自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第23号》2006年5月10日発行
◆ いなかのSOHO(素人が建てるログハウス ステージ作成)
◆ 今週の話題(旬が好きなサルとイノシシ)
◆いなかのSOHO

前号からの続き「素人が建てるログハウス(原村篇)」です。

  ●ログ積みの前に床根太を入れる

前日でシルログ(土台)の配置が終わったので今日からはステージ作りです。

ステージとは、土台に構造用のラーチ合板を一面に張るため、一見劇場などの舞台みたいになります。そのままの意味ですね。ログハウスに限ったことではなく、ツーバイフォー建築でも最初にステージを作ります。今回のこのログハウスの場合は約50畳のステージです。

ステージの合板を張る前に、根太を入れます。根太はツーバイフォー材の2×8を使います。釘打ちや水平微調整は後回しで、とりあえずひとつのブロックの根太の長さを測ってしてカットします。土台の丸太には欠き込みが入っているので、落とし込むだけで根太が出来上がります。

基礎に根太が乗るようになるのですが、基礎の開口部になる所は根太受けの基礎がないのでツーバイフォー金具の根太受けを使って留めていきます。嬉しくなるくらい簡単なので、作業は順調に進みます。

居間と台所がそれぞれひとつのブロックになります。居間には薪ストーブ、台所には薪ボイラーが入るので、その場所の床根太は補強が必要になります。薪ストーブは重量が150キロ、ボイラーに至ってはお湯(水)が入ると500キロ近くになります。

ストーブの下の床根太は2×8をダブルで配置、ボイラーの下はスパンが455
ミリだったものを303ミリにして2×8をダブルで配置しました。


  ●床根太にコロビ止めをいれる

太がすべて配置された時点で、水平を測りながら釘で固定していきます。それと同時に根太と根太の間に、同じ構造材2×8のコロビ止めを入れていきます。長さは平均して417ミリ前後なので、根太で残った切れ端を利用して無駄の無いように作ります。

土台に欠き込みしてあるので、根太が転ぶことはないのですが、さらに補強するために行います。そして、根太には上に構造用合板を張るので合板の繋ぎになる部分にも合板受け用のコロビ止めを入れます。

この合板は厚さが15ミリとやや厚く、本実(ほんざね)加工がしてあるので
構造はしっかりしたものになります。本実とは、構造用合板長手方向の側面に細長い突出部があり、もう一方の側面には細長い溝が作ってあるもので、お互いに繋ぐ時うまく咬み合います。


  ●はじめての釘打ち

このステージ作りは、ログを積む作業に比べるとかなり地味な作業です。時間がかかる割にあまり進んだ感じがしません。平面作業だからでしょうか。

ツーバイフォー建築では在来建築よりひとまわり太い専用の規格の釘が有ります。そして分かり易いようにすべて色分けされています。たとえば赤釘といえば90ミリ(三寸釘)、青釘といえば75ミリという具合です。これらはランバー(構造材)をとめるのに使います。

他には、12ミリ厚の合板に打つのに50ミリの緑の釘や、15ミリ厚の合板に
打つ65ミリの金(黄)色釘があります。あと、接合金物をとめる40ミリ(茶色)、65ミリと90ミリ(銀色)の亜鉛釘があります。

最初に打ったのが赤釘です。新品の釘袋にめいっぱい赤釘を入れ、新品の金槌を持って根太の固定にかかりました。ログの欠き込みに入っている根太に、斜め45度くらいの角度で釘を打ってログに固定して行きます。

角度を付けて打つので、釘の尖った方が滑ったりして打ち損じます。いきなり打ち付けると釘がずれるので指を叩くこともしょっちゅうです。これがなかなか痛い。「ウッ!」というぐらいでしばらくは声が出ません。皮がすりむけたり血豆ができたりで大騒ぎです。

しばらくやっていると、だんだんコツが掴めてきました。釘を最初から斜めに打つのでは無く、一度垂直に軽く打ってから、斜めに釘を傾けておいて、釘から手を放し思いっきり打ち込めば良かったのです。それ以降、斜め打ちで指を打つことはあまり無くなりました。


  ●夏休みにどれだけできるかな

そうこうしているうちにもう夕方です。雲行きも危なくなってきました。また夕立です。もう仕事をやめろとでもいうような、いきなりの大粒の雨。

シートを材料にかぶせ電気工具をしまい込み、今日はもう終わりにします。ステージは全体を覆うシートがないのでそのままにしておきました。今度は5日後の土曜日に来ることになります。

帰宅途中、清水市から土砂降りです。この調子の雨だと、今度行くときには地下室部分はプールになっているだろうと思いながら掛川に向かいました。

今晩は帰ってもまだ本業の仕事が待っています。
(つづく)



◆ 今週の話題《旬が好きなサルとイノシシ》

この近くに竹林があります。この時期出はじめますが、ことしはやや遅い感じがします。そこの竹林の持ち主は、まわりに鉄条網を張り巡らしています。

この鉄条網は動物からの被害を守るためではなく、人間対策です。以前は1日に数組、この時期になると竹の子ドロボウが出没していましたが鉄条網をしてからは被害が少なくなったようです。それでも中に入って採る人を時々見かけます。いい度胸をしていますね。

竹は地下茎で増えていくのでとんでもないところから竹の子が出てきます。今年も道路脇に2本出てきました。数日後見に行くと、20センチくらいに伸びた竹の子の周りを丁寧に掘った跡があります。しかしどう見ても人間の仕業ではありません。

その日地元の人に話したら「そりゃ〜サルだわい。」とのこと。サルもよく竹の子を掘るそうです。たぶん上に出ているところが折れなかったので掘っていって採ろうとしたのではないかということです。

イノシシは竹の子が大好きで、よく大穴を開けて採っていった跡を見ますが、サルの堀残しを見たのは初めてです。きっと車でも通って諦めたのでしょう。

道路に生えてきてはじゃまになるので、妻が採ってきました。周りが深く掘ってあったので簡単に採れたと言いました。丁度良い大きさです。努力したサルにはかわいそうだけど、近所の人にあげました。堀たてです。その人達は「初物だ!」と大喜びでした。


【編集後記】

カッコウが鳴き始めました。昨年より1週間もはやい初鳴きです。カッコウが鳴けば豆を播いても大丈夫という言い伝えがあります。
今年のコブシの花は例年より綺麗には咲きませんでした。ややしおれた感じで張りが少なかったように思います。富士見町(田端地区だけかも?)の昔からの言い伝えで「コブシの花の付きが悪いときは凶作になる。」と言われています。
今年は山菜も多くの木々も発生がバラバラです。予想も付きません。気温は30度ちかくなるし、一体どうなっているのでしょうか。田圃には水が張られ農家は準備に余念がありません。夜になるとうるさいぐらいの健全なカエルの大合唱が聞こえてきます。どんな年になるのかわかりませんが、言い伝えが当たるのでしょうか。
妻が朝食を作っているときに、犬が現れました。人なつっこく誰かが放し飼いにしているのでしよう。
床根太の打ち付け作業。高原でも日差しが強いのでTシャツとショートパンツでの作業。
根太の上にコンパネをのせると道具などの置き場が出来て仕事が楽になってきます。

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