財団法人交通安産協会っていったい何?
Vol.26 1982.5月号掲載 
 ある上垂木の市民の方から下記の内容で投書が寄せられましたので、今号と次号で「財団法人交通安全協会」について取り上げます。

 直接市役所の行政とは関係ないかもしれないが、疑問に思われることがあったので投書しました。

 先日、私のところに交通安全協会掛川支部(以下、協会とする)から、桜木のある地区の協会会費のうちの車輌会費の集金をたのまれた。何故私がその役をやらなければならないのですかと聞くと、市内各地域ごとに代表者(役員)がいて、その指示により20才以上で運転免許証を持っていて、その地に住んでいる人が、年齢順に上の方から協会車輌会費の集金の役を奉仕的にやらなければならないということである。みんなやってくれているのでぜひやってほしいということだった。その金額は所有車輌によって違い、原付50ccが200円、普通自動車の2000cc以下が300円、それ以上500円、貨物(普通)300円、貨物(大型)500円となっている。

 どうやら、私は協会の会員になっているらしい。(又、現在自動車運転免許証を持っているほとんどの市民も会員であるという)協会の内容もわからないまま集金を私自身が行うとしたら問題だと思い早速資料を協会から取り寄せた。

 するとどうであろうか。その母体なるものは財団法人全日本交通安全協会ということがその内容からくみ取れる。当然警察庁の許可を得てあるものだが、それではなぜ財団法人が一般市民に会費を徴収させるのであろうか。会員だからということであろうが、それでは、いったい何時会員になったのであろうか。これも調べてみると免許をうけたときや、更新のときに自動的に会費を払って会員になっているということだ。その時には運転者会費ということで600円が徴収されている。しかも3年分(1年分は200円)先取りである。だから私は会員なのだそうだ。

 交通安全、交通事故防止等、人間ならだれでも望むところである。が(車社会になった背景は別として)そのような公益目的で協会がつくられたのなら、当然、本人の加入意志を確認して会員にすべきであるし、さらにどのような財団法人であるかの説明が文章及び言葉でなされるべきである。それが半ば強制的な感じで、あるいは知らないうちに会員にされてしまうのはどうなのであろうか。事実、自動車運転免許証の更新時における申請の時に必要なものとして、免許証交付手数料の他に安全協会会費(運転者会費)が600円加算されている。その協会会費を納めないと免許証が交付されないような感じすら見受けられる。

 道路交通法における免許証に関する手数料の項目には、安全協会費の項目は一行もない。本来は、警察庁の交通局が行うべきものを代行している協会に対して。会費の納入義務があるのだろうか。またその後も会員会費(車輌会費)として一般市民にまで徴収役を代行させる財団法人とはいったい何なのであろうか。(上垂木一住民)