LOOK 鈴木 徹
Vol.62 1985.5号掲載 
突然ではありますが、掛川出身の鈴木徹君が、EPICソニーから、バンド名・LOOK(ルック)で4月21日にシングルデビューしましたのでご紹介致します。 
今や、チェッカーズに追い越せ、引っ越せの破竹の勢いです。曲名は「シャイニン・オン君が哀しい」。みなさんレコード買ってやってください。先日のひょうたん島のライブでは、すっかり垢抜けしていてビックリ。だんだん遠い存在になっていくようで淋しい気もしますが、掛川ファンの要望に応えてぜひ頑張ってほしいものです。 
徹君のプロミュージシャンになることに対する執念は凄いものでした。アマチュア時代から東京のライブハウスや静岡のSBSラジオに出演しながら下積み生活を送り、今ようやく花が咲いたのです。25の春です。決して早い春ではありませんがね…。いいメンバーとスタッフに恵まれこれからの活動が期待されます。ガンバレ、とおる君!6月21日にはLP「ボーイズ・ビィ・ドリーミング」も発売されます。以下は鈴木徹君とのインタビュー模様。(文:やなせかずこ)

左から、チープ広石、鈴木徹、山本はるきち、千沢仁 (写真はEPICソニーより提供)
78%◆今はどんな活動をしているんですか?

徹◆テレビやラジオ局へオーディションを受けに行ったり、雑誌の取材が主。音楽雑誌が多いけど、かたい音楽雑誌ではなく、普通の人が読めるやつ。

78%◆4月21日にEPが発売されるんだけど、その感触はどお?

徹◆うれしいことはうれしいんだけど、やっぱりラジオや有線でかかっているのを聞いたときに実感が出てくるんじゃないかなあ。

78%◆昔と比べて、音楽に対する姿勢は変わった?

徹◆今回はわりとスムーズにいったから…。前は自分の音楽にのめり込んでいたね。周りが見えなかった頃の方が「やろうかっ!」っていう意識が強かったね。(ニコニコ)

78%◆今回は本当にスムーズにいったわけ?

徹◆去年の4月20日に東京都内で業界の人を呼んでライブを見せたときから、すぐにレコード会社から話がきちゃって、それからリハーサルをどんどんやってって…。

78%◆だんだんメジャーになってきて、感想は?

徹◆やってる方は音楽を楽しみながらやってて、それで売れればいいなって感じ(ニコニコ)。

78%◆高校生なんかすごく憧れてるんだけど、先輩として一言。

徹◆音楽って趣味でやっている以上は、周りを巻き込まないからいいんだけど、ビジネスとしてやっていくのなら、できるだけ自分を冷静にみて、これはここまでやってもいいけど、これ以上はだめということを、的確に判断できるように養ってった方がいいね。これはやっぱり経験だけどね。ギターがうまいからどうって世界じゃないんだよね。この頃つくづく思うけど…。周りの人間をうまくコントロールしていかないとだめだね。俺なんか25になって、やっとそれがわかってきたんだけど…。

78%◆そういう考えになってきたのはいつ頃から?

徹◆そうだね、前のバンドをやめて、普通の仕事をやってて、その頃からかな。その後に東京に出て、劇団の仕事をやってる時、自分を評価するのは自分では無く、周りの人間だという事を、まず釘をさされた。

78%◆バンドとしてはどういう経緯をたどっているの?

徹◆高校の時がカシミールで、その後ソリッドスライダー、これが結構ながかったんだよね。その後東京のマネーズというバンドに入って…。その後、掛川に戻ってきて模型作ってました。それから劇団の仕事で東京に行って、途中からバンド始めちゃったんです。

78%◆勉強そっちのけで音楽に没頭している高校生も多いけど、そういうのどう思う?

徹◆いいんじゃないの、それは。自分も人のこと言えないしねえ。だって、夜中の2時ぐらいまで、永倉さんちと一緒に「ふうせん」というバンドの練習してて、そのまま朝6時頃学校行ってたんだから…。(ニコニコ)

78%◆最後に今度のデビュー曲はジャンルに分けると何になるの?

徹◆僕も全然わかんないんだよね。今まであったバンドのパターンに似ているけど、違うんだよね。ロックバンドっていう感じでもないし、変に定義づけなくても、聞く方で判断して下さい。

3月23日ライブハウスひょうたん島にて