手にそう思っていたのですが。

話を聞くと、乳製品や牛乳は良いというラクトベジタリアンがあり、さらにタマゴだけは良いというオボベジタリアンがありどちらも良いというベジタリアンもいるそうです。

そうすると彼等はラクトベジタリアンということになるんだなぁ。どちらにしても、宗教心が薄い私には、面倒だったがとても良い勉強になりました。


【編集後記】

唐辛子が出来、青唐辛子も数十個有ったのでタバスコを作ってみました。ニンニクとワインビネガーと穀物酢と塩と共にミキサーに入れかき混ぜました。最初はミキサーの周りに張り付いてミキシングが出来ませんが、何度も下の方に落としてかき混ぜると段々ペースト状になってきてどうにかそれらしき物が出来上がりました。しかし作っているときは目と喉が痛いぐらいな臭いで閉口しましたが少し舐めてみると激辛!実は青唐辛子だけのつもりが枝から落ちた赤唐辛子が15個あったのでそれを加えたためです。ハラペーニョのつもりが市販のハバネロのタバスコに近い辛さでした。これをどう使うかが問題です。
進入路の下の法面と道路の上の木々のある法面。多い時期には3回程草刈りをする。
畑まわりや奥に続く道路。川向こうの斜面などを順番に草を刈っていく。
わさび畑に続く道。草刈り前なので道路があるとことは分からない。

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