鼻が動く象のすべり台
Vol.65 1985.8月号掲載 
 掛川幼稚園に関しては本誌43号でも触れたことがあるが、明治23年3月1日に、掛川報徳社中に私立幼稚園として開園されたのが始まりである。大正9年頃に、現在の市役所の所に移転して、昭和24年に現在の瓦町に移転した。掛川で一番歴史の長い幼稚園でもある。

 写真(疋田医院所蔵)は昭和12〜13年頃の様子であるが、遊技場に設置されている象の形をしたすべり台が珍しい。上るときには象の鼻の方から上っていく。鼻が跳ねるので少し恐かったそうであるが、それがかえって子ども達には楽しく、にんきがあったようである。

 幼稚園は年少組と年長組があって、一応2年制になっていたが、今のように「行くのが当然」の様な風潮はなかったので、行かない子ども達の方が多かったようだ。昔は子どもは遊ぶのが仕事だったからまったくのんびりしていたと言う。そして、当時はまだおしっこをもらす子どもも大勢いて、もらすと真っ白いネルの寝間着を着せられた。だから、おしっこをもらすとすぐばれてしまったそうだ。