自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第71号》2010年8月20日発行
◆いろいろな里山の出来事(スズメのぴっち。ヒナを育ててみて)
◆暑い夏が続いています。残暑も厳しいとの予報です。熱射病など十分な予防対策をしてこの夏を乗り切ってください。
◆いろいろな里山の出来事
《スズメのぴっち。ヒナを育ててみて》
7月10日、近所の家から、煙突掃除をしたら鳥のヒナがいたので保護しているけどどうしたら良いのかわからないという相談を受けました。私たちへの相談の前に他の人に聞いたら、「捨ててしまえ」「動物病院に預けたら」「保健所へ…」などの意見があったそうでしたが、結局どこも断られたそうです。
その方達は若夫婦でまだよちよち歩きのこどもがいるので、ヒナを育てることには時間的に余裕が有りません。(以下若夫婦の奥様をAさんと言います。)
次の日見に行くと、巣の中にはまだ生まれたてのヒナが2羽が寝ていました。一羽はとても小さく、もう一羽の半分くらいの大きさで元気もあまりありません。
これは、我が家で面倒見るのが良いと思ったのは次の日。私は以前文鳥やカナリアなどを飼っていたのですが、目の開いていないヒナを育てるのは初めてです。ちゃんと育つかどうかわからないけど、出来る限りの知恵を絞って精一杯がんばってみる事にしました。
一夜放置されていた幼鳥は丸裸状態なのでとりあえず保温です。犬用のホットカーペットを段ボールの下に敷き、上から電球でさらに暖め、温度計を入れて38度前後になるようにしました。段ボールの中はテッシュペーパーを丸めて仮の巣を再現。ヒナ達をその中に入れると、後ずさりしながらテッシュの中にす〜っと入っていき静かになりました。
次は餌です。Aさんが毎朝近くの農家の畑から青虫を採ってきてくれますが夕方前には無くなってしまうので、とりあえず幼犬用のドックフードや茹卵の黄身を柔らかく練って与えました。
まだ目も開いていない状態なので、餌を与える時には、チュンチュンと舌打ちするように鳴きまねをして、ピンセットで餌をクチバシの脇を刺激。すると大きく口を開けるので、ヘラで開いたままにしてすかさず小さくした餌をのどの奥の方に押し込んであげます。
鳥は首の右側に餌を貯めるところがあるのでそこが膨らむまで与えます。以前飼っていた事を思いだしながら...青虫だと4〜5匹、小豆よりやや小さく丸めたフードだと2〜3個くらいで1食分の量になります。時々スポイトで薄い砂糖水を与えます。この時期は1〜2間おきに与え続けます。夜は9時頃に与え蓋をし暗くして寝かせます。朝は時間はばらばらですが起きたらすぐに餌やりと糞の掃除をします。
飼育箱は仕事場の私の真後ろの机の上なので昼夜仕事をしながらでも面倒を見ることができます。
予感が当たりましたが、そして数日後、食も細く元気の無かった小さいヒナが遠い世界へ旅立ちました。
大きなヒナはとても元気で食欲旺盛。何でもよく食べ、一日青虫50匹以上。近所の人たちやAさん花卉農家の人たちが持ってきてくれる青虫の供給が間に合わないので、野鳥用のすり餌ペレットを買ってきて練って与えることに。
保護から4日、目が開きました。餌を与える私を見てきょとんとしています。きっと私を親と思っているような感じ。私の持つ餌を運ぶピンセットはきっと親鳥の嘴なんだろう。
というわけで以下が飼育の断片的な記録です。Twitterでつぶやいてみました。
(写真付きでツイッター関連の頁に載せました。)
●7月11日昨日の午後から2羽のヒナの世話で大変な事になっています。
●ヒナ一羽目。食が細く弱々しくてとても小さい。
●ヒナ二羽目。こちらは一羽目に比べて3倍以上も大きい。食欲旺盛小さな声だ
が鳴き始めている。
●これがヒナの生命維持に欠かせない青虫。キャベツやブロッコリー、小松菜
などにいるモンシロチョウなどの幼虫。
●[幼鳥07]この辺は自家用の無農薬野菜がほとんどなので青虫なんか簡単に手
に入ると思っていた。それが大誤算だった。
●[幼鳥15]専業農家の区長さんのキャベツ畑からとれた青虫50匹ほど差し入れ。大変に有り難い。保護から5日目だが大分餌やりに慣れてきた。
●[幼鳥16]保護してから明日で一週間。あっという間だったが大分成長して赤肌が羽根の下に残るだけとなった。羽ばたきもはじまった。今は静かに寝ている。
●[幼鳥17]いままでは2センチくらいの青虫を半分にして与えていたが昨日から丸呑みできるようになった。
●巣立ちまでもう少し。このこの名前募集中です!
RT @Number1SoySauce: @nature7 立派ですね。がんばれ!この様子なら、立派にそだちますね!..
●[幼鳥17]ヒナの名前は「ぴっち」です。 @gonbanahana さん @chikuwa1 さんありがとうございました。まだ性別が解らないのでどちらにもあてはめられる、ちくわさんの「ぴっち」に決めさせてもらいました。
●[幼鳥18]今朝から羽ばたきがはじまりだいぶ飛べるようになってきた。脚がしっかりしてきたので止まり木にとまらせる練習中。
●[幼鳥19]近所からハムスター用のケージを借り止まり木を中に2本取り付た。手乗りにも慣れたが餌は口まで運んであげなければまだ自ら啄んでは食べられない。
●[幼鳥20]親探し:巣があった家の庭に「ぴっち」が入ったケージを置き暫くすると雀が写真の左の木にとまりました。
●[幼鳥21]親捜し:たぶん親かもしれない。でも他の巣で子育て中。ぴっちとの距離は2メートルくらい。
●[幼鳥22]今日は親探し残念:巣立ちの時期になったヒナの「ぴっち」元気に部屋を飛び回っている。
●[幼鳥23]7月26日午後3時「ぴっち」は無事巣立ちました。Aさんの家の庭、親鳥の近くでケージを開けて30分後自ら飛び立ちぐるっと周りを旋回し桑の木の茂みに入りました。そこは雀たちも多く出入りしているところなので大丈夫だと思います。
●7月27日おはようございます。信州富士見町は程よい気候で晴れです。
「ぴっち」がいない朝、ちょっと寂しく気が抜けます。朝ご飯食べたかな。
スズメの幼鳥「ぴっち」は10人以上がツイッターで見守っていつも応援していだき、近所の方々がぴっちの餌となる青虫を大変な努力で採取して毎朝届けてくれたおかげで、無事仲間に返す事が出来ました。何処にでもいる普通のスズメですが、ぴっちを通じて人との関わりや生命に対する愛情等、この歳にして新たに大事な事を教わった気がしています。(私のTwitterは @nature7 です。)
【編集後記】
今年も猿に悩まされています。トマトは一時ほとんど食べられてしまいました。その後人間も入れないまでにハウスをネットと金網で防御。収穫量は5分の1ぐらいですがどうにか食べる分は確保できました。トウモロコシは壊滅です。やっと実が付いたものを50本以上やられてしまいました。茄子も出来たら取られの繰り返しでほとんど猿に食べられてしまいました。今は大豆が狙われています。妻はがっくりきていますが、来年は猿が100%入る事が出来ない檻をつくってあげる約束をしました。檻の中で作物を作る..何かおかしな図柄になりそうですが。
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