掛川生まれのロボット完成! 
Vol.18 1981.9号掲載 
スターウォーズにヒントを得て。

富士技研工業で現在試作段階のこのロボットはあと半年ぐらい先には半完成品で販売される予定とか…。

ラジオコントロールのリモコン操作ひとつで、ロボットの身体が前後左右に動き、手、首、手のひらの開閉も自由自在。それだけではない、FMの受信機器を組み込めば、こちらで喋った言葉がそのままロボットを通して話される。送受信機を積めば、会話もできるロボットに変身する。もう少し(大分かな?)お金をつぎ込んで、マイクロコンピュータを組み込み、プログラムすれば話す言葉も自由自在になるという。

但し、富士技研工業で売り出すときは半完成品なので、せいぜい身体を動かすことと、手や首、手のひらの開閉ぐらいまでなので、あとは自分で部品を買い足しながら、少しずつ完成させていかなければならない。ボディは強化スチロール製。

しかし、そこには無限の可能性が潜んでいる。今までロボットなんて、自分達にはとても手の届かないものだと信じ込んでいて、たまにテレビで見たり、デパートなんかのイベントで、連れて(?)来たロボットを遠くから眺めているのがせいぜい。それに子どものおもちゃなんだという感覚が強すぎたが、今は見るものではなく、創造するという深〜い意味があるのです。これは子どもではできない。遊び心でもできない、非常に根気の要る製作なのです。

制作者の鈴木徹君は、試作を作るのに一ヶ月半もかかったそうです。その前の設計からの段階では半年近くもかかっています。「器用でなくても根気さえあれば誰にでもできます。本体の塗装なんかも自分で塗ったりすれば、オリジナリティが出ていいんじゃないですか。根本的なものは模型なんかと同じ要領です。」とは鈴木君の弁。

あなたも自分だけのオリジナルのロボットを作ってみませんか。リモコン操作ひとつで、新聞を持ってこさせたり、料理を作らせたりと、夢は無限に広がっていくのです。街中にロボットが歩く姿が見られるのももう間近か…。

               (文:やなせかずこ イラスト:こまいやすこ)