模型飛行機 杉本吉司
Vol.7 1980.10月号掲載
 杉本吉司さんは六十五才、富士技研工業(株)の社長さんで、自ら模型飛行機の設計をし組み立てもしている。毎朝午前三〜四時には出社して仕事を始める。時には夜中の一時頃に目が覚めてそのまま仕事場に来るときもあるという。出社してから社員が会社に来るまでの時刻が一番仕事の能率が上がるとの事。

 仕事が趣味ではなく、趣味が仕事になったんだとおっしゃる杉本さん。「休日もなしで、毎日毎日仕事だけに打ち込んでいるが、少しも苦しいとか、えらいとかは思わない。それは、自分が最も好きなことをしているからで、自分の好きなことを仕事としてやれるなんてこんな幸福なことはない。毎日が楽しくて仕方がない。」と目を輝かせて語る。

 初めの頃はゴム動力の飛行機の一種類だけで、海外に二百万台も輸出したという。本体が発砲スチロールで出来ている模型飛行機は、昭和三十一年頃より研究が始まり、現在では模型飛行機に関しては押しも押されもしない高性能の飛行機を作りだしている。

四〜五年前から、ラジコン装置付きの模型飛行機を、主にアメリカや西ドイツに輸出しているがどこでも大評判だという。国内でも「モデル・ジャーナル」などの専門誌や「ポパイ」などにも紹介された。

 また、浜岡の「ねむの木学園」西側の砂浜で「ラジコン飛行機大会」を愛好者とともに開催しているが、杉本さんは大会には参加せずもっぱら自由飛行の方で、自分で組み立てた物を飛ばして楽しんでいる。