自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第55号》2008年10月20日発行
◆続編-いろいろな里山の出来事
◆食について思うこと
◆山の色が変わり始めました。八ヶ岳の唐松が紅葉してきたのがここからも見えます。朝晩10℃を下回る日が続いています。我が家の薪ストーブにもいよいよ火が入りました。秋本番です。



  ◆続編-いろいろな里山の出来事

《抜け殻の続編》

前回のメルマガで
「抜け殻といえば、今期大発見したものが有ります。たぶん、いままで見たその大きさでは一番です。且つ、その完璧さも一番です。」とお伝え致しましたが、

それは何かというと、ヘビの青大将の抜け殻でした。

このヘビはまだ名前はありません。今のところ名付ける気もありませんが、今年はよく目にしました。

薪置き場で昼寝をしていたり、コテージの階段をゆっくりおりてきたり近くの林の中の道を横切っていたり、時には木に登って枝で昼寝をしていたりと、本当によく見かけます。大きいから目立つのでしょうか。

その長さは2メートルを超えているのではないかと思います、が、正確にはまだ計ったことはありません。一般的な長さは1.5〜2.0メートルということなので、大きさから言えば貴重な青大将です。

私はヘビはあまり好きではありませんが、なにかこの大きなヘビだけはどうも気になります。

昨年のこの時期、このヘビとは違う小さなと言っても1メートル2〜30センチ位の青大将が木に登っていく姿を見ました。

垂直な木にそのまま真っ直ぐ躊躇無く登っていきます。枝のところで体を交わしながらまだ上まで登っていきます。地上から5メートルくらいの幹が二股になっているところまで登りやっと落ち着き、とぐろを巻いて数日寝ていました。

シジュウカラやヤマガラがよくくる木です。小鳥たちが来るたびに、直ぐ側に留まりみんなで警戒して鳴いていましたがこのヘビは何があっても全く動きませんでした。

青大将は、木の上での生活が多いようです。だから木登りも上手いのでしょう。

よくこんなところで脱皮したなぁ、と感心しましたが我が家の倉庫の妻壁の軒下に、脱皮の跡の抜け殻が有ります。3メートル以上の垂直壁で、取るのがめんどうなので、いまでもそのままにしてあります。

その名無しのヘビの抜け殻の写真です。当初はまだしっとりとしていましたが、今はカサカサして縮んでしまいました。


   ◆イノシシ

以前、畑の下のワサビがイノシシによって壊滅状態になった事をお伝えしましたが、だんだんイノシシが畑にも出没し始めました。

昨年、サツマイモを植えて、一夜にして滅茶苦茶にされてしまいました。そのサツマイモを植えた場所を目指して来たたようです。良く覚えているものですね。
しかしながら、今年は植えてありません。

このイノシシはサツマイモが無かったので業を煮やしたのか、その部分をぐちゃぐちゃに掘り返して行きました。そして次の日も現れその部分をさらに拡張して行きました。けっこう疲れたことと思いますが、見返りの収穫は有りません。

その上の段に、山芋を植えてある畝が有ります。イノシシは山芋も大好物です。
一応、対策はしてあるのですが物理的な物ではないので、安心は出来ません。

今年のサツマイモは、場所を変え、周りにネットを張り巡らし、美容院で人間の髪の毛を貰ってきて、周りにぶら下げておきました。人間の臭いのするものが嫌いなようで、今回は一応の効果はあったようです。

山芋の場合は、ソーラーライトのLED点滅ライトを設置してあるだけです。夜になると点滅し始めるライトですが、イノシシはその点滅を野生の動物の目と勘違いするようです。やることは派手なイノシシですが、実はかなりの臆病者ということだそうです。

本来は赤っぽいライトが良いそうですが、我が家のは黄色です。これでも今のところなんら問題有りません。これも、設置してからは山芋のエリアは全く被害はなくなりました。

というわけで、無事育った山芋の試し堀をしようと思います。


   ◆食について思うこと

今からもう30年くらい前タウン誌を出していた頃、食や農に関する事を特集したことがありました。

大量生産大量消費の時代で、金回りも良く有頂天になるものやこのままでよいのかという危惧の念を抱くものもそのうねりの中にいた時代。食品添加物や農薬も大手を振って使われていました。しかしその毒性が認知されるようになって、今では規制が強くなっています。

静岡県は農家と言えばミカンかお茶。農作物なのでもちろん農薬は使われました。そこに使われる農薬は半端ではありません。大半は毒性がわかっていても農協指導で計画散布されていました。散布される農薬を散布者が吸い込む事による弊害も多く、当時の状況ではどんなに防御しても無防備に近い状態。そしてかなりの確立で農家では奇形児が生まれたり死産だったり、そしてひっそりとその命が消されていきました。

今おきている「食」の問題。当時となんら変わりがない様に思われてしかたがないのは私だけでしょうか。

やっと浮かび上がってきた様々な構造、他国の生産地に責任を擦り付ける構造もなんら代わり映えがしませんが、数十億人が生活しているこの地球でたたった一握りの人間達が描いたシナリオで今後暮らしていくことはどうやら無理があるように思います。

文化とは何かと問われて、毎日の生活が文化だと答えた人がいましたが、時の経過において負の構造も習得され、ある部分で共有され、そして継承されていきます。これもまた文化。そしてその中に私たちが置かれていることだけは否めません。

【編集後記】

方々の田圃は稲刈りを終え、脱穀された藁が目立ちます。今年もまた妻は地主さんの稲刈りと脱穀のお手伝いです。そのご褒美に毎年籾を1俵戴きます。早速、精米して新米を食べてみることにしました。が、コイン精米所も大賑わい。精米機がオーバーワークで使えません。数人が並んでみんなそれぞれがっかりした様子です。次の日もまた、使用不能。そして次の日も。結局新米を食べることが出来たのは5日後。今年は豊作で作柄がよいというふれ込みでしたが、なるほど粒は例年に比べて一回り以上大きい感じがします。味はというといつもの方がおいしかった様におもいました。微妙ですね。地主さんの自家米は無農薬で天日干しを貫いています。ご夫婦共80才前後。年々体力が落ちてきたように見えますがまだまだ米だけはやめねぇ!これからも作り続ける意気込みでした。
左が2m以上有る抜け殻。右上は腹の部分で左右に爪のようなものが有る。これを引っかけて木に登ったりするようだ。そのしたが背の部分、一番下が頭の部分でここから抜け出していく。
一夜にして荒らされた畑。
イノシシが嫌うという人の髪の毛。
夜間点滅するソーラーライト。

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