ピアニスト・声楽家 佐藤松枝さん
 78%KAKEGAWA  Vol.62 1985.5   
「ホームコンサートを開くのが夢」と語る
富部の佐藤松枝さん

佐藤さんのお子さんが通う城北幼稚園で、すみれ組の卒園式がありました。その時、佐藤さんと一緒に理事をされた方が、佐藤さんの音楽に対する姿勢と、ピアノ・声楽の独演にいたく感動され、「ぜひ取材を…。」というお話しが有り、早速佐藤さんを訪ねてみました。

佐藤さんが音楽に関わり始めたのは26年前。現在ピアノと声楽の音楽教室を開いています。その教室でも、飛びつきやすい流行歌やCMソングを拒否し、良い音楽を教えて行きたいとのことです。

佐藤さん自身、小さい頃、西洋音楽にどうしても越えられない壁みたいなものがあって、音楽大学に入ってからも溶け込むことが出来なかったそうです。結局、日常生活の中で、西洋音楽に触れるチャンスが少なく、親もコンサートに連れていってくれなかったりで、違和感があったのだろうと、最近つくづく感じるようです。

現在は、、佐藤さん自身、西洋音楽(特にクラシック)が大好きなので、みんなにも自然に溶け込んでいけるような環境を作ってあげたいと思っているそうです。東京の知人で、演奏家ではないけれど、その方が中心となってプロの音楽家を招き、近所の人達と一緒に楽しむホームコンサートを開いている人がいます。佐藤さんも招かれて、そこで演奏したりしているそうですが、将来はその地方版みたいなものを、掛川で作っていくのが夢だそうです。

子ども達だけではなく、家庭の中に溶け込んでいけるような、身近なコンサートを開くことで、西洋音楽に対する壁を取り除いていきたいそうです。人生の中で生活を楽しむゆとりを持つことも大切なこと。子どもも大人も誰でも気軽に参加できるようなホームコンサートをぜひ実現させて頂きたいものです。