ちょっと待て!急に止まれぬ新幹線
78%KAKEGAWA Vol.361983年3月号掲載
東海道本線と二俣線の掛川駅。駅の南側に新幹線が走っている。その向こうでは駅南の開発が始まっている。
今、話題になっている新幹線問題は「今日は国鉄、明日は目白。政治家たちは跳び回り、政治家の意地と名誉をかけた選挙がらみの新幹線。」という感じもしないではないですね。

掛川の街はすでに、新幹線駅を誘致するということで動き始めているけれど、私たち住民を置き去りにしちゃって、どうしたの?金銭的な尻拭いだけを強いられて、発言する資格もないのかな?突然、建設費地元負担の意思確認の署名運動なんかがきちゃったりなんかして……。ビックリですよね。

新幹線問題は賛否両論。良い悪いは別にして、具体的なことを明確にしないで、署名運動はちょっとおかしいんじゃないかな?市民にとっても、負担金という生活を脅かす切実な問題につながってくるんだから、もっともっとオープンにしてもらって、住民みんなが真剣に考えていきたいと思う。本当に新幹線を掛川に止めることによって、市民にメリットがあるのか、ないのか。もし駅をつくるのなら最善の方法を尽くして作らなければならない。絶対に安易な考えで作って欲しくはないし、住民無視の今のやり方には賛成できかねるんですね。

78%の今月号の特集では、賛成反対を問わず、どちらにも公平な立場で、この問題を見つめ直して見たいと思います。
住民の意思はどこに?知らない間に借金ふくらみ、
増税、寄付による建設費負担案。
負担金って、いったいいくらになるのかなぁ?

新幹線の駅は、あれば便利だけど、作るためには100億円近いお金が動くわけで、国鉄の負担がゼロということになれば、大部分が市の負担金となって跳ね返ってくるわけである。ただでさえ市民税や固定資産税の高い掛川市で、これ以上の負担金を背負わされた時には、ギリギリの生活を強いられている家庭にとって、ますます大変になっていくだけである。

単純に計算すると、県で3分の1を負担してくれた場合、約66億円が地元負担になる。これを人口67,011人(市民全員、赤ちゃんからお年寄りも含む)で割ると、一人あたり約98,000円になる。4人家族なら50万円近いお金になる。

もちろん多く出さなければならないお宅や地元の企業寄付や商店もあるから、一般家庭ではもっと少なくなると思うけど、ある程度は覚悟しなければならない。

それに、これからお金の掛かる生涯学習センターの建設、市立病院の建設、焼却場の建設、学校関係の建設など、建設費の出費がいろいろとあるんですね。(ほんとうに大丈夫かな?)


主婦だって、学生だって……


さて、掛川市に新幹線駅ができるという前提で、「新幹線掛川駅設置推進市民会議」という団体が作られました。(以降は長ったらしいので市民会議と呼びます。)これは、商工会議所・農協・区長会・婦人会などの市内26団体の代表者で構成されているそうです。前回、回覧板で回ってきた署名運動もこの団体の働きかけによって行われたものです。

この市民会議が作られた意図は、「駅を作ることには賛成だけど、こっちの思うように駅をつくってもらいたい。こちらの無関心なところで勝手に作られて、変な駅になってしまう恐れがあるから…。」ということで発足された。

市民会議は市内の主だった人たちだけで結成されているが、建設費の地元負担についての意思確認だけを市民に呼びかけているやり方には、納得のいかない面もある。地元の負担金の呼びかけと同時に、負担金の額を明確にし、その上で、誘致するか、誘致してほしくない、などの意見も聞くべきだと思う。

この新駅誘致問題は、高校生だって、もちろん主婦だって、掛川に住んでいる以上は、今後もずっと自分達に関わってくる問題なんだから、真剣に考えなくっちゃっ!!
都市計画により、広くなった駅前通り。一番奥中央が掛川駅(昨年10月撮影)
駅前ビル屋上から見た北東方向の掛川市街地の様子。手前左下に駅前通りが走る。
下りの新幹線。その手前は東海道本線と掛川駅のプラットホーム。画面上は東名高速道路。
新幹線掛川駅のことは、一般市民以上に
商店や会社が真剣に考えなければいけない。
新幹線によって人口増になるか…

松井さんは市民会議のメンバーの一人である。当然、新幹線の駅が出来ることに賛成をしている一人であるが、「損か得かをじっくり考えてから、自分達が損になることだったら断固拒否すべきだと思う。僕自身は、新幹線駅が出来ることによって、得になると思っているから運動しているんだけど…。得になるまでには息の長い話だとは思うけど…。」と語る。

「ただし、駅を作るためには綿密な調査をした上で、最良の方法でやっていかなければならない。」と言う松井さんは、そのためにJC(青年会議所)の中心メンバーとともに、山陽の小郡、徳山に出かけて行き調査を行った。

「できるか、できないかの問題ではなく、できた時に街をどういう風に変えておかなければいけないかということが大切なんですね。そのために調査が必要だったんです。今、新幹線駅を作るなら南口にして、バスターミナルや駐車場を持って行けば、街は発展するだろうという言い方をしているけど、それじゃあ、既存の商店街はどうなるんだろう、と言うことになる。だから、その辺をもっと適確につかんでいきたかった。」

松井さん自身は、住民主体ではなく、商店や企業を主体に考えているとの事である。

「要するに、サラリーマンというのはあんまり意識がないでしょ。出来て便利になればそれでいいやという感じだから…。一番直結して考えなければいけないのは、企業の人とか商店の人が、お客が増える、減るということを切実に考えていると思う。出来て便利になっても、もし大資本や大企業の商売敵が入り込んで来たとしたら、恐ろしいことですよね。

掛川の街の商店はペシャンコになってしまうんじゃないか、という気がします。だから、そこの所を真剣に考えて行かなければならないと思っています。ただ単に、人口が増えて、生産額が増えたということだけで判断されても困るんですよね。」

いずれにしても、商店主とか企業主にとって新幹線駅を作ることは、人口を増やすための手段である。人が増えることによって、何かが生まれ、そこから街がおもしろくなっていくのかもしれないが、果たしてどの程度の人口が増えるのかは、まだ誰にも想像がつかない。それでも、常に前進していかなければならないと松井さんは言う。

「新幹線駅が出来ることによって、商売がやりやすくなると思うし、今までの枠の中でやっていることから飛び出せる部分があるんじゃないかな?アンケートでは、新幹線よりも二俣線をなんとかしろ、という意見がすごく強いんですよね。二俣線は完全に新幹線と引き替えみたいになっているようですけど、国鉄が二俣線廃線を要求してくるんだったら、二俣線を国鉄から引き取って、もっと魅力のあるものに出来るんじゃないかとも思う。大井川鉄道の例もあるし…。」

「そういうことで、すべての再開発の起爆剤に出来るんじゃないかと思います。新幹線駅が出来ることによって、街が変わってくるから、市の財源とかそういうものがどんどん豊かになってくるだろうと思いますね。」

しかし、これはあくまでも松井さん自身の構想であり、意見である。市民会議のメンバーのひとりでもあるから、反対意見の人たちの声も取り入れていくことにも一生懸命である。

「今は、市の主だった人たちが動いているだけで、市長なんかも集会へ出かけて行っても、ただ説明しているだけでしょ。一方通行になってしまっていますよね。本来は、反対意見の人たちも集めて、もっとオープンに討論会みたいなものを開いていくべきだと思います。一般の人たちには(行動などが)何も無いでしょ。ただ、署名運動があるだけで…。僕らはそれを一生懸命やっていこうとしているんだけど、反応がないんですよね。もし、意見があったら「どしどし連絡をほしいと思います。」
松井道夫さん

青年会議所社会開発委員長・市民会議幹事・松尾町在住
一に駐車場、二に新幹線。
それにしても、あまり伝わってこない新幹線情報。
文化の匂いさえない街…

新幹線の問題については、「まだ商店街の方にまで、来ていないのが現状です。僕らは駅に近いこともあって、実際にはあった方がいいと思っているんですけども、呼びかけ自体がつんぼさじきというか、具体的なものが何もわからないんですよね。聞くところによると、市役所あたりでは、土地の買収をしてもよろしいというような話も聞いています。その他、いろんな動きはあるみたいですけど、実際には何もわかっていないのが現状です。区長や組長個々人は知っているのかもしれませんがね。掛川の特長で、知っている人は知っている、知らない人は全然知らないというように、極端に分かれてるんですね。」と言うのは、駅通りで洋品店を経営している小里さん。

駅通りは、都市改造で街が綺麗に整備されたにもかかわらず、人通りは逆に減っているのが現状です。

道路が広くなった分だけ車の通行量が増えたが、閑散とした街並は、文化の匂いさえ感じられない。若者が乗り回す車の替わりに、パトカーの姿が目立つようになった。(これは駅通りに限らないが…。)お金は無くても、何となくふらふらしながらいろんな店を見て歩きたい。でも、今の街はそんな雰囲気でもない。今のままで新幹線駅を作っても、本当にプラスになるであろうか。若者不在で街の発展はあり得ない。


新幹線より駐車場の方が先


「駅通りの人たちの話を聞くと、どうせ(新幹線駅を)つくるのなら早くほしいという人も大勢います。私自身は、新幹線駅は欲しいけど絶対ほしいという感じでもありません。あればべっbりだという感じです。ただ、止まる本数が問題ですよね。何時間に1本とか、朝晩2回づつじゃあしょうがないですからねえ。そういう所もはっきりしてもらいたいですね」。

「そして、掛川の場合、降りる人がどれだけいるかということですよね。便利になったために、逆に他へお客が流れていくということも考えられないこともありませんから…。だから、商店自体は、もっと頑張って魅力のある商店街にしていかなければなりませんね。今は商店街としての活動が全然ないもんですから、それを起爆剤にしていきたいと思います。ただ、今は新幹線より駐車場の問題が先ですね。こちらは絶対に必要ですね。」
小里 務さん

駅前通り栄町洋品店経営
住民負担はまっぴらごめん!
都市計画で移転させられて、税金がびっしり!
他の土地へ引っ越したい気持ち…

国鉄と県が全面的にバックアップしてくれれば、止まるのは結構だけど、市民に全部負担が来るようなものなら、止まらない方がいいという人もいる。生活の楽な家庭ばかりではないからだ。多分こういう意見の人はかなりの数がいると思う。「それじゃあ虫が良すぎる」と言われるかもしれないが、実際には日本全国の人たちが利用対象となっている国鉄の駅を、なぜ地元で全額負担をしなければならないのか、疑問が湧く。

掛川市民は税金を払っていない?それとも政治家の力が足りない?市民からお金を吸い取って「新幹線駅は俺が誘致したんだ」なんて大きな顔をされてはたまらない。

栄町のある店主は「都市改造で駅前通りを広くしすぎて、客足が減ってるんですよね。都市計画で移転させられて、税金はビッシリくるし、新築税なんてすごいもんね。それにつれて固定資産税も、新幹線駅ができるということで土地がどんどん値上がりしているから、ますます高くなってきているんですね。立ち退き料なんて、ほんの雀の涙でしょ。あとはどんどん、どんどん税金で吸い上げられるから、本当に一時金で借りただけみたいになっちゃって…。市に踊らされたみたいな感じです。泣いている商店はいっぱいいますよ。その上、新幹線が止まって、何十万円という巨額なお金を投資(寄付)する気はさらさらありません。掛川に新幹線が止まったって、掛川には人を呼べる程の観光地があるわけでもないし…。それに、都市計画のおかげで少しでもメリットがあって、よかったということになれば、それじゃあ新幹線も協力しようという風になるんだけど、今の状態じゃあ新幹線を止めても無理でしょうね。」

ここの地区では、前回の署名運動で、署名した人は誰もいなかったようである。また、東京から引っ越してきた人たちの話によると、固定資産税だとか市民税が非常に高くて「こんなつもりじゃなかった」と言う人も多い。この栄町の商店も、あんまり税金ばかりかかってくるので、店舗を建てても人に貸して他の土地へ引っ越そうかと家の中で真剣に話し合ったこともあるという。「新築したからって、いろいろなものが(税金)どんどん上がって、掛かってくるから恐ろしくなっちゃう」というのが理由だ。

「新幹線が止まったって、わざわざ掛川で降りる人なんて、特別な用事がない限りいないでしょ。逆に、便利になりすぎて、会社関係の出張で来た人なんて、日帰りで帰っちゃう可能性も大きいわけですよね。逆に考えるとマイナスな面も出て来ると思いますよ。東北新幹線がいい例ですよね。便利になったから、スキー客なんか日帰りで帰る人が多くて、ホテルがガラガラですってね。あっちは新幹線が出来たために赤字になっちゃっているんですって…。私自身も年に何回か利用していますけど、別に浜松か静岡まで出て行くことに不便は感じていません。」(栄町店主)
駅前交差点付近は都市計画による新築工事が続いている。
住民無視のやり方に腹が立つ。
毎日の生活費だけでも精一杯なのに。
住民との対話がない内にマスコミに発表してしまった!

ごく一般的なサラリーマン家庭のご主人に聞いてみました。

「実際に新幹線が止まることはいいことだと思いますよ。止まれば掛川の宣伝にもなるし、便利にもなりますよね。だけど、その後の具体的な案とか製作がなんにもされてないでしょ。ただ止めただけでは、例の岐阜羽島と何ら変わらなくなってしまう。それに、国鉄の財政危機が叫ばれている中で、全面的に地元負担にしろと言っているけど、当然税金だけじゃあ賄えなくて、市民に負担金が回ってくるでしょ。子どもを学校にやっているし、これから家も建てなきゃいけないという時期に、とてもこれ以上の無理はできない。賃金が上がっても、実質的には物価上昇率の方が高くて、追いつかない状態の中で、冗談じゃないと言いたい。」

「生涯学習センターの建設、焼却場、病院と、あっちもこっちも手を付けて(市の)借金増やして、これ以上の巨額な借金を抱えてどうすんのか。もう、新幹線を止めることを前提にいろいろ進めているようだけど、無計画なやり方に、非常に憤りを感じます。それに、署名運動だって一部の人たちがやっただけで、まったく住民を無視したやり方に腹が立ちますね。」

「それに、市長はいつも住民との対話が無い内に、すべてマスコミに発表してしまう。住民を無視したやり方ですよね。目白の田中邸に行ったことも、不信感を抱いています。当然ですよね。署名にしても掛川の財政では無理だという不安があるから、署名しなかったという人も多いと思う。僕もそのうちの一人ですけど…。いろいろやってくれるのは結構だけど、掛川市の財政状況をよく見極めて、今、いったい何が本当に必要なのかを検討して、その中で本当に必要なものを徐々にやっていくべきであると思いますね。(公務員・男性)


メリットよりデメリットの方が大きい!


市内に住むある中年の男性は「(駅近くに住む)地元の人はいいけど、私らみたいに遠い者は関係ないですよね。国鉄のダイヤを時間待ちのないように組み合わせれば、何にも作る必要はないですよ。なぜ新幹線が欲しいかって言えば、待ち時間があるからですよ。そうすれば、何十億円という大金を使う必要なんかないですよ。作ったにしても駅周辺の商店街の人たちだけでしょ、メリットのあるのは…。デメリットの方が多いですよ。あるところなんか固定資産税が、がんこ(すごく)上がっちゃって、これからもっと上がるけど、それだけ払えるかって言ってやりました。」
掛川駅の南側を通過する下り新幹線
新幹線は活性剤になると思う。
だから市当局は、すべての数字を明確に!
ある程度の負担金は覚悟しているが、やはり数字は明確にしてほしいですね。
連雀商店街振興組合理事長・カメラ店経営 小嶋勝利さん

「連雀(商店街)としては、新幹線の問題として話し合ったことが無いので、個人的に言わせてもらえば、出来ることに関しては賛成です。なぜかと言うと、われわれみたいに商売をしている人間は、年々売上げが上がらなければならないし、業績も伸ばしていきたいわけです。そうするには、やっぱり人が増えないとね…。人が増えるための条件としては、工場が出来たり、大学が出来たりすることですが、いずれにしても交通の手段が整備されないことには、こういったものはこないんじゃないかなと思うわけです。」

「新幹線の駅が出来れば、大きな活性剤になると思うし、たとえば大きな外資が入ってきても、それに負けないような努力や体質づくりをしていかなくちゃ、伸びはないと思いますね。ただし、金銭的な負担がどのくらいになるのか、具体的にどういう風にかかってくるのかは、説明して欲しいですね。市としては市民に、数字をはっきり出すべきだと思いますよ。」

「よく市長が『あなたがもし新幹線駅を作るなら、いくら出しますか』という言い方をしてますが、ひとつの見方として、それだけ真剣に考えてくれということと、その上である程度の負担は覚悟して下さいよ、という意味だと思うんですが、その言葉からも、かなりな額になると思いますね。私もある程度は覚悟してますが、やはり限度がありますからね。」

「ある人に言わせれば『そんな公共的な施設を作るために、市民のお金を出して駅を作るなんてとんでもない話だ。』と言う人もいました。

『静岡や浜松みたいな財源の豊かな所がタダでやってもらって、掛川みたいに四苦八苦してるところが、自分とこでやるなんてバカげたことだ。』という発言をする人もいましたね。だから、その辺はちゃんとした上で、いろいろやっていかないと、いろんな所で無理がでるという感じはしますよね。」

掛川駅の南側を通過する上り新幹線
自然を生かした観光開発が目標。
今から態勢づくりに頑張っています。
倉真地区総合調査研究会の杉村明さん、松浦吉信さん、内山初男さん
倉真地区にとっては、渡りに船の新幹線

「新幹線はできるということを仮定して、と言うより恐らく出来るだろうと言うことで、地場産物の観光的利用を調査し、いろいろと進めています。賛成とか反対という以前に、先にやってた方が勝ち。」と、気勢を上げているのは、倉真地区1,235人の住民たち。

倉真地区では昨年から「倉真地区総合調査研究会」を発足させて、観光と地場産物を生かしていくにはどうしたらいいかを調査し、積極的に売り込んでいく姿勢をとっている最中なので、新幹線問題は渡りに船である。ただし、あまりにも観光開発化しちゃって荒らされたのでは趣旨に反するため、なるべく自然のままを残していきたいそうで、そのため、不動産業者が入り込んで来て土地を買い取られるようなことになっては絶対にいけないから。住民の間では「売らない」という前提で進め、現在のありのままの姿を残して、観光的な物に結びつけていく方法を研究している。

「新幹線駅が出来たら、やっぱり掛川の奥座敷として、倉真を売り込んでいきたい。そして粟が岳は、島田や金谷、掛川とすべてが一望できる素晴らしい所だから、掛川の人たちにとって最高の資源産物である。だから、新幹線駅が出来たら粟が岳をぐるっと廻れる道を(倉真と粟が岳を結ぶ道)新幹線駅と同一歩調で開発してもらわにゃあいかん。一日ゆっくり廻ってもらって、最終的には倉真に泊まるというような形を取ってもらう。」

「新幹線駅が出来ても、なんにも態勢ができてなくて、振り回されるようじゃじょうがないので、その前から態勢を作っておかにゃあ。この一年はみんなの歩調を合わせる第一歩であって、本当に真剣になるのはこれからですね。まあ、新幹線のことでは、交通の便とかの問題は一歩近づいた気がする。今まではただ漠然と地域づくりと言っていたけど、これからは新幹線による波紋がどんどん、倉真の方まで押し寄せてるというか、やり甲斐が出てきました。」

「いままではどうやって客を引っ張るか、興味を持たせるようなものを作って行くかだったけど、これからは駅に降りた人をどう利用していくかと言うことに絞っていけばいい。(新幹線駅は)良い機会です。これからますます頑張っていきたいと思っています。」

粟が岳と倉真の道路に関してはちょっと虫の良い話のような気もするが、調査研究会メンバーの熱っぽい気迫に、思わず押されてしまって返す言葉もでなかった。

よくわからないけど、署名した


さて、新幹線問題について、実際に倉真地区の住民はどういうふうに捕らえているのか。

「本当のところは、みんなよくわかってないんですよ。出来たらどうなるか…。この間の署名運動の時には、温泉場の人たちは出来ることによって違うけど、ごく一般の人たちにはどうかなという意見がかなり出た。やはり、寄付金のことが頭にあるみたいで…。それにしては、みんな署名してくれたので、どっちかよくわからない。」

これは地方の特性で、すべてがそうとは言い切れないが、「みんなが書くなら私も…」という、保守的な面も多分に現れているように思う。誰が書いて、誰が書かなかったか一目瞭然でわかってしまうからだ。新幹線問題にしても、観光開発にしても、本当に利点のあるのは一部の人だけというのではなく、どうせやるのなら住民全体が利のあるように頑張ってもらいたいものである。

今回ここに掲載した意見は、ごくごく一部の方たちの意見です。新幹線問題は、決して他人事ではありません。掛川市の住民全員に関わってくる大きな問題です。
今まで、市が何か大きな事業をするとき、いつも私たち一般市民は置き去りにされたままで、意見を発表する場もありませんでした。そこで、賛成、反対、提言、苦言など何でも結構です。皆さんの意見をお聞かせ下さい。78%の最後のページについているはがきをご利用下さい。待っていま〜す。