太鼓名人   鈴木常吉さん(59才)
Vol.6. 1980.9月号掲載
取材協力:うなぎの甚八
 9才の時から太鼓を打ち始めて50年。掛川で太鼓を打たせたら右に出る者はいないという程の太鼓打ちの名人。横須賀の大間太鼓、昇殿太鼓、鎌倉、雨垂、掛塚ばやしと何でもこなしてしまう。

 お祭りの季節になると袋井、森、横須賀、菊川、春野町と至る所からお呼び出しが掛かり忙しい。この季節になると商売はそっちのけで、駆けずり回る。

「太鼓は身体で打つのではない、心で打つものだ。一心不乱に打っていると他のことは一切耳に入らない。そして手は自然に踊ってしまう。」と語る鈴木さん。話す間も、身振り手振りが楽しい。そして、「太鼓を打つ人は笛も知らなければ打てない。笛との呼吸がぴったり合わなければ本物ではない」という。
お孫さんも太鼓を楽しそうに打っている。