テンプラ油の廃油処理問題について
Vol.25 1982.4月号掲載 
 ある飲食店経営者の方から「天ぷら油など使用済みの廃油を処理したいのですが、大量にある場合、下水へそのまま流すのも気が引けるし、パイプも詰まるということを聞いています。何か良い方法はないものでしょうか。」との質問が寄せられましたので、今回は天ぷら油の廃油処理について取り上げます。

78%の調査結果
 先日、掛川消費者協会のアンケート調査が行われ、その結果、一般家庭での廃油(食用油)の処理方法は、新聞紙やぼろ布などに染みこませてゴミと一緒に出したり、そのまま炒め物などで使い切ったり、土に埋めたりという答えがほとんどでした。しかし、下水に流すというのも16.3%あったということです。

 天ぷら油のほとんどは植物性ですので、少量ならば下水に流しても川や海の浄化作用で分解されますが、それでも、排水パイプに付着し、さらに洗剤との反応でだんだん固形化しそのうちパイプが詰まってしまいます。これを防ぐには、油を流した後に大量の水を使用すればパイプの詰まりは少なくなるそうですが、かなり無駄なことになるので勧められません。又、実際には多くの家庭で油を流せば、自然浄化にも限界が有り、ましてや川底や護岸がコンクリートで固められてしまっている川に流出すれば、自然浄化が行われる術も無くそのまま海へ流出してしまうので、少なからず自然界への影響も出てきます。

 隣の金谷町では、一般家庭に「できるだけ土に埋めるように」行政指導しているようですが、掛川市ではそういう指導は行われていません。ところで、廃油を必要としている業者がいることをご存じでしょうか。食用品の廃油は再利用出来ます。業者は、廃油に含まれている不純物を、濾過や遠心分離装置で除去し、色素や臭いは活性炭などにより吸着させ、それを分解して他の用途に使用できるようにするそうです。

 このようにして再利用できるのなら、わざわざ捨てることはありません。大量に使う飲食店はもちろん、一般家庭でも町内で集めて業者に出すのが良い方法と思います。業者は一斗缶3個以上(54リットル以上)まとまれば買い上げに来てくれます。


廃油業者:黒木油脂(東京都江戸川区/03-672-9505) 新栄商店(磐田市/05383-5-7866)以上の2社は、現在掛川にも来ているので連絡すれば回収に来るそうです