粟が岳の西北のふもとにある松葉の滝。マイカーの方は倉真温泉を隔てて奧に進んでいくと「松葉の滝入口」といういう標識がある。ここから先は車ではいけないのでどこかの空き地に車を停めて徒歩で行ってください。徒歩の方は粟が岳から約30分。
中松葉で車を止めたら近所のおばさんが出てきたので「おばさん、松葉の滝へ行きたいんですが、ここから遠いんですか?」と尋ねたら「なあに、松葉の滝ならすぐそこだよ。」と言われ、気を良くして歩いていった。途中、何カ所かで滝の落ちてるような音が聞こえ、期待に胸を膨らませ、そのたびに急ぎ足になる。しかし、どこまでいっても滝らしものは見当たらない。道のずっと下の方で川が流れているだけ。山道は普段歩き慣れていないので息がぜいぜい、ハアハア。「すぐそばなんて嘘ばっかり。」恨み、辛みをブツブツ言いながら、今さら引き返すわけでもいかず歩いていくと、今度は道がもっと細くなり完全なあぜ道になる。途中、赤い実をつけた野イチゴが何本もあり、大きそうなイチゴをつまみ食い。「うーん、これはいける。」2つ3つ4つ、「やめられない、止まらない。」
50〜60メートルも歩くと小さな丸太の橋がかけてあり、目の前に2坪ぐらいの建物が建っている。ここまでくるとぐっと気温が下がる。何のための建物なのかさっぱりわからない。節穴からのぞくと中にござや土瓶が置いてあり、どういうわけか十八番ラーメンの段ボールが置いてある。建物の外壁にはいろいろな落書きがしてあり、住所や名前、相合い傘などがぎっしり書き込まれている。もしかしたらあなたの知っている人の名前か記してあるかも。
滝までの山道は、杉の樹木にはさまれて薄暗い。すぐそばに流れている川のせせらぎの音を聞きながら前進すると聞こえる、聞こえる滝の音。掛川市の商工パンフレットには「不動の滝ともいわれ、まさに東海一の大に飛瀑(高いところから落ちる滝)」と書いてあったので期待していったら、ちょっとがっかり。「どこが東海一なのか?」という感じがしないでもなかったが、でも真夏の暑い盛りに、山登りをして汗を流した後は、滝のそばでお弁当をひろげてなんて、最高の気分が味わえると思うのですが。また観光化されていないので秘境の地に行ったような気分を味わえます。行きは遠く感じますか帰りは楽なもんです。徒歩で片道15分か20分ぐらい。
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