掛工秘伝「天ぷら石けん」製造法 
Vol.21 1981.12号掲載 
理科部代表の兼子君も出来上がった天ぷら石けんを持って満足!読者の皆さん、無公害の天ぷら石けん作りに挑戦しよう!
10月号で石けんの作り方を教えてほしいと掲載したところ。掛川工業高校の理科部の兼子君から連絡があり、ちょうど文化祭(葛川祭10月17日・18日)も行われていて、展示してあるとのことだったので早速出かけてみた。
                    (文:やなせかずこ)


理科部展示室に行くと、編集室が苦労したにも関わらず、出来なかった天ぷら石けんが、みごとに出来ていたのです!それは粉末になっていて、見た目も市販の粉石けんそのもの。拍手拍手!実際に使ってみると、ちょっと不純物が入っているがそれを気にしなければ実用になります。
さて、この天ぷら石けんをどうやって作ったのか…。


用意するもの(廃天ぷら油が100ccの場合)

● 深いホーローやステンレスの鍋(アルミ鍋は不可)
● 天ぷら油の使ったものをカスなど濾過した油…100cc
● 水酸化ナトリウムの50%水溶液…50cc(50ccの水に50gの水酸化ナトリウムを溶かしたもの)
● 食塩水30%水溶液…100cc(100ccの水に30gの食塩を溶かしたもの)
● 炭酸ナトリウム(ソーダ灰)…200g


作りかた(廃天ぷら油が100ccの場合)

1.油100ccと水50ccを容器に入れ少し加熱する。

2.中火ぐらいで加熱しながら、水酸化ナトリウムの溶液50ccのうち30ccを加え、かき混ぜる。

3.さらに強く加熱し、残りの水酸化ナトリウムの溶液20ccを加える。

4.3〜4分間加熱し、時々熱湯を補充する。

5.この作業を約60分行った後、食塩水を入れる。この時点から溶液は上下に分離する(塩析)。

6.上が石けん、下に残っているものは廃液なので捨てる。

7.粉状にするため炭酸ナトリウムを200g入れかき回す。

8.こうして出来た液を乾燥させる。


※78%編集室では、ちょっぴり多忙のため、まだこの掛工秘伝の天ぷら石けんは試作しておりませんが、今までの試作結果により、ほぼ完成間違いなしと判断いたしましたので、ここに発表しました。但し、制作途中、加熱時間が長いということですので、十分注意して行ってください。また、完成しましたら是非編集室まで子一報を!なお、これらに使用する薬品を薬局で購入する場合、印鑑が必要ですので、その用途を明確に伝えてご購入ください。