台風18号…ああ無残
Vol.31 1982.10号掲載 
逆川からの溢れた水と激しかった流れで土台がえぐり取られた緑町の建具店と建設会社(14日午後4時)
台風一過、9月12日の台風18号による置き土産は大きすぎた。掛川市では、死者2名、重軽傷者9名、家屋全半壊31戸、浸水家屋は2000戸以上。そこらじゅうで崖が崩れた。

緑町では逆川の堤防下がそぎ取られ、建具店の資材置き場と建設会社の日曜大工店が、川に向かっておおきく傾斜し、倒れ落ちる寸前となった。

掛川で最も土地の低いといわれる曽我地区では、翌日になっても水が引かず、地区は孤立状態となった。大雨の時には必ず水が溜まり通行止めになる上張のガードはご多分に漏れずパンク状態で溢れた水がガードを隠し、付近の家々に流れ込んだ。

日坂は崖崩れのため通行止め。復旧の見通しがつかないという。昔良く水害に悩まされたという八坂も、やはり被害が大きく、ちょうど13日から祭典に入っていた日坂と八坂の祭りは中止。この台風は年に一度の楽しみまで奪ってしまったわけだ。

下垂木では裏山が崩れ、荒川さん父娘が亡くなった。ご冥福をお祈り致します。

新町では、天井まで水が浸かって、ボートで救出された家も有り、軒並み床上浸水となった。掛川ではこの台風による大惨事は市政施行以来という事である。

(文:やなせかずこ)
肴町もほとんどが床上浸水(12日午後8時)
逆川の濁流が緑橋に押し寄せる(12日午後8時)
仁藤の78%事務所前(12日午後7時)
仁藤、連雀の商店街も車道と歩道がわからなくなる位水が出て、商品が水に浸かった店も多数でた。(12日午後7時)