雨桜神社の祇園祭
Vol.4 1980年7月号掲載
 毎年7月13日夜から14日にかけて掛川市上垂木の雨桜神社において祇園祭が行われる。

 古来垂木郷には、昔、怪獣が棲息していたという。ある時この怪獣が村に出て人々を悩ました。特に中村彦八郎さん方の庭の前に出てきたときは、初夏の小麦の取り入れ時期であった。怪獣は小麦俵を食い破り怒り狂った。

 六所神社(旧尾崎宮)の神主が嘆いて、太占をもって神に祈り郷内にこれを追わせることにした。これに応じて集まった人たちは、獲物具足に身を固め馬にまたがって怪獣を追い射止めた。

 その怪獣を埋めて、多くの神々を祀り、再びこのようなことないように祈った。この因縁により、毎年7月13日夜獅子頭の形を出して中村彦八郎宅(現中村義比古宅)で獅子舞の式を行うことになった。

 昔は7月14日の日に郷内に7カ村より、武者姿で馬にまたがった若者7人が、六所神社に集まって射的の式を行ったが現在は行っていない。今では毎年7月13日の夜に中村宅で花火大会が行われる。雨桜神社のいわれは、神前に古い桜の木が樹立しいたため、これを神木と呼んでいた。この桜に雨を祈ると霊験新たに必ず雨が降るといわれ、この古木を雨桜と呼んでいる。(今は古い木が枯れてしまったため若木が植えられている。)