財団法人交通安産協会っていったい何?その2
Vol.27 1982.6月号掲載 
 「財団法人交通安全協会」について取材してきました。

 交通安全協会というのは、警察だけでは交通取締まりができない(人手が足りない)ということで、警察の指示の元に交通安全や交通事故防止のための業務及び運転免許事務を委託されてやっている財団法人(営利を目的としない法人)の協会です。本来ならば「我々も全部とは言わないが、事務員の給料の半分でも県で負担するべきではないか、と言っているんだけど、なかなか出してもらえない。」とは、交通安全協会掛川支部長のお話。

 安全協会が発足したのは約50年前。当時は車の台数も少なく、警察の本部長が総裁となって、掛川地区では掛川警察所の所長が支部長を務めていた。(会員は30名しかいなかった。)しかし、敗戦後車の台数も増え、免許事務もたいへんになり、交通事故も多くなったので、現在のような形態になった。関東管区交通安全協会連合会というのがあって、その下に静岡県交通安全協会というのがあります。財団法人は県までで、その下の組織として掛川警察所管内の掛川・大東・大須賀町が置かれている。(掛川市は財団法人静岡県交通安全協会掛川地区支部となっている。)さらに、地区別に分会という組織があって、各町村から役員として1名選出される。免許を持っている人はほとんどが交通安全協会の会員となっている。

 ここで問題なのが、本来ならもちろん強制的なものではなく、会員になるならないは本人の自由意志で決定するものである。もちろん、会員にならなくても何ら影響を受けることもありません。しかし、現状では本人の意志を確かめずに、自然に会員に登録されている。免許の更新時のはがき一本で交通安全協会費として600円(3年分)さらに、車輌別会費として、原付50cc以上200円、普通自動車の2000cc以下が300円、それ以上500円、普通貨物300円、大型貨物500円が徴収されている。

 たかが600円と思うかもしれませんが、掛川市全体で車輌会費なども含めれば1,300万円のお金が集められているのです。交通安全、交通事故防止等については人間なら誰もが望んでいます。だからこそ説明をして本人の意志を確認してから入会させるべきだと思います。こういった確認と説明を怠っているから、各地でトラブルが起こっているのだと思います。これらのことを是非実行して欲しいと思います。

 さて、会費の200円(年会費)は、交通施設・宣伝費・印刷物等広報代・講習会費・運転免許証関係・表彰費・広報車諸掛り・職員4人給与・会議費などに割り当てられています。「加入は自由意志であるが、交通安全のためにぜひご協力を」ということです。又、全会員には年一回ひとりひとりに掛川支部報を届けて。活動内容・会費等の決算及び予算報告をしているそうです。尚、200円という会費は全国でも一番少ない金額だそうです。