自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第56号》2008年12月9日発行
◆いろいろな里山の出来事
◆薪ストーブとある日の朝ご飯
◆数日前の強風で、最後まで頑張っていたナラの木々は、すっかり葉を落としてしまいました。見通しの良い林になり、遠くの景色や、近くまで来る鹿やリスの動きが良く見えます。山には雪、大寒を過ぎて一気に冬景色です。
◆続編-いろいろな里山の出来事
《近くの林の伐採》
20メートル以上の木々が密生する山が、我が家の直ぐ南西にあります。
持ち主は、私たちが住む集落の隣の区。そこの共有林、いわゆる、その区の財産区有林です。
昨年秋、ある業者がこの山の立木を買いました。理由は定かでは有りませんが、チップ用と燃料用が主らしいとの噂です。
直ぐに伐採されるのかと思っていたら、一冬が過ぎ、秋になってもその気配がありませんでしたが、この冬伐採が始まりました。
この頃毎日、昼頃になるとチェーンソーの音が響き渡ります。そして、木が倒れる鈍く凄まじい音が山と空気を振るわせます。日暮れ前まで、3〜4時間ですがガンガンと切っています。従業者は1人か時には2人。1日に10〜30本が伐採されています。
ほとんどが赤松ですが、中には太い楢の木や朴の木、クルミも混じります。何も手入れがされていない林なので、木は競って上に伸びています。高さだけは有るのですが、ほとんどが直径が30〜40センチ前後でひょろひょろしています。
我が家の北側の山の赤松林も、ほとんど同じで、手入れがされていません。大風や大雨になると彼方此方で木が倒れています。
我が家の周りだけではなく、ここの地域には手入れがされて管理されているような林は見ることが出来ません。高齢化が進み、通年手入れをする人たちも居なくなりました。今は名前だけのさみしい里山です。
この辺の赤松林は、30〜40年位前には松茸も出ていたそうです。手入れをしていればちょっとした産地になったかもしれません。
この山は、伐採後は広葉樹だけの林になるそうです。広葉樹が生長するまでは3段目の畑に陽が当たるようになり、そして我が家から南アルプスの山々の眺めだけは良くなることでしょう。
参考---------------------------
富士見町は町の面積の7割位が森林です。正確に言うと町の面積が144.66平方キロメートルあります。森林の割合が71.7%なので、森林面積が103.68平方キロメートル。この森林面積の内、国有林を除いた民有林が77.86平方キロメートル(数値はながの県勢要覧H18/中部森林管理局統計/地域森林計画の面積より)
今回伐採される林の面積は、約7,000坪で、およそ23,000平米(0.023平方キロメートル)になります。
◆薪ストーブとある日の朝ご飯
我が家には薪のキッチン(クッキング)ストーブがあります。
本来は台所にあるはずのストーブですが、我が家では台所が狭いので居間に設置してあります。もっぱら暖房用ですが、キッチンストーブの名に恥じない機能を持っています。
毎朝、早起きの妻が薪に火をつけます。1時間もすると部屋が暖まりだしやかんのお湯が沸き出します。そのころ、のっそりと私が起き出し、周りの景色を見ながら珈琲をのんびり飲みだします。妻は愛犬たちと散歩に出かけました。
私はだらだらしながら朝ご飯の準備に掛かります。富士見町に来てからは朝は私が料理長となっています。
たとえば、冬場の味噌汁の場合鍋に水を入れ、庭で採った椎茸を入れストーブに載せます。次にやかんのお湯を鍋に入れストーブに載せ、鰹節でだしをとり、煮えた椎茸の鍋にだし汁を加えます。後は豆腐を入れて、味噌を入れ薬味の庭でとれたアサツキを加えて完成。
この日のおかずは、鯖の煮付け。静岡の焼津で仕入れた新鮮な鯖を、酒とみりんと醤油で前日から煮込んであったものを、ゆっくりと暖め直すだけだったので簡単。ストーブの低温プレートに載せて、煮詰まらないように見ているだけで終わり。
天板のプレートは、熱の流れに沿って、直火の高温から熱気だけの低温まで順次4種類のプレートがあります。薪ストーブは火力調整が直ぐには出来ないので、鍋を移動することによって熱の加減を調整します。
というわけで、この日の朝食は、ガスを必要としないで食事の支度が出来ました。(米は電気炊飯器で焚きましたが。)
もうすぐ愛犬たちと妻が朝の散歩から帰ってくる時間です。
ご飯が炊ける土鍋があると聞いたので、いつか仕入れてストーブで炊飯まで挑戦したいと思っています。
【編集後記】
先日、誕生日をむかえました。年を重ねることをバージョンアップとか言う人も居ます。経験や知識が徐々に積み重ねられて、確実にプラスになっていくのだから年をとることは常に進化していると言うことだそうですが、知識や経験も使わなければバージョンアップしてもあまり意味ありません。サンフランシスコ条約が調印された年に生まれたのですからもう使う機会もそう多くは無いと思います。それよりも。年をとるにつれ感じることは、物忘れやちょっとしたことが思い出せないこと。本当に多くなってきました。そう言えばスティービーワンダーも同じ年だったっけ。関係ないか。
うっそうとした松林が次々に伐採されて山の形がわかるようになる。
赤松や太い楢の木が山のように重なって置いてある。
手前アルミ鍋が出汁取り、ステン鍋がシイタケを煮ている所。ヤカンは30分もしないうちに沸騰する。
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