山菜-タラの芽

タラの芽

ウコギ科
 春山に入るとスーッと伸びた白っぽい細い木の上にやや赤みをおびた緑の葉が天に向かってちょこんと開いている。よく目立つ。その周囲には幼木が数本必ずある。陽の良く当たる所で育ったものは太くて芽も大きい。欲で幼木の芽を採る人がいるが香りもなく筋っぽくて堅い。後の楽しみのために十分成長してから採取したいもの。

 富士見では背丈以上になった太いタラの木が多い。上の方は採りにくい。しかし地元の多くの人達は平気でカマで斬り倒し、すべてを取り尽くしていく。乱雑に切り倒されたタラを見る度、寂しい気持ちになってしまう。

 木には鋭い棘があり、葉や茎にも棘があるが若い内の棘はまだ柔らかい。写真中(この一日前ならもっと良い)の様なタラの芽を生のまま縦に二つ割りにして軽く衣をつけ天ぷらにする。あまり主張しすぎないとてもやさしい春の香りと付け根部分のホクホク感がなんとも言えない。やはり山菜の頂点に立つ味だ。
てっぺんにある太いタラの芽は採るのに苦労する。