自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第34号》2006年9月16日発行
◆ 楽しいスモーク《燻製のサラミ》
◆ 今週の話題(猿の話題-続編)
◆いなかのSOHO


  ●燻製のサラミを作ってみました。

燻製は冬場が最適なのですが、ピザ用にどうしてもサラミが欲しくてこの時期手作りしてみました。時間はかかりますが、簡単なのでその作り方を記します。
肉は塊で購入し漬け込んでからミンチにするのがまろやかで良いのですがミンチにする道具が無い場合には肉屋さんで二度挽きして貰いすぐにスパイスを揉み込んでおくことで漬け込みを省略出来ます。

★用意する材料
1.新鮮な豚肉を買ってきます。
 ●豚バラ肉…………500グラム
 ●豚もも肉…………500グラム

2.肉にすり込むスパイスです。よく混ぜておきます
 ●塩(粗塩)………25グラム
 ●三温糖……………10グラム
 ●オールスパイス、セージ、ナツメグ、ホワイトペッパー
 (全て市販のパウダーで量は好みによりますが私は各小さじ1杯位です)
 ●ニンニク…1片をすり下ろす
 ●ショウガ…ニンニクと同じ量をすり下ろす

3.ケーシング(サラミ用天然ケーシングが手に入ればベストですが、そんなに
太い腸は見たことがないので天然のフランクフルト用を使用します。)
 ●市販の豚の小腸(フランクフルト用)

4.ミンチにする機械、絞り袋と口金(市販の物)、スモークチップ

★作り方
 ●肉を4〜5センチ角に切りスパイスを均等にすり込み冷蔵庫で半日置きます。
 ●肉をミンチの機械にかけ挽肉にします。
 ●挽肉に氷り水300ccを徐々に加えよく混ぜます。
 ●絞り袋に挽肉を入れケーシングに絞り出し詰めていきます。
 ●詰め終わったら15センチくらいでくるくる回してソーセージ様にします。
 ●金網などに載せ冷蔵庫で一日乾燥させます。
 (次の日まだブヨブヨしているようならもう一日冷蔵庫で乾燥させます。)
 ●熱を逃がしながら3時間スモークにかけます。
 ●冷蔵庫でまた一日乾燥させます。
 ●スモークと乾燥を3回位行うと何処かで見たようなサラミの外観になります。

このままやや厚めに切って食べてみてください。柔らかく、スパイシーなソフトサラミになっていると思います。これだけで酒の肴に十分いけます。
冷蔵庫でもっと乾燥させれば硬いドライサラミになります。これをやや薄く切ってピザにのせます。本当に美味しいのでぜひ時間が有れば試してください。お奨めです。


◆ 今週の話題《突然現れたサルその2》

過日この地域に2群いる内のひとつの群れのボスザルが捕獲されたようです。そしてその群れは部落に現れることなく暫く平穏な日々が過ぎました。

その間例の側溝の入口はふさがれ、田圃の数カ所にとてつもない音を発する爆音機が設置されました。

この爆音機はかなりの迫力で大砲みたいな音を発生させる機械です。この音は朝6時頃から夕方5時頃まで数分間隔で発生します。音の大きさは、我が家の山向こうに設置して有るのにかなり大きな音で聞こえてきます。間近で聞いたことはありませんが、その音の大きさは十分想像できます。

まわりに民家はないこのあたりでは、鹿やカラス追いで山中の畑や田圃でよく見かけるのですが、今回は猿追いの目的で道の直ぐ側、猿がよく出入りしていた側溝の近くの田圃です。

しかもそこは我が愛犬たちの散歩コースの途中、行きも帰りも必ず通らなければならないところです。シェットランドはあまり動じてはいませんが、ミニチュアプードルはこの音が大嫌い。その近くまで行くと、動こうとしません。散歩担当は妻ですが、一度爆音機が鳴ったのを確認して、行きも帰りも、その場を毎回大急ぎで通り過ぎるようです。

こんな毎日が数週間続き、ある日、車でそこを通りすぎようとしたところ田圃の持ち主の奥さんが、爆音機をしげしげと見ているではありませんか。妻が不思議そうに「止めてくれたの?」と聞くと「止まった。どういうかな〜わからんだよ。とまっちまった。」と困り顔。

電池切れでもなく、燃料のプロパンガスも替えたのにどういう訳かわかりませんが、作動しないようです。散歩するミニチュアプードルは歓迎するかもしれませんが猿害に悩む農家にとっては一大事です。

案の定、次の日の早朝、その田圃に猿が数十匹出現しました。後からわかったのですが、猿たちは密かに電気柵の下に穴を掘って通路にしてこちらに入ってきたようです。その時は直ぐに連絡を受けてロケット花火で柵の向こうに追い散らしましたがいったいどこまで頭の良い猿なのでしょうか。

その日、少し上の畑で出荷目前の胡瓜と茄子が大量に食い荒らされたようです。
その農家の人は歯を食いしばった形相で、とっくにいなくなった猿たちに向かって爆竹を投げていました。

猿がいる現実。農家にとっては猿は憎むべき存在。

一方、多少の農作物の被害は受容するべきだという動物保護団体の声。

種の多様性、豊かな自然という一般に言う肯定的な自然観念と、実際に目の前で、大切に楽しみに作っていた作物を一瞬にして壊滅されるのを見たときの悔しい残念な感情、猿を追い払う労力、その時の空しさは、相容れない物がどこかあります。

農家の人たちの中には、猿が来るこの山の木を全て切るしかないなとの声も。そうすれば猿は来ませんが里山の機能と自然環境が失われてしまいます…。

4〜5年前はこの地区にはいなかった猿が急に出てきたこと、最近では近くの村に絶対にいないとされた熊が出現したこととの関連。

行政も自然保護への態度は地域により異なり、地域住民もかわいいい派から
憎い派まで様々。これからこの問題はどうなっていくのかわかりませんが年々、猿との関わり方が変化していくことは確かなようです。


【編集後記】

秋の便り、天然のキノコが出てきました。唐松茸というジコウボウです。標高1500メートルではもう盛りです。この地域800メートルでも、条件の良いところではもうすくすくと育っています。以前住んでいた別荘地の人たちから頂いたジコウボウを大根おろしで食べました。ちょっと早い秋の味を満喫。そういえば1000メートル近くに住んでいる人からはシイタケが山ほど採れたけどそちらはどうだとの報告。ここはまだですが、まだ寒冷紗を掛けたままの、春に菌打ちしたシイタケのホダ木が気になります。


Copyright(c) 2000-2020 Creative Design Office LETTER HOUSE(since1979) arrival media All Rights Reserved.