第10回菊川美術展(新庁舎にて)
Vol.38 1983.5号掲載 
第10回菊川美術展が新庁舎ロビーで開催!


菊川町役場が4月4日から旧庁舎から新庁舎に移転(と言うのかな?同じ場所です)した。14億円を掛けたという新庁舎の玄関からロビーは、ちょっとしたホテル並。玄関は二重扉になっていて、ロビーの奥には食堂や喫茶室もあって、一般の人も自由に利用できることになっています。ちなみに、コーヒー一杯200円、日替わり定食350円とメニュー全体が比較的安くなっています。

トイレは身障者用、ベビーベッド付と細かい所にまで気配りがなされています。4月一杯は、日曜祭日もすべて開放して、町民が自由に見て歩けるようにしてある。途中で行き会ったおじさん二人は「いいじゃん、いいじゃん」を連発。「どこかの県庁よりよっぽどいい」とも言っておりました。

この庁舎建設に当たって、町民の抵抗はほとんどなかったと言う。普通なら「先に橋をやれ」とか「学校の体育館をやれ」という意見が出るが、菊川町ではそういったものを先にやってから、最後に庁舎の建設に取りかかったので、あまり抵抗がなかったのではないかと、一般住民の意見。(今まであのボロ庁舎でじっとガマンしていたのですから、住民も納得するでしょうね。)

今後の都市改造にしても、掛川の二の舞は踏みたくないとも言っていました。「掛川の都市改造は完全に失敗だね。あれじゃ、車の人が便利になっただけで、商店や市民の生活の潤いに少しもプラスになっていない。」というのが主な理由。(掛川は何だか悪い方のお手本みたい…。他の市町村の人達は、その辺の所は冷静に成り行きを見つめているのですね。)

さて、新庁舎一階のロビーは無料で一般開放ということになり、4月10日から30日までは、絵画・生け花の「第10回菊川美術展」が開催された。特に初日の10日は、県議選の選挙の投票帰りの人が立ち寄ったこともあって、午前中は目が離せないほどの大盛況だったようである。この美術展には菊川町文化協会美術部からは30点の作品が、菊川町華道連盟からは19点の作品がそれぞれ出品された。菊川町では、こういった発表の場が出来たことによって、文化意識の向上を目指している。7月には横山良美さんの菊川百景の絵画展も予定されている。


掛川市は施設の利用料をすべて値上げした。(これは全国的な傾向でもある。)生涯学習センターも、せっかく出来上がっても、使用料がかかってくるので、本当に一般住民が利用できるかどうか疑問である。ところが、菊川町では4月1日から、すべて無料化に踏み切りました。人口わずか2万6千人の町です。あまり掛川のことを悪く言いたくないのですが、つい隣の町と比較してしまうのです。掛川の街が少しでも良くなることを切に望んでいるからです。税金は有効に使いましょう!
                  (文:やなせかずこ)