自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第38号》2006年11月17日発行
◆ 冬越の準備作業<稲藁切り>
◆ 今週の話題 <過ぎたるは及ばざるがごとし>
◆道路工事が始まり、一部の電気柵が外された次の日、猿の集団がやってきました。今回は我が家の畑は被害はなく、他の農家の畑も被害はなかったようです。なにをしに来たのかわかりませんが、翌々日また山梨方面に帰っていきました。どうやら電気柵の効果は有ったようです。


  ●冬越の準備作業<稲藁切り>

春から秋まで色々な野菜を生み出してくれた畑に感謝の気持ちを込めて、稲藁を切って一面に播きました。

この作業は機械を使うのでとても簡単です。稲藁は借りている畑の地主さんの有機栽培の田圃からいただいてきます。

軽トラックで2台分。もう収穫を終えた一部分約200坪くらいの畑に播きます。藁が多そうに思えますが、切って播くと丁度良い量です。

使う機械は、エンジン自走式の農業カッター。地主さんの持ち物でかなり古いものですが、まだまだ十分使えます。毎年使わせて貰っているのでこの時期にはこちらが借りたいと言う前に庭先まで軽トラで運んできてくれます。感謝です。

この機械は、太さ4センチ位の枝でも難なく切り刻むことが出来ます。硬いトウモロコシやトマトや茄子などの硬い部分の幹もこれなら簡単。稲藁くらいなら数秒で切り刻まれ飛んでいきます。

稲藁の乾燥にもよりますが、濡れた藁でも切り刻まれた稲藁は5〜6メートルぐらいは飛びます。乾いた藁は風で散らばるので、濡れたものと交互に投入するとちょうどよい具合に散らばって播くことが出来ます。

束ねてあるままの稲藁を穂の方から投入口に投げ込んでいきます。機関銃のような音を立てて、一瞬でカットされ吹き出されます。少しずつ角度をずらしながら移動して数十分で全面に播くことが出来ました。

ついでに燃やしても燃えなかったトマトや茄子、アスパラ、里芋などの茎もカットしてしまいました。あとはもう少ししてから畑にスキ込む作業になります。

一部は地主さんがトラクターでかき混ぜて土を起こしてくれますが、まだ植えっぱなしのイチゴや玉ネギの植え付けた畝が点々としているのでこトラクターが入れない部分は、我が家にある唯一の農業用機械である小さな管理機が活躍します。

このように冬までに落ち葉を燃やした灰も混ぜ、土を起こしてかき混ぜてすべて土に戻します。来年うまく育ってほしい美味しい野菜のための大切な作業です。



◆ 今週の話題《過ぎたるは及ばざるがごとし》

ここ数年、中高年の間で密かな趣味が「農業」だそうです。団塊の世代の都会離れや、週末菜園、ドイツ風のクラインガルテンなどがまた人気になってきたようです。

ここでもご多分に漏れず、別荘を建てたり永住したりした人たちはほとんどが庭先や、農家から畑を借りて家庭菜園に親しんでいます。中には農家登録をして大々的に行っている人もいますがそういう人は希です。

多くは帰農というところまでは到底達しませんが…。しかし、元々は農耕民族。ちょっとした気構えと努力で野菜類くらいなら自給自足出来るというところまでは、なんとか出来ます。

最初の頃は、種を多く播きすぎたり、苗の植え付けも多かったりして大量に出来てしまい、配ったり保存したり食べたりしてもその量に困ることもあります。

私たちも作付けには素人故、数々の失敗談があります。

17〜18年前ズッキーニを初めて栽培したとき、西洋野菜の珍しさもあって10数株を苗付けしました。カラフルな黄色のズッキーニです。早く、ラタトーユたべたいな〜。(意気揚々です)

カボチャの仲間なので葉も大きくなり花も綺麗に咲いてすくすくと成長しました。畑の見栄えもプロの農家然として絵になっていました。なかなか格好いい風景だな〜。(形から入るのがこの世代)

最初は嬉々としてキュウリくらいの大きさの物を収穫しては食べていました。しかし、このズッキーニは茄子のように、花を付ければ全て実になってしまうのに気が付いたのです。

花を摘花すれば良いのですが、気が付いたときは事既に遅し。せっかく成った実だ、最後まで面倒見るぞ〜。しかしながら、1株から数日置きに1〜2個食べ頃が出来てきます。

それが10株……もう食べられません、というか飽きてきます。こうなると近所に配ったり、宅配で送ったり。大騒ぎ。中には、みそ汁に入れたり、漬物に挑戦したりする強者も現れましたが、上手くいったようではありませんでした。

そのうち、その大きさが小さな大根位になりましたが、まだ成長を止めず、終いには冬瓜の大きさを追い越し、巨大な黄色のオブジェとなってしまいました。積み上げると人の高さを超えます。

畑の中で、後悔しながら叫びました。「もうズッキーニはいらない〜。」

後日、全て土に戻したのは言うまでもありません。そして次回からの植え付けは2〜3株になりました。


【編集後記】

長いトンネルを抜けたという感じでやっと仕事が一段落しました。まわりをみれば今紅葉が盛りです。あんなにいた赤トンボもいつの間にか姿を消し、替わりに登場したのが、小さな糸トンボとテントウムシ、そして例のカメムシです。

糸トンボは昼間開けっ放しのデッキのドアから入り込み、一夜を台所の天井にぶら下がって過ごしたあと、朝になって窓ガラスに遮られながらも外に出ようと努力しています。窓を開けるとフワフワと飛んでいきます。

テントウムシは、昼間暖められた電柱に、夕方になるとどこからともなく集まりはじめます。だんだん電柱の下の方が黒っぽくなり、多いときには数百匹にもなることもあります。

カメムシは相変わらず薪置き場で集団冬眠体勢になって動きもだんだん鈍くなりはじめました。

控えめな存在ながらこの時期目立つ虫たちは日だまりが似合います。

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