自然派SOHOの田舎暮らし快適実践術
メールマガジン「八ヶ岳の里から」バックナンバー
《第114号》2021年3月14日発行
◆伐採中の不思議なこと
こんにちは、またこの紙面でお会いできて感謝しております。
春かなと思いきや一昨日は雪が降りました。
今季は雪が積もったのは数回。除雪の必要も無く、
殆ど数日で融けてしまうといういままでなかった冬です。
気ままな発行になっておりますが本年もどうぞよろしくお願いいたします。


  ◆里山でのいろいろな出来事

《伐採中の不思議なこと》

今年は現在まで3回に分けて薪用の木を伐採しました。
毎年冬の間に行う作業です。

その場所は一昨年から整備を始めた場所で、今まで20年以上手入れもしていない林の中は低木だらけの斜面です。畑から5m位の場所の低木を手鋸と鋏で切ったり整理しながら順番に間伐をしてきました。

今年の1回目は1月の中旬に下の畑の東斜面にある楢や桜の木を5本伐採しました。

それらの木を伐る前にその下にある直径35センチ位高さ20m位で、白灰色のやや平滑な木肌の木を切ろうと思って斜面の上から木の根元に降りて行った時です。

急斜面で足場が悪くその場ではチェーンソーのエンジンをかけることが出来ません。
もう一度足場の良い所に戻り、エンジンをかけながら木の側まで降りて行きました。

エンジン音に混じって何か語る様な声らしきものが聞こえました。誰か居るのかと辺りを見廻しましたが、動物や人もいません。空耳?と暫く様子を見ていたところ急に夢を見るように頭がボンヤリしてきて様々な情景や話し声が聞こえてきます。

このままだと滑り落ちて危ないと思いエンジン切って直ぐ上の獣道まで這いながら戻りました。まだ少し夢見心地なのですが、数分の間にだんだん普通の状態に戻ってきました。

一体何だったんだと気を取り直し、その木は諦め他を伐採しようと思い切りやすい離れた場所の楢の木と桜の木を伐採して畑に落としました。

その間も時々夢を見るような感じが数回ありましたが最初のような言葉は聞こえてきません。片付けは明日にしようと思い斜面を登りながら自宅に戻りました。

チェーンソーに燃料とオイルを入れ刃を研ぎ始めて暫くすると、先程切った様子が頭の中に浮かんでは消え、それはまるで走馬灯のような状態になりました。

その状態は20?30分はあったでしょうか、その後は何ともなく正常に戻りました。
一体何だったのか未だに理解が出来ません。

次の日、伐採した木々を畑まで重機で引き出して、枝を落とし玉切りして道路に積み上げましたが、昨日のような状態には成りませんでした。

2回目の伐採は1回目の上20m位にある檜林の中に生えている栗と桜の木の伐採す。
この場所は周りに檜が密生しているので、切っても檜に寄りかかるだけで木は倒れません。

下から1m位の間隔で切りながら順番に落としていきます。枝が張っている木は檜に掛かったりしてすんなりとは落ちて来ないので結構な手間です。
やや太い栗の木を3本、山桜を2本伐採しました。

3回目の伐採は2月の終わり。切れなかった1回目の場所に行きました。
例の太い木の近くに生えているやや太いコナラと細めのコナラを切りました。
次に例の木から1m位離れた後ろにある山桜を切ったのですが、例の木に掛かるはずがない桜の枝が上の部分で例の木に掛かってしまい倒れません。

自宅に戻りワイヤーとベルトスリングを取りに行き桜の木の根本付近に取り付けて下の畑に投げました。ワイヤーは10mスリングは2mです。どうにか畑斜面に落ちたように見えたので今度は重機で下の畑まで行き、斜面を登ってワイヤーを取り、再度シャックルで5mのワイヤーを繋げました。

それをユンボのバケットに繋ぎバックしアームを戻しながら引きましたが桜の木は少し撓むだけで倒れません。

何度かくり返すも状況は同じなので、ワイヤーを引いたままにして斜面を遠回りして登り、普通なら必ず倒れる状態である桜に、再度追い口を入れて切り込みました。

ようやく倒れたのですが、小枝が密生している先端は重機の運転席の中にまで入り込んでいて、もし重機に乗り引きながら作業していたらちょっとした怪我をしたのではないかと思い一瞬ぞっとしました。

次の日、玉切りと枝の片付けをしているときに頭がフラフラする感じが数回起こり片付けが終わっても半日以上続きましたが次の日には回復。これはひょっとしたら脳の病気なのかな?それとも…。

最初と最後の作業にはどちらも例の木が関わっています。

一連のこの現象が私には理解できませんが、今まで経験したことも無いので不思議としか思えない出来事でした。


【編集後記】

暖かい日が多く雪も少なく過ごしやすい冬でした。薪も消費が少ないので今季用にストックしてある薪置場にはまだ半分近く残っています。例の件から伐採には慎重になっています。最後の山桜は薪割りで苦労しました。今まででこんなに割れない桜の木はありませんでした。日本のヨキと呼ばれる薪割り用の斧では簡単には割れません。グレンスフォシュブルークというスエーデンの重い斧でも端から割っても数回同じ場所に目掛けて打ち込まなければなりませんでした。玉切りした太い木ならクサビも通用しますがこの桜は樹皮がとてつもなく強くチェーンソーで樹皮を縦に数カ所切っても通用しませんでした。30年以上薪割りをしてきましたが、妻も私も「こんな桜は初めて」と思った次第です。
途中の道から見た三段目の畑の斜面。右の木はホオノキで太さが40センチ以上ある。
細い木から間伐。太さ10センチ前後のシラガシとリョウブ。
三段目の畑から斜面の林を見る。低木を切り太い木を間伐して大分整理されてきた。
檜林。手前の切り株は栗の木で、双生していたので根回りの太さは70センチ以上有った。
三段目の境。
三段目より下の林はまだ何も手が付けられていない。
一段目の畑から我が家を見上げる。こしてみるともう少し間伐が必要だとわかる。

Copyright(c) 2000-2021 Creative Design Office LETTER HOUSE(since1979) arrival media All Rights Reserved.