掛川バイパス土砂崩れ
Vol.32 1982.11号掲載 
無残にも崩壊したモルタル吹きつけの法面
昨年の3月24日午後3時に掛川唯一の有料道路である「掛川バイパス」が開通した。当日は花火を打ち上げたり、風船をとばしたり、西高のブラスバンドによる演奏やパレードなどと華々しい開通式が行われました。78%でも当日は一番乗りの人を取材するつもりで、わざわざ出かけて行きました。開通5分前だというのに、並んでいる車はわずか5台でありました。関係者の人から「あんた達は6番目になるから記念に走ってみたら?10番目までは記念品が出るから…。」と声を掛けられ、単純にも記念品に惹かれて、取材そっちのけで走った記憶がある。

ここまではよかったんですね。ところが、集中豪雨のため開通わずか30時間余りで、各所で土砂崩れがあって、全面通行止めとなってしまいました。特に、宮脇インターの西方面約200メートル地点では、その時の土砂崩れのため半年以上11月に入っても工事が終わらないありさま。その後も度々土砂崩れが起こっている。

ここは地盤がかなり弱いようで、道路公団も少し雨が降り続くとすぐに見回りにやってくる。夜中でも何かあれば直ぐに飛んで来る。(早いですよ。だいたい5分後には道路公団の車が来ています。)道路公団も大変なお荷物を抱え込んだものである。崩れた所をそのまま放置しておくわけにもいかず、そのたびに工事するわけだから、とんだ金食い虫である。これはもう同情に値する。

さて、今年の9月12日の台風18号の時は、当日は何ともなかったのに、1〜2日後にコンクリートの面が徐々に膨らんできたのである。崩れる前に壊そうということなのか、すぐに重機がやってきてつっついて法面を壊し始めた。またもや工事のやり直しである。今回の工事は意外に早く、一ヶ月も経たないうちにコンクリートの吹きつけも終わり、やれやれと一息ついたら、10月13日午前4時30分、またもや土砂崩れである。(少し離れた自宅前なので、崩れる瞬間を見ていました)

それ程雨が降ったわけでも無いのに、せっかく吹き付けたコンクリートが、無残にも跡形無く消えて山肌が丸見え。何度崩れたら気が済むのかなぁ。こう度々あると「またか。」という感じで、崩れること自体には無神経になってしまったが、それにしてもあの工事の騒音にはまいってしまう。開通前からあの重機のガーガーゴーゴーという音に悩まされ、ようやく開通してほっとしたのも束の間。、こう年がら年中工事の音を聞かされていたのでは、朝の遅い私にはちと辛い。早く何とかしてもらいたいものである。

                             (文:やなせかずこ)
開通当初には法面は緑化されたり蛇籠石が積まれたりしていたが、実際には崩れ落ち自然の力のは勝てなかった。