えんぴつ雑報 FromA
Vol.67 1985.10号掲載 
毎日のメモから…。


毎日いろいろな事があり、毎日いろいろな人と会う。記事にならないような事、書きたいけど資料がないもの、これは大事なものだと思う事、メモに走り書きしたことをそのまま(ちょっと調べて筆を加えて)雑報いたします。


●先日、依頼された「おらが畑のやさいたち」のキャンペーンのポスター撮影で、畑に農家の人達を集めて準備をしているとき、風上から異様な臭いがしてきた。その方向を見ると、近くの農家の人が畑で消毒作業をしていた。同行のカメラマンとアシスタントも気がついて、なにやらうかない顔つきだった。しかし、モデルとなる他の農家の人達は平然とし、私たちの準備作業を眺めている。その農家の人達の「慣れれば平気だよ」との言葉に二度ビックリ。その臭いは衣服や体に付いてなかなか消えない。しかも吸う息が苦しい。これでよく農家の人達は「平気」と言えるなと感じた一日だった。


●元朝日新聞の記者の方と話をしたとき、今回の市長選の話題になった。(記者の方は前市長榛葉虎之助氏の時にバリバリに取材をした人で、マスコミの偏りが当時は激しかったという。)その後、市長選の結果が出て、新聞発表され「榛村純一市長が再選」ここまでは良い。しかし、そのことで新幹線の新駅誘致の寄付問題までが正当化されそうな記事がかかれてあった。たかだか有権者の半分ちょっとの得票があっただけ。それが殆どの市民の声を代表しているような言い方はおかしい。現に、近所の人が「うちはまだ(寄付を)出しゃへんが、お宅が出す時は言ってね。」と、再選が決まった時点で話に出る。このような影響力を利用しているとしか思えない新聞の記事は罪悪である。


●9月27日から29日の3日間は、78%が関わっているコンサートやイベントが5カ所で有る。27日は清水市での岡林信康さんのコンサート。28日は浜松市で岡林信康さんのコンサートと掛川ひょうたん島でのLOOKのライブ。29日は地元のファンキーパロッツジャズオーケストラの初リサイタルと掛川初の風の旅団のテント劇。体は一つ、ダブルところはサイコロでも振って決めますかな。


ワインの食品添加物が大問題になっているが、これは氷山の一角である。多くの食品表示に合成保存料や着色料は使用していませんとか、無添加食品とかがあるが、これも信用できない。以前、知人の弟が下宿先で殆ど毎日、インスタント食品やラーメンを食べていて、数ヶ月後に入院した。栄養失調で体を壊したというが、それには何か他にも原因があったはずだ。

マンズワインの問題(※1)も。知らずにいれば買って消費してしまう。知らされずにいても同じ事になるだろう。それで体のどこかが悪くなって、さて何が原因なのか、と考えるだけで、消費者にはわからない。知っているのは食品を作っているメーカーだけ。事実、日本は世界最大の化学食品添加物国なのだから。ほとんど毒を食べているのと同じである。ただ少量だから直ぐには体に影響があるというものではないらしいが、国や食品メーカーはそんなことはお構いなしで、危なくなったら使用を中止すれば良い位にしか思っていない。

※1 いわゆる毒入ワイン事件のこと。1985年8月にマンズワインの出荷したワインに、工業用のジエチレングリコールが混入していた。それ以前にも海外ではこの化学薬品を使用したため数千人の死者を出している。甘味やまろやかな味わいを出すために使用されたという。


●もう一つ食の話。肉の卸会社にいた知人が言うには、豚や牛に病気が多いという。(解体すると)ガンや胃潰瘍のものが大半だという。そういう内臓は一応処分されるが、肉はよほどのことが無い限り出荷されてしまうとのことだ。一体何で牛や豚までがガンや胃潰瘍になるのだろう。誰かそこらの事に詳しい人が居たら教えて下さい。

                         (文:永倉 章)