新旧おせち料理
78%KAKEGAWA Vol.46 1984年1月号掲載
78%読者の皆さん、明けましておめでとうございます。不景気風はますます強くなるばかり…。消費者は財布のヒモをしっかり締めてしまっているようで…。しかし、不景気だろうが何だろうが、確実にやってくる年に一度のお正月。

私はお正月がやってくるとゾ〜ッとします。伊武雅刀さんの歌ではないけれど「私は子どもが嫌いだ!目の色を変えてお年玉をかき集める子ども達が嫌いだ!中には大人よりも大金を持ち歩き、それでももっとお年玉をよこせと大きな顔をする。かき集めたお金をしっかり貯金する子ども達が、私は嫌いだ!」これ、本音。

ということとは関係無く、近年、お正月のおせち料理も、スーパーや食料品店で売られている既製のもので済ませてしまう家庭も多くなり、年々情緒がなくなりつつある。餅もパック入りで済ましたり、餅つき器でついたりと、お正月を迎える準備も年々薄れていく。お正月がだんだんつまらなくなり、昔ほどの楽しさを味わうことが少なくなってしまった。

私たちの小さい頃は、12月に入ればお正月を心待ちにし「もういくつ寝るとお正月…」なんて唄いながら、日一日と近づくお正月に胸を弾ませたものである。先日もある子に「もうすぐお正月だからうれしいでしょ」って言ったら「別にうれしくもない…」という返事が返ってきて、ちょっぴり淋しい気がした。

お正月が来たからといって、特別何かが変わるわけでもない。だけど、昔から伝えられてきた伝統や方法も、それが必要ならば守り続けていくことも大切だし、おせち料理にしても、人生の先輩から学びとることも多くあるはず。先人の生きた知恵や工夫がいっぱいです。
おせち料理はお正月の保存食

おせち料理は御節供(おせちく)料理の略で、平安時代の宮中で1月1日、1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日といった節日に神前に食物を供え、御祝い料理を作って宴会をしていたのが、いつのまにか、お正月料理だけをさすようになったそうで、おせち料理を正月に食べる宮中のしきたりが一般に広まって、歴史の中で伝承されてきたのです。
そして、正月の3日間は主婦がゆっくり休めるようにと、大晦日までに作ってお重に詰めておく正月三が日の保存食でもあるわけです。ところが、主婦はやっぱりお正月と言ってもなかなか休めないんですね。特に長男の嫁は大変みたいです。
吉岡の春林院
お供え物は精進料理

掛川市内にも寺院はたくさんありますが、どういったお正月を迎えるのでしょうか。普通の家庭ならお正月はのんびりと過ごせるのに、寺院では一年中で一番忙しい日になります。

吉岡にある春林院では大晦日の31日の夜12時近くになると、鐘をつきに来る人が200人くらいも並んでいるそうです。この日だけは特別に一般の人に鐘をつかせてくれるからです。ここでは、百八つどころか二百近くの除夜の鐘が村中に鳴り響きます。遠くは御前崎や相良あたりからもやって来るそうです。その日は、お参りに来る人達のために境内では明け方まで火を絶やさないように燃やし続けるそうです。

さて、春林院ではお正月の三が日はおとそを頂く前に、砂糖湯を必ず飲むのが習わしになっているそうです。
「これだけは欠かしたことはありませんね。私が嫁に来たときから教えられ、子ども達も飲むものとしていますから…。仏様に供える物は生ぐさ物(魚、肉類)は一切使いませんね。お雑煮には大根と人参それに里芋、水菜を入れます。他には、油揚げ、人参、ごぼう、こんにゃく、里芋などを煮る精進料理や、大根と人参の酢の物、白和えなどをお供えします。お寺では、朝早くからお年頭に来る型がいらっしゃいますので、6時頃までにはお供えしておきます。家族が食べるものについては普通の家庭と同じような物を食べていますよ。かまぼこも食べますし、お魚も食べます。特別に変わっているようなこともありません。」と奥さん。
春林院境内にある鐘
春林院境内にある子守観音

できあえ派
老いも若きも既製品ブーム

年の瀬になるとお正月を迎える準備のための買い物で、どこの商店も大賑わい。スーパーや食品店には正月三が日用の食料を買い求める客でごった返している。特に29日頃からドッと人の波が押し寄せ、レジには長蛇の列。

数の子。荒巻鮭。きんとん、黒豆、かまぼこ、伊達巻きなどの商品が山のように積まれていても、瞬く間になくなってしまう。最近では「おせちセット」に人気が集中。手間が掛からず普段でも食べられるからか、値段が少しぐらい高くても味の良い高級品を少量ずつ買っていく傾向にあるようだ。一応はお正月を盛り上げるために品揃えをしておくのでしょうね。餅も年中食べられるせいか、パック入りの切り餅が結構売れているそうである。

このような既製品のおせち料理は、手造りよりも見た目が綺麗で美味しい物がたくさん出ている。共稼ぎの家庭が多くなっている昨今では、忙しくて時間の掛かるおせち料理にまで手が回らない家庭も多いだろうから、そう言う意味では本当に手軽で便利な物だと思う。しかし、せめて2〜3品位は手造りの料理で家庭の味を出して貰いたいものである。

スーパーでよく売れるおせち料理は次の通りですが、掛川スーパーの情報によると、今年は数の子が昨年よりも若干安くなっているそうです。鮭も秋鮭という産卵した後の鮭は安くなっています。お正月商品は28日に仕入れて29日から売りに出すそうです。

一般的に正月用によく売れる商品

・かまぼこ ・栗きんとん ・さば  ・伊達巻  ・昆布巻
・いくら  ・なると   ・田作り ・海産珍味 ・黒豆
・はぜ甘露煮 ・エビ ・お多福豆 ・数の子 ・牡蠣 
・豆きんとん ・まぐろの柵

手造り派
ホッと一息つけるのは除夜の鐘が鳴る頃
倉真に住む岡田ちよさん(61才)は、お正月料理はほとんど手造りだという。農家ということもあって、家で採れた栗やタケノコを瓶詰めして保存して置いたものを利用したり。野菜類もほとんど自家製で間に合うという。手造りのおせち料理を作るつもりなら。普段から準備しておくことも大切なポイントとなる。

岡田さんのお宅では、黒豆、栗きんとん伊達巻、精進料理を作ったり、餅つき、お墓の掃除など、30日、31日の両日は目の回るような忙しさ。29日の餅つきは苦(く)餅と言って嫌うため、餅つきは毎年30日に行われる。朝の5時頃から餅つきの準備をし、一臼二升五合を7臼もつき、10時頃までにつきあげる。そした、31日の夜中の12時頃ようやく一段落して、お正月を迎えるのである。

「朝、みんなで揃ってお経を上げた後、おとそを年の順に杯を廻していただきます。それだけでお正月気分ですね。昔は近所の人が回ってきたもんですから、おとそをだしたんですが、今では集会所が有りますから、そこで何時に集まって『おめでとう』を言うので、家に来るのは親戚の人達くらいですね。」と岡田さん。

この近辺でも、昔はほとんどの家が自分の家で採れた材料を使い、いろいろと調理したそうですが、最近ではどこの家にも車があって買い物も便利になり、手造りのものを作る家もだんだん少なくなってきたそうです。

岡田家のおせち料理
まずは、瓶詰めにしてある栗の甘露煮を使い栗きんとんを…。餡のかわりに自家製のサツマイモを使う。「紅こうけい」という品種のサツマイモの皮を厚くむくこ。塩水に漬けあく抜きをする。それをある程度の大きさに切って、柔らかく煮たものをつぶし(裏ごしでもいい)砂糖を入れて混ぜて、栗の甘露煮を入れて完成。

精進料理は、人参、ごぼう、タケノコ、里芋(八つ頭)、凍り豆腐等を別々に煮る。里芋を煮るときには鰹節で出汁をとり、だし汁をたっぷりにして薄口醤油に塩をきかせて砂糖を入れて煮る。煮た後はそのままたっぷりの出汁のなかに長時間漬けておけば味が中までしみ込んでおいしくなるそうです。

このほかにも、鯖が安い時期に買って置いて麹漬けにしておいたり、しょっぱい鮭なら甘酒の素(そのまま甘酒にして飲めるもの)に漬けておく。甘酒の甘味がしょっぱい鮭を丁度良い味加減にしてくれる。この場合食べる一週間ぐらい前につけ込むのが良いとのこと。こうしておけばいつでも好きなときに食べられるので便利です。お雑煮に飽きて来た頃にはご飯のおかずに最適です。

岡田さんはこのように自分で工夫しながら、自分の味を作りだしている。普段もほとんど出来合のものは買わないで、手造りの料理が食卓に並ぶ。そして、できるだけ化学調味料は使わずに、自然のものを使うようにしているそうです。

78%も挑戦
錦卵のつくりかた
●用意する材料
・卵…6個
・グラニュー糖…大さじ7杯
・塩…小さじ1/3強

●つくりかた
1.まず、卵を固ゆでにします。(中火で12分ぐらい)

2.ゆで卵を黄身と白身に分けてから、白身から裏ごしします。(黄身からこすと白身に黄身の色が付いてしまうため)

3.裏ごしした白身にグラニュー糖大さじ4杯(砂糖は多めの報が防腐剤代わりになりますが、78%では少なめにして3杯弱でやってみたところ丁度良い味になりました)と、塩小さじ1/3杯を加え、箸で良く混ぜます。

4.裏ごしした黄身にグラニュー糖大さじ3杯(78%では2杯にしました)と、塩をひとつまみ(パラパラ程度)を加えて。箸3本を束ねて軽く混ぜます。

5.まな板の上に巻き簀を敷き、その上に湿らせたさらし布を広げ、そこへスパテラなどで黄身を広げます。その上から、広げた黄身の中央部分に白身を置き、さらし布と巻き簀の手前と向こう側を持って巻き、両側からグッと押し締めるようにしながら、全体の形を整えていきます。

6.まな板の上に戻し、今度は本格的に巻き締めます。しっかりと巻けたら、さらし布の両端をからげて巻き簀を外し、この状態で蒸し器に入れて8〜10分間蒸します。これでできあがり!


一口食べてみたら、味は上々。我ながらうまくできたものだとつくづく感心。皆の評判も良かったので気を良くしています。ただ、白身を外側に巻いてしまったのが失敗。これではゆで卵を切っただけみたい…。やはり黄身を外側にもってこなくっちゃね。
この錦卵はアレンジもできる。ほうれん草をミキサーにかけて白身に混ぜて作っても彩りがきれいですよ。砂糖は大さじ一杯づつ減らした方が丁度良いみたいです。やればできる。
白身から裏ごしする。
さらし布の上で黄身を広げ、中央に白身をのせる。
巻き簀でまく。
巻き簀をはずし形を整え、このまま蒸す。。
できあがり。

多人数の雑煮
商家の雑煮
昔の商家には住み込みの従業員が大勢いて、おせち料理を作るにも大変な労力を要した。そういった所での雑煮の作り方を桐田容子さん(50才)に聞いてみました。
掛川周辺の雑煮は、具も餅も全部一緒に鍋に入れて煮るのが一般的なようだ。ところが桐田さんのお宅では、代々伝わる雑煮の作り方があって、今でもそれが受け継がれている。
関東風の雑煮は、こんがりと焼いた切り餅に、鶏肉と小松菜を中心にしたすまし汁仕立てで、それに里芋、人参、椎茸、かまぼこなどの具を好みで取り合わせるようです。ところが、桐田さんのお宅では、餅は焼かずに、お湯の中に入れて、とろ火で形がくずれない程度に煮るそうです。

別に茹でた鶏肉や大根、里芋と一緒にお椀の中に入れ、すまし汁を入れる方法ですが、すまし汁の中に鶏ガラでとったスープも入ります。もちろんすまし汁は鰹節で出汁をとり、醤油をほんの少し入れて、塩で味付けした薄口のものを使います。その上に三つ葉を浮かせて彩りをきれいに見せます。
「昔は従業員が住み込みで大勢居たため、煮込んでしまうとクタクタになってしまうので、そうしたのではないでしょうか。」とのこと。こんな所にも、台所を預かる人の心遣いが感じられます。家族が多ければ多いなりに、少なければ少ないなりに、やり方はいろいろあるようです。

さわらや鯛の味噌漬け
桐田さんのお宅では、数あるおせち料理の中に、さわらの味噌漬けや焼き豚風の肉料理も加えています。三が日の間はいつでも食べられる保存食となるものだったら何でも良いのです。

さわらの味噌漬けは、さわらの切り身を購入してきて、味噌と味噌ではさんで漬け込んでおきます。味噌は白味噌の甘味噌がベスト。その味噌に、みりんとだし汁で味噌を溶くような感じで、だらっとするくらいの濃さにします。混ぜた味噌をバットに敷き、その上にガーゼを敷いてさわらを載せ、ガーゼをその上に敷き味噌を載せます。3日目くらいが丁度食べ頃だそうです。さわらの替わりに鯛もお正月にふさわしい料理として喜ばれそうです。
そんなしゃれたもんはなかったやぁ
日坂の古宮にずっと暮らしている桑高とめのさん(63才男性)は、「昔っから宿場町で、農業を営んでいる家も少なく、貧乏暮らしの家が多かったから、おせちなんてしゃれたものはなかった。」と言う。お正月料理と言えば、雑煮となま酢くらいだったが、それでも餅などは正月と節句くらいしか食べられなかったので、お正月は大人も楽しみだったようである。

古宮辺りでは、昔からおせち料理を特別に作る家もなかったためか、今でも家では作らず、買ってきたものを重箱に詰めたり、セットになっているものを買ってくる家が多いようだ。その点は農家の強みで、自家製の野菜が豊富にあるから、お正月には野菜を使っていろいろと作れたのである。

この地区に今でも残っている風習で、ドンドン焼きというのがある。おせち料理とは関係はないが、毎年1月7日の日は、子ども達が朝から全部の家を回って、門松やお飾り、習字、御札などを集め、河原に持っていって焼くのである。くすぶって燃え切らなかったら松竹梅を束にして、また各家を回って歩く。どこの家でも「志」として、いくらかのお金を包んでくれる。子ども達はそのお金で自分達の好きな物を買う。しかし、これも正月に門松を出す家が減ってくれば、いつかはなくなってしまうのだろう。

正月は雑煮となま酢
水を沢山使うと餅はよくのびる
関東で、雑煮に入れる餅を焼く習慣は、餅を搗く時に量を増やすために水をいっぱい使って搗くからだと言われている。そのような餅を焼かずに煮たりしたら、それこそクタクタになって箸にも棒にもかからないのだそうです。昔の絵などを見ると、餅がぐ〜んと延びて、いかにも美味しそうに描かれているが、実は水の使いすぎで柔らかいのです。

さて、関東風雑煮がでたついでに、桜木のTさんから教えて頂いた岡山式雑煮を紹介します。
岡山県のある地域では、雑煮に使う餅は全部丸餅。建前の時に投げる餅と同じなんですね、きっと。そして、お正月の一週間前から雑煮の準備を始めるそうです。麹と味噌を半々の割で合わせ、一週間ぐらいねかせておくためです。そうすると真っ白な麹味噌が出来上がり、それをすりこぎですりながらつかうのです。

鍋の底に藁で作ったすのこを敷き、その上に餅を載せて餅だけを煮る。それをお椀に入れ、別に茹でたほうれん草または水菜、ゆり根などの具を入れて、別に先の白味噌で作っておいた味噌汁をかける。その上にたっぷりのかつお節をかければできあがり。食べるときかすかに藁の香りが残る。鍋の底に藁を敷くのはこの香りを楽しむためだけの理由ではなく、こうしておけば鍋底に餅がくっつかないからだ。

岡山県式の雑煮

正月にしか作らない料理
これだけは欠かせない
Tさん宅では、お正月のおせち料理にしか出てこないものがある。それは「田作り」と「たたきごぼう」。

田作り(ごまめ)は、煮干しのような状態の小さな(幼魚)カタクチイワシをフライパンでからからに炒って、砂糖と醤油で味付けしたもの。
作り方は、まずフライパンで魚をから炒りし、焦がさないように炒ったら一本折ってってみてポキッと折れたら全部取り出す。同じプライパンか浅鍋に、砂糖、みりん、しょうゆを入れてとろりとなるまで煮詰め、ここに先ほど炒った魚を入れて手早く煮詰める。

たたきごぼうは、普段から酢の入っている料理を食べない家族が、好んで食べる唯一の酢の入った料理だそうです。Tさんは「これはお正月料理だ」という固定概念があってか、お正月以外は絶対につくらないそうです。
作り方は、叩いたゴボウを人差し指ぐらいの太さに短冊に切って茹でる。そして、しょうゆと酢を2対1の割合で混ぜ、その中にすり胡麻をたっぷり入れよく混ぜる。好みによって砂糖を入れても良い。これを茹でたゴボウに絡ませたりかけるだけの簡単なもの。「最近はこのたたきごぼうをテレビの料理番組でも時々やっていますよ。」とニッコリ。みなさんもぜひ作ってみてください。

開けて感激!
一の重、二の重、三の重
おせち料理を重詰めにする場合、三種、五種、七種というように奇数で彩りよく詰めます。

一の重には彩りのきれいな豪華なものを。蓋を開けた瞬間に「ああ、お正月だな」って感じさせてくれるようなものを入れたいものです。一般には、甘くてきれいに見える口取りを中心に詰めるようです。たとえば、かまぼこ、きんとん、伊達巻、羊羹などです。
二の重には酒の肴になるもので焼き物や蒸し物や酢の物などです。
三の重には煮物を詰めるのが一般的なようです。

ごろあわせでおもてなし
祝い肴
お客様が見えたときや、お屠蘇を酌み交わす時に出す肴を祝い肴といいます。通常おめでたいものを3種類組み合わせて出します。代表的なものは、数の子。結び昆布、寿留女(するめ)、田作り、かち栗、海老、黒豆などです。

数の子は子孫繁栄、昆布は喜こんぶに繋がり、田作りは豊作を、黒豆はマメに暮らせるようにと、それぞれにいろいろな意味が含まれているのです。焼いた寿留女を細かく裂くと、するめの共白髪(ともじらが)、夫婦が共に白髪の生えるまで長生きできるようにという願いをこめ、金槌などで周りを叩いてできるだけ細かく裂いて出します。

海老の鬼殻焼きも酒の肴に持ってこい。車海老は頭も殻もつけたまま塩水でさっと洗って、竹串で背わたを除き、腹の方の殻にハサミを入れ切っておき、薄口しょうゆと酒を同じ分量でまぜたものを海老にまぶし10分ほどおいて下味を付けておきます。内側に海老を曲げて金串を刺します。小さいものなら4〜5尾はつけられます。それを強火の遠火で焦がさないように焼いて、みりんを塗って照りを出します。

数の子はたっぷりめの薄い塩水で5〜6時間漬けておき塩抜きをします。塩味が少し残るくらいに塩抜きして下さい。周りの白い蒔くは手でこすると簡単に取り除けます。それを水洗いして酒をふりかけます。そして、出汁1カップ、避け大さじ2杯、薄口しょうゆ大さじ1杯の付け汁に半日以上浸けておき、食べるときには一口大の大きさに切って、糸がきかつおをかけて出します。漬け汁に浸すときにはガーゼをかぶせると少ない汁で上まで浸かるので経済的です。

こうして、ちょっと手を加えるだけで心のこもった手料理になります。見た目もきれいなほうがいいのですが、それよりも日本の伝統的なおせち料理を、親から子に伝承していくことも大事なことだと思います。今年出来なかった方は、来年こそはぜひとも挑戦してみて下さい。