自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第20号》2006年4月12日発行
◆ いなかのSOHO(素人が建てるログハウス 最初の一段シルログ)
◆ 今週の話題( うごきだす草木の春)
◆いなかのSOHO

前号からの続き「素人が建てるログハウス(原村篇)」です。

  ●さわやかな朝

どういうわけか朝5時半に目が覚めてしまいました。

気が張っていたからでしょうか、前日の疲れはありません。(普段ならきっと筋肉痛と疲れで寝込んでいるはず。)

山は涼しくてさわやかです。そして森の中は静かです。小鳥たちはもう飛びまわっています。時折、ギ〜というエゾゼミらしき鳴き声がところどころで聞こえます。

気持ちの良い朝を、ひさしぶりにむかえました。

自然の英気をたっぷり貰ったところで、さぁ!頑張るぞ?!(格好と気合いだけは一人前です)

  ●最初のログに手間取る

ログを積む前に行う作業があります。それは基礎に、目印のスミを打つ作業です。ボルトの位置を測定しながら確認していき、基礎の壁に間仕切りの位置や
ログのつなぎ部分にスミを打って行きます。

次にログの確認です。1番目のログは、いわゆるシルログと言って、床を作るための支えになるログです。これは外側をぐるりと取り巻く3面カットのログです。いわゆるDログです。断面がアルファベットのDに似ているのでこう呼ばれています。

このログに、床板を支える構造材(床根太)を組むための欠き込みを入れなければなりません。床根太はツーバイフォーの2×8を使います。

ログに455ミリのスパンで板幅のスミをつけていきます。重量が掛かるような所は、床根太ダブルにしたり、スパンを303ミリにします。

欠き込みは、丸鋸で深さを決めて切り込んでいくので簡単ですが、これをノミで落とすのが大変な作業。その部分にフシがあったりすると切り込みが奥になったりボソボソになったりで大騒ぎです。

そして次にアンカーボルトの位置を丸太に写して行きます。13ミリのアンカーボルトですので、入りやすいように20ミリの穴を開けました。穴を開ければ終わりではなく、座堀りをしなければなりません。

穴の中心に座金を置き、それより一回り大きく四角いスミ書きます。アンカーボルトが基礎から出ている高さを測り、それに、座金の厚さとナットの厚さを足して掘る深さを決めます。

方程式は(ログの太さ)?(アンカーボルトの出)?(座金厚)?(ナット高)
ですが、この求めた数字から10ミリ余分に深く掘り下げます。

作業をしていると、ログハウス作りというよりも大工さん並の刻みばかりで、一行にはかどりません。1日かかって3本のログにしか加工が出来ませんでした。

もちろん、ログ積みはおあずけです。

  ●夕立の洗礼

3本目のログにボルトの欠き込みをし終わったとき、あんなにすっきりと晴れていた空が、あっという間に曇り出しました。それも青空の中に部分的に黒い雲が流れてきます。

そのうち、ポツ、ポツ、雨が落ちてきました。なんだ、こんな雨ぐらい!と思いながら作業をしていると、だんだん大粒の雨が降ってきます。

おっ!ちょっとまずいぞ。
電気工具だけはしまっておこう。そう思った、瞬間!下の方のアスファルト道路の色が見る見るうちに黒くなってこちらに向かってきます。

いきなり土砂降りになってしまいました。幸いにして愛車キャラバンは、後ろのドアが上に開くので道具を持ちながらの雨宿りです。

アスファルトに雨が当たりまるで霧のようにしぶきが跳ねています。30分ぐらい降り、急に晴れてきました。もう少しやりたかったのですがもう夕方6時だったので今日の作業は終了です。

  ●温泉にいこう

昨晩作業小屋で寝ましたが、夏だというのに寒い思いをしました。タオルケットではやはり寒くてどうしょうもないというので布団を買ってくることになり、早速、富士見町で買い物です。

柄とか素材など選ぶ余地もない店でしたが、そんなことは言っていられません。ついでに寝間着代わりのジャージも買ってしまいました。

ついでに今日とあと3日分の食糧をAコープで仕入れにいきました。そこで銭湯があるか聞いたところ、この近くにはそんな所はないとの返事。温泉で入浴だけなら「武智鉱泉」と言う一軒宿があるといいます。

ここから下がって10分位、国道20号線から釜無川沿いです。
そんなに近いのなら行ってみよう!
行ってみると車は満杯で、にぎわっています。泊まる部屋ははないけど入浴だけなら良いとのこと。泊まりに来たわけではないと何回も言っているのになにかちぐはぐな返事です。

リュウマチに効くぞ。とも言っていましたが、別にリュウマチでもないので、それはいいですね?と相づちだけうっておきました。暗くて良くはわかりませんが建物は古そうで趣がありました。風呂の雰囲気は温泉らしさはありません。入浴料は1人500円でした。
(つづく)


◆ 今週の話題《うごきだす草木の春》

家の南の山に自生しているダンコウバイ(檀香梅)が黄色の小花をつけはじめました。ウコンバナとも言うらしく、その名のとおり、香辛料のウコンパウダーのように黄色が鮮やかです。多くの木々がまだ葉も無い時期にぽつんと黄色のかたまりがよく目立ちます。

月曜日の朝、水源地のそばで白い花がぽつぽつと開きはじめました。昨日が春の暖かい風が吹いた日だったので刺激されて開花しはじめたようです。その名はハクモクレン(白木蓮)。シモクレン(紫木蓮)というのもありますが、ここではハクモクレンがほとんどです。西側の沢の山肌には、ハクモクレンが数本自生しています。空に向かって大きな白い花がドンドンと開いていく姿には魅了されます。花は13センチ位もあってとても見応えがあります。

庭には、クリスマスローズが咲き出しました。一株はピンク色の綺麗な花ですが、もう一株の方はホタルブクロを開かせたような感じで、色もそっくりで濁ったピンクと白と黄色が混じったような綾が入っています。知り合いの方が「珍しいから増えたら是非欲しい。」というくらいに珍しいそうです。

チューリップや水仙はまだ蕾状態で、来週くらいには第1弾が咲きそうです。同じような名を持つナツズイセンは、葉だけがドンドン延びて、もう30センチ位になりました。この時期かなり目立ちます。

カラマツも葉を出し始めました。下から見ると茶色で枯れたような枝先全体にやや緑が見えだしています。去年、枝払いをしたので今年は余計にがんばって葉を付けそうです。


【ちょっと長い編集後記】

どこでも有ることかと思いますが、こんないなかでも土地の境界問題が最近多く聞かれます。
或家は土地を削られ木を切られ大変なことになってしまいました。話し合いをしようとしても相手は逃げだし、測量をしても立ち会いにも来ません。いま裁判(調停)になっています。

もう一軒は道路問題です。その道路は山道で2メートルの幅しか有りません。その奥に家があり、その家に出入りする車が数年掛かって道幅を拡げてしまいました。道は町の所有で左右の土地は個人2人の持ち物です。

その土地の持ち主2人は来荘して気が付き、激怒です。おまけに1人の家の土地の奥には駐車場までが奥の住人によって整備されていました。この奥の住人は以前にも道の山側を重機で拡げていき、気づいたその地主が杭を打ち、他のみんなまでが通れなくなってしまったことがありました。

その土地は私たちが中心となって交渉し、みんなで買い上げて道路にしましたが、とんだとばっちりを受けました。

今度の場合は奥の住人だけが困るので、今回はもう助けてあげません。いつも他人に迷惑をかけてばかりいるので地元農家もサジを投げています。

先日もたき火をして山火事寸前までいきました。近くの人が消しに行って済みました。その前は消防車が駆けつけ大騒ぎになったこともありました。本人はというと、ケラケラ笑って反省のいろもないので、地元消防団に大目玉をくらっていたといいます。

どうやらこの人はココのコミュニティ住むにはふさわしい人物でもなく、いるだけで迷惑と思っている方々が大多数です。どこかのネジが数十本、束になって抜け落ちているエントロピーの塊ようなひとみたいです。

でも、人間ですからきっとどこかには良いところが有るのでしょうが、私たち凡人には、何ひとつとして見つけることが出来ません。
妻も、ノミと金槌で根太の欠き込みを作っていく。
業者に借りた30cmもある大きな丸ノコとホームセンターで購入した19cmの丸ノコ。
夕立の度にブルーシートをログや資材に掛け、通り過ぎるのを待ちます。

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