自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第11号》2006年2月8日発行
◆ いなかのSOHO(素人でも建てられるようなログハウスを選ぶ その2)
◆ ログハウスのメンテナンス(雑排水管の凍結)
◆ 今週の話題(四駆とウインチ)
◆いなかのSOHO

今回のお話は「素人でも建てられるようなログハウスを選ぶ」の続きです。

 ●北欧圏のログハウス

ロッジポールパインのログハウスも夢と消え、カナディアンタイプや日本の間伐材を使ったログハウスも思うような物はありませんでした。

どのタイプのログハウスにしようかといろいろ迷っているとき、資料を取り寄せたあるデンマークのログメーカー代理店から、完成したログハウスの見学会を行うという内容の招待状がきました。スカンジナビアというログハウスの代理店からです。

見学会の場所は小淵沢と清里の中間ぐらいに位置する山梨県の甲斐大泉です。原村にも近く日帰りできます。まだ6月だというのに静岡は湿気の高い暑い日が続きます。早速、涼しい大泉まで期待のログハウス見学に出掛けました。

通い慣れた道なので、途中まではスイスイです。案内図を頼りにようやく会場に着きました。先客も数組いて、もう見学をしています。このログハウスは手頃な大きさです。北欧のログハウスは前号に登場したフィンランドの丸太のログハウスとは違い、製材加工された断面が四角になっている角ログが主流です。

しかし、ここのログはまたそれとは別のタイプで、角ログ風です。角ログ風?そうです。外観が角ログのような状態のログハウス風です。一口で言えば、ツーバイフォーの家を、角ログで覆って外壁にした感じです。外から見れば、家の角はログが張り出していて、いかにもログハウスといった感じになります。 

室内は、シンプルな板張りですが、外装材との違和感は感じませんし、室内はセトリングの心配もありません二重構造なのできっと暖かい家だと思います。

玄関らしきものは無く、南側の広いサンデッキから中にはいるようになっています。入るとすぐにリビングルームになっていました。東西に横長のリビングで東の角には薪ストーブがおいてあります。その前には2人がけのソファーがあり、カセットデッキからは、小さな音でクラシック音楽が聞こえてきます。

別荘として利用しているそうで、二段ベットや家具も置いてあります。生活感があるので、実際に住むときのイメージがふくらみとても参考になります。このくらいの角ログならなんとかセルフビルドが出来そうです。リビングから左奥の台所に行きました。

台所スペースはかなり狭く、3畳ほどですがほとんど身動きが出来ません。ここのオーナーが、近くの川で今朝釣ってきたばかりというヤマメが数匹、笹の葉の上に載せられて、シンクの横の冷蔵庫らしき物の上においてありました。たぶんこれはログメーカーの演出だとおもいました。

その台所の奥に、バスルームとトイレがあります。変なレイアウトですが、こうするしかなかったのでしょう。ホールは吹き抜けで、ロフトに行くはしごがあります。山小屋なら我慢できますが、いざ毎日生活するとなると、不便なはしごはいただけません。急傾斜のハシゴを上ってロフトを見ました。平面積は広いのですが、屋根の傾斜が緩いので一番高い部分の中央でも立つことは出来ません。座っていればなんとかなりますが、気を付けないと、立つときは必ず頭を天井にぶつけてしまいます。単に寝るだけの寝室には良さそうです。

このログハウスは予算では丁度よい金額でしたが、このモデルでは部屋が細かく仕切られていてちょっと狭すぎます。他にも数種類のモデルがあり、大きなプランも有るようですが、大きなものは金額も高くなるので手が出ません。残念ながらこれも諦めなければなりませんでした。


  ●さて、どうしよう…

ログハウス選びもこうなると大変です。

迷いながらも平面図や、寒冷地の設備、高冷地での生活方法などいろいろな模索には余念がありません。その中でやはり平面図の作成が楽しかったことを思い出します。仕事の合間に書いていると、夢中になってドンドンとプランがふくらみ、仕事がおろそかになることもしばしば。頭の中の図面では、もう数軒のログハウスが建ってしまいました。

なんだかんだいっても、本体の工法が決まらない限り先に進みません。その間何度も、これから立つ予定の長野県原村にある土地を訪れました。もちろん日帰りです。ペンション近くの白樺林で弁当を食べたり、隣の別荘地を見学したり、キノコ採りをしたり、いろいろなログハウスを見て回ったりして、ここに絶対にくるんだというイメージを、いつもふくらませていました。

ログハウス見学会に行った数日後、雑誌を何気なくペラペラとめくっていたところ、ある一枚の広告写真が目にとまりました。

「ウン!」目が点になりました。かなりの衝撃です。

そこにあったのはアメリカの西部開拓時代を彷彿とさせるアーリーアメリカンタイプのログハウスです。

「やった〜!こ、これだ〜!」と、心の中で叫びました。長年思い描いてきた、ログハウスとの巡り会いの瞬間です。
(つづく)


◆ ログハウスのメンテナンス《雑排水管の凍結》

今まで敷地内の一坪足らずのため池に、配管による自然浸透ができないオーバーフローした雑排水を入れて自然浸透させていましたが、昨年の秋に池を埋め立てて、いままでの雑排水管を延長して、枯れ枝や枯れ葉を堆積させている所に排水するように変更しました。いわゆる最終処理方式で言う地表面蒸散方式です。

そのため山際の斜面から一部の排水管が露出します。最終部分の先端はネズミなどが入らないように常に水が溜まるように上向きになっています。今年は急激な寒さのため、その先端が数センチの深さで凍結しました。行き場の失った排水は配管の途中の露出したつなぎ目から漏れ、一部は氷柱になってポタポタと漏れています。

つなぎ部分ははこういった事態を想定して接着していませんでした。接着していたら管は凍結のため逃げる部分が無く破裂しています。先端部は見事に凍っていて棒で突いてもびくともしません。沸騰したお湯をやかんで、凍っている真ん中付近にピンポイントで注ぎ始めました。

しばらくしていきなり、管に溜まってい水の圧力で勢いよく水が吹き出ました。高さ1メートルくらいの数十秒間の大噴水です。たぶんなにもしなくても昼には融けると思いますが、万一を考えて寒い朝には点検をするように気を付けています。


◆ 今週の話題《四駆とウインチ》

ここは公道でありながらまだ砂利道がほとんどです。先日寒い日が続いた後急に暖かくなり、雨が降りました。このような日は、道路の上は融けるのですがその下は凍ったままになり、路面は不安定な状態になります。

歩いていても陥没したり、何でもないと思った表面がずるずると滑ることもあります。人間が歩くぐらいならよいのですが、重量のある車は大変なことになります。乾いた砂利道だと思っていくといきなりスリップして脱輪です。こうなると泥沼に入ったように車輪は空転するだけでどんどん深みにはまってしまいます。

そんな日、ある出来事がありました。

夕方遅く、電話が鳴り響きました。いつもお世話になっている宅配のドライバーからです。「○○さんの家の前で動けなくなってしまいました。すみません、引っ張ってください。」

すぐ近くなので、仕事をやめて急いで行きました。数分でつきました。車は下の畑に前のめりになって落ちそうになっています。道も狭くこのまま近づくとこちらまで滑りそうなので、数十メートル先に車を停めて、車のウインチを使いそろそろとひっぱり上げました。

ベテランの運転手でも落ちるのですから大変な状態の道です。無事だったことがなによりでした。

ウインチの本来の使命はオフロードで自車のレスキューの為に備え付けてあるものですが、うちの愛車に付いているウインチはほとんど他の車の引き上げに使われています。

山の生活で、無いよりあった方がよいものにあげるなら四駆とウインチ。それと、四駆の軽トラ。これはいろいろな意味で欠かせません。


【編集後記】

久々の降雪です。それでも10センチぐらい。午後からは、晴れたかと思うと急に霧のような雨になりました。家の右には日が当たっているのに左側では雨が降っているというおかしな現象を見ました。
近くの農家(?)からいただいた新そばの実が手に入りました。石臼も借りてあります。「かえし」は一週間前に仕込んで「ねかせ」てあります。このかえしは半月位ねかすと味のきつさがなくなり、それからがちょうどよい状態になります。ということで数日後に寒ざらしそばを食べてみます。三タテという完全な状態でで作る予定です。挽きたて、打ちたて、茹でたて、で三タテです。どうなったかは、またご報告いたします。

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