自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第18号》2006年3月29日発行
◆ いなかのSOHO(素人が建てるログハウス 基礎その2)
◆ 今週の話題(キジの目覚まし)
◆いなかのSOHO

前号からの続き「素人が建てるログハウス」です。

  ●基礎を見に行く

ザ〜ザ〜梅雨のど真ん中。
1986年6月の終わりに基礎の型枠が大方できたと工事業者から連絡が入りました。途中だけど、良ければ、これで生コンを打つのでもし見に来れるようなら来て欲しいとのこと。仕事もいそがしく、月曜日からの撮影の準備をしなければならなかったのですが、万一何か有ればこれを逃すと修正はききません。早速、日曜日に見に行くことになりました。

一番の友人とその友達が、どうしてもついていくといいます。彼等は興味半分、遊び半分です。雨模様の天候だったこともあり、急ぐこともないのでゆっくりとドライブ気分で信州へ。八ヶ岳に入ると、どんどん霧が濃くなってきます。現場に着き、道路に車を停めました。

敷地はまだ整地されておらず、ドロドロの状態で基礎まで通じる道らしきものがありましたがやはり車が入れる状態ではありません。雨は小やみになりましたが、やや寒く、下の方から霧は流れてきます。車から降りました。

掘り起こされたばかりの土と新緑の木の香りが勢いよく身体に飛び込んできました。どこか元気にさせてくれる山の香りです。思わず深呼吸!煙草の吸いすぎのせいか、霧のせいか、少しむせびます。

ふと足下を見ると、幅の狭い板が基礎まで続いています。どうやら仮の通路のようです。その先には、白い霧につつまれた基礎枠が建っているのがわかります。ぼんやりとそして黒いかたまりのようにも見えます。足下に気を付けながら期待を込めて近づいていきました。

  ●でかいな〜

今でこそ、基礎枠はコンパネが主流ですが、この基礎は丈夫な鉄枠です。周りには1メートルくらいの通路が余分に掘ってあるのでかなり大きな基礎に見えます。フーチングを含めると高さは2.5メートルはあるので通路に立って基礎枠を見上げると、鉄の壁に圧倒されます。

ダンプで残土を大分運んでいったようですが、まだ周りには掘った土が山のように数カ所に置かれておりこの量にも圧倒されます。型枠の上に登ってみました。上には板が張り巡らされていて、各所へ行けるようになっていました。

雨に濡れて滑りそうでちょっと怖い気がしましたが全容を見たいので思い切って歩いてみることにしました。基礎の上にあがり目の高さから下を見ると4メートル近くなります。落ちたらケガ。かなり危険です。

友人達は、こういうのに慣れているようでスイスイと身軽に歩き回っています。私は重大な後遺症があるのでこういうのは苦手です。いまでは、だいぶ症状も軽減しましたが子どもの時二階の手摺りからすり抜けて落ちたとき以来、極度の高所恐怖症なのです。

滅多に乗らない飛行機やヘリには、遺書をしたため、知人に挨拶をし、決死の覚悟で乗り込みます。というわけで、へっぴり腰でフラフラしながら見てまわりました。


  ●地下室ができそうだ

こういう深い基礎を見ていると、なんだか土の中に埋めてしまうのが残念のような、もったいないような気がしてきました。風呂場やトイレの下は使えないにしても、他はどうみても部屋ができます。

そう、上手くいけば地下室ができるのです。

もう基礎枠の大半は出来上がってはいましたが、基礎工事の人たちと早速交渉です。基礎の大きな開口部は東側に2カ所、北側に2カ所有ります。西側は上に通気口の開口があります。東側は物置として外から入れるように、地面と同じ高さまで埋め戻してもらい、砂利を敷き詰めるようにしてもらいました。

西側2カ所は地下室にしたいので、土間コンクリートを流して床にして、通気口を大きくして窓用の開口を作ってもらうようにしました。途中からの変更でしたが、業者はすぐに了解してくれました。完成すれば7.5坪、約15畳の地下室です。色々な用途に使えそうな気がします。
(つづく)


◆ 今週の話題《キジの目覚まし》

数週間前から毎朝、日本の国鳥であるキジに起こされます。

今までは、ここから2〜300メートル離れた所に棲んでいたのですが、10年以上手入れがなされていなかったが3月ごろから下草が刈られ、低木も切られてしまったので、キジたちが隠れ棲むところがなくなってしまったようです。

そこで、たぶん、我が家のすぐ前の草ぼうぼうのイチイの林に引越してきたものと思われます。そこだけが下草刈りの手入れをしていないので、もしここがきれいに手入れをされたらもうこの辺には行くところはなくなります。

棲む場所を奪われてしまったあわれなキジですが、いまはそんなことも忘れたように新天地で勢いよく走り回っています。

毎朝6時近くになると、家の横につながる檜林から、「ケッ ケーン」とも「カッ ケーン」とも聞こえる、とても大きな鳴き声で鳴くというより叫んでいます。その後はかならず低い「ドドドドドッ〜」というような羽音が聞こえてきます。それが十数回繰り返され、いつも起こされます。

最初は夢うつつで聞いているが、だんだん音が大きくなり、近づいてくるのがわかるので、今日は姿を見てやろうという思いが脳を刺激してついには覚醒して本当に起きてしまいます。

林の中を注意深く見ていると、やや小走りで走ったり、留まったりしているキジの姿が薄暗い林の中にシルエットで見えます。かなり大きな鳥で特徴があるのでよく目立ちます。この頃は、昼間でも時々鳴くので、愛犬たちが驚いています。


【編集後記】

1日おきに小鳥が風除室に迷いこんできます。先日はめずらしいムギマキという鳥がきました。その次の日にはヤマガラとシジュウカラの相次ぐ訪問です。窓には外から網戸がしてあるのですが、入口がオープンなので、訪問を防ぎようがありません。閉じると使い勝手が悪くなるので他の対策を考えなければなりません。今年は訪問が異常に多いので対策が急がれます。
基礎の型枠が完成したので1986年6月29日に見に行った。(写真は業者がその前に撮影したもの)
基礎内側から見ると高さが2.5m位あるので、床を張れば地下が出来ると思った。

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