自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第118号》2024年03月03日発行
◆ コナラの木の伐採 
◆木の片付けと薪割り 

もうすぐ春です、多分。
こんにちは、またこの紙面でお会いできて感謝しております。
半年ぶりの発行です。その間様々な出来事がありましたが
今回もまた一部をダイジェスト版でお届け致します。
気ままな発行になっておりますがどうぞよろしくお願いいたします。

◆里山でのいろいろな出来事

《コナラの木の伐採》

 昨年末、家の南西方向にあるコナラを伐採してもらいました。
樹高25m太さ60センチ位の大きな木です。
斜面に生えていて、周りは小木やミヤコザサが密生している場所です。

 今までならハシゴを掛けて下部分の枝を落として伐採しますが、今回はちょっと素人では出来ないと感じ、とりあえず近所の庭師に頼もうと思い、下見に来てもらいました。十数分間、下に行ったり上からの状況を見たり少し離れて見たりといろいろな角度から状況を見て結論が出たようです。

 「どうですか、伐採できますかね?」と私。
「この木は、ここらでも森の主みたいな木だから私には伐ることができません。
ちょっとキャパを越えていますね。途中で二股になっているところが難関です。枝を払うのにも小さなチェーンソーでは無理で、またチームで行わなければならないので……。」「とりあえずハシゴが届く範囲の枝払いでもちょっと……。」
彼は申し訳なさそうに話しました。

 確かに彼にとってはこの木の伐採は難題でしょう。
以前に近くの家の木を伐採して頂いて、ロープワークやチェーンソーや木登りも上手かったので声を掛けたのですが…リスクのほうが大きかったようです。そこで、一昨年我が家の太い山桜を伐採して頂いた、隣町の原村で危険木伐採を行っているチームにお願いすることになりました。
11月初旬に下見にきて、なかなか太くて高いコナラですねとの感想。今は忙しいので落葉が終わった年末に行うとのこと。

 私はその間仕事の合間を見て、コナラの周りの整備を行った。20年以上何も手を入れていなかった場所なので、蔓や1m位に延びた笹や小木などがびっしりと生えている。まずは草刈り機で届く範囲を刈り、とどかない斜面は鎌で刈り払う。
足場の悪いところで小木を切り倒し、刈った笹や蔓を落としながら集め、下の畑で燃やした。軽トラ3杯分あった。落葉の時期だったのでついでに落ち葉も集めた。
この作業に1週間位掛かる。

 いよいよ伐採の日が来た。年も押し迫った12月27日風がやや強いが快晴である。
チームは4名。1名は木の上の作業、後は落ちてくる枝のカットと片付け。
2日間掛かるかも知れないが、できれば今日中に終わらせたいというので、私も
伐った枝の片付けにまわる。
木の下は農道だが、奥は我が家の畑があるだけで、誰も通らないので、道の両側法面に立てかけるように枝や二股に別れた太い幹を伐りながら置いていく作業。
最初に8mのハシゴを掛け昇っていく。腰ベルトには沢山のカラビナや滑車、数十本のロープや小さなチェーンソーなどが付いている。それだけでも重そうだ。
ロープワークで固定場所を何カ所かつくったあとハシゴが外された。

爪が付いた靴を履いてロープで体を支えながら昇っていく。
太い枝にロープを掛け滑車に繋ぎ切っていく。下ではロープを緩めながら枝を降ろしていく。細かい枝はそのまま切って落としていく。このような作業をくり返して殆どの枝が落とされていった。枝でも太い物は20センチ位の太さである。

農道の周りは人が通れるスペースを確保しながら、切り落とされた枝や幹が山のよ
うに積まれた。

最上部は6m位の所で切り落とされされロープでとった後ゆっくりとおろされた。
次は3m位、次は2m位で切り落とされて、残るは枝が少し出た御柱の状態である。
木の上部にローブが回され固定されたあと、作業者はクライミングロープにぶらさがりながらスーッと降りてきた。午前中はここで終了。
約12メートル位を残し後は下からの伐倒である。我が家の敷地の斜面に倒す予定。

午後の作業の開始。
木の上のロープが道を隔てた山桜の幹にハンドウィンチで繋がれテンションを高め
ピーンと張られた。コナラの木の根元と1m位上にも緩くロープが結ばれている。これは倒伐したときに道路も斜面に沿って西側に下がっているので、下に落ちないようにするためである。

チェーンソーのエンジンが始動した。刃の長さ80センチの大きなチェーンソーだ。
まずは受け口から、そして後ろに回り追い口を入れていく。ウィンチで少し引いて、チェーンソーでさらに追い口に切り込みを入れて木から離れた。ウインチで少し引くと、メリメリという音とともに木はゆっくりと倒れていった。

そして、斜面での玉切りが始まる。35センチで切っていく。太いので時間が掛かがどうにか終了し、一旦休憩。
玉切りされた木は道路に引きずり降ろされたが、かなり重く2人でも持ち上がらないのでそのままにしておいてもらった。細かい片付けをして1日で終わった。

《木の片付けと薪割り》

道路に置き放しだった太い玉切りした丸太は、ユンボのバケットやトングを駆使して
10数回に分けて薪置き場前に運んだ。
枝は細い部分をカットして焚き付け用に集めた。作業は地道で、本数が多いのでなかなかはかどらない。順番に作業台に運び35センチの長さに丸ノコでカットする。太い枝は、椎茸のホダ木用に10本とっておいて、残りは35センチにカットして運ぶ。

太い丸太を順番に薪用に割り、外に積み自然乾燥させてから薪置き場に積んでいく。
とにかく堅い。なかなか割れないが荒く割ったあとは妻が薪用に割っていく。
このような作業をして、約1ヶ月半掛かり終了した。これまで5?6本の木で埋まった第三の薪小屋はこのコナラ1本で殆どいっぱいになった。

【編集後記】……………………………………………………………………………………
今年の冬はいつもとは様子が違う。気温は余り低くはならずマイナス8度が数回あっただけ。雪も1月まで降らず、1月半ばに数センチ2月にやっと30センチ積もった。暖かい日もあり春が来たかと勘違いしてしまったが、そのあとまた雪と寒気にみまわれた。こうなると体の調子もおかしくなる。社団法人日本気象学会の1963年発表された論文「死亡と気候・気象・潮汐などとの関係」には統計から判断して多くの病気では気圧や気温が大きく関係しているとされている。それは低圧化高温化過程中に死亡率が高まるということである。最近では小澤征爾さんも2月6日の大雪の日に他界された。低気圧が影響したのでしょうか、この日には母親も調子が悪くなり緊急入院した。暫くは安定していたが、真冬なのに気温が15度になった日の夜に旅立った。気温の高温化過程中である。しかしながら太陽と月の引力による潮汐では死亡時刻とは全く無関係とみてよいそうである。小澤さんの時は中潮で88歳、母の時は小潮で94歳、やはり無関係の感じがする。高齢でも老衰でも人の死はいつも哀しい。安らかにお眠り下さい。

コナラの最後の紅葉。大きく枝が展開して近くのどのコナラよりも優勢を誇る樹形だ。
木の半ば程までハシゴで登っていく。
コナラの切株。直径が60センチ程で、樹齢は約60年。
道路に玉切りして落とされた丸太。いずれも直径は60から50センチある。
倒伐されるコナラ。
薪小屋の前に集められたコナラ。

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