ろうあ者から掛川市への要望事項の回答
Vol.21 1981.12月号掲載 
 先月20号では、ろうあ者問題を取り上げました。今月号ではその経過を報告致します。市側から出された回答は次のようなものです。(当78%編集部に提出された回答書をわかりやすく要約しました。)

要望事項回答
一. ろうあ者が、いつでも手話通訳を受けられるように、福祉事務所に専任手話通訳者を採用して下さい。

 手話通訳の申し込みが広域にわたってきていることなどから、小笠郡下の各町とも連絡を取り合い、協議していく考えです。

二. ろうあ者の集会場を確保して下さい、

 昭和57年度に完成を予定している生涯学習センターは、生涯学習運動の拠点施設として整備するもので、各種団体・サークル・個人のたまり場・出会いの場・ふれあいの場にしようと考えています。この施設には12〜15の部屋が配置される予定で、現在この管理・運営・利用計画の検討を市民の皆様にお願いして居ますが、これらの部屋が上手に活用できればご要望の一端が解決できるものと思います。

三.ろうあ者の実情に合わせた日常生活用具の支給補助をお願いします。

 給付基準を超えた市の単独補助は今のところ実施しておりませんが、不充分な点を具体的に示していただければ、今後も検討させていただきます。

四.手話通訳者の研修費の補助について

 ろうあ者に対する理解と手話技術の向上を図るため手話通訳者研修費として、市で少しでも手助けすべく予算化を検討致します。



 以上が市からの回答です。(二)以外は回答内容が不充分のため、再度に渡って福祉課の方と会見致しました。取材していて、質問すれば「検討致します」「出来る限り良い方向に向かうよう努力致します」と、当たり障りのない答えばかりが返ってきます。聞いている方はシラけるばかり。もっと自信を持って、納得して帰れるような返事が欲しかった。と言うのが本音です。市職員の人たちには、「もっと強くなって欲しい。」そして市民の皆さんには「揚げ足ばかりとるのではなく、市職員がもしも本当に真剣に考えて意見を述べているのなら、寛大な心と。理解しようとする努力をして欲しい。」と言いたい。
 市職員が少し何かを言うと集中攻撃するため、市側も構えているような節があって、なかなか本心を出してくれない。今回の場合のように要望書を出しても、目を通しただけで後は知らんぷり、という事実もままあるのでしかたがないのかもしれないが、とにかく本心を出してくれないことには前に進まない。
 議会に出してくれたのか、それとも出していないのか。要望書に対する検討をどういう形で進めているのか、すべてわからない。「こちらにも事情があるので表面化できない。」と言う言葉で片付けられてしまうのもどうかとおもう。
 用具については、ろうあ者よりはっきりした個数と単価を調べて再度申請し、それによって可能かどうかを検討していただくことになりました。専任通訳者の件と手話通訳者の研修費補助については、1月に報告していただくと言うことになりました。結果が出次第発表していくつもりです。