掛川市青年団友の会
 その1
Vol.50 1984.5
みなさん、こんにちは!
あなたは「静岡県青年の船」を知っていますか?多分、名前は聞いたことがあるけど、その中身っていうと知らないっていう人がほとんどじゃないかな?
と、いうことで今月から3回程、78%の誌上を借りて「青年の船」に参加した我々の体験誌などを紹介したいと思います。
「青年の船」は、これまでにのべ16回程出航しています。
その目的として、『この事業は意欲的な青年を「青年の船」という集団活動に参画させることにより…(中略)…次代を担うに十分な情熱と見識をもった地域職域でリーダーとして活躍できる青年を養成していく。』を掲げ、県内の18才から30才までの青年を対象にして、毎年行われています。

掛川でも毎年何人かの若者(友達)が、この船に乗船していろいろなところで、リーダーとして活躍しています。まァ船ということですから、その目的地も中国、香港等と身近な国において、現地研修もありますが、あくまでも洋上での船の中の研修を主にしています。もちろん、スケジュールもびっしりあって、時間に追われ、船酔いに悩まされ、このまま身体がもつのか心配になり、ホームシックにかかることも、しばしばありました。

船の中の生活は、陸の上とちがった、何かと不便な部分が多いわけですが、生活に最低必要なものはそろっているし(食堂、寝室、浴室、御手洗い)、困ることはありません。ただし、テレビとか雑誌とかが無いので、船の中で楽しく生活していくには、他人とのつきあいをうまくやっていく事が、必要になってきます。

とにかく、まわりを見ても海ばかり、一つの独立した生活空間なのです。その中に、共に生活をしている仲間が四百名近くいるのですから、友達が出来ないわけがありません。ある程度、普段の生活とは異なって、周りの大人(自分達も大人なんだけど、ここでは会社の上司とか、両親とか、若者という表現があてはまらない人)に干渉される事なく生活できるのです。

次回からは、その生活空間を体験したきた僕達の仲間(友達)から、その体験談などで紹介していきたいと思います。
 その2
Vol.51 1984.6
先月に引き続き、今回は「青年の船」に乗った人達の感想(とは、言えないかも知れないけど)を中心に、筆を進めていきたいと思います。掛川で、今回(第16回)の船に乗った人は16名(うち3名は船の役員)で、平均年齢が23才と、大変若い人(?)ばかりでした。また、職業も、農業をやっている人から学校の先生などと、さまざまです。

ではそのさまざまな職業の中から、現在、市内の幼稚園に勤めている中山聡子さん(23才)の感想から…。
この第16回青年の船に乗って、未だに、あの海の輝きと楽しかった船の思い出が忘れられずに、感激しています。11泊12日で、船の中での研修が9日間、現地研修が3日間という日程で、進められました。

船の中での生活は、一つ一つが貴重な体験で、1日がとっても楽しいのです。なんといっても、何ものにも変えられない船での友達が、たくさん出来た事が、本当に幸せな事だと思っています。船の仲間達と船の中で励まし合ったりと、私自身とても勇気づけられました。それと同時に、「生きているんだなー」という実感が、ひしひしと感じられました。

現地研修では、中国の広州、そして香港に行ったのですが、広州では、戦後の日本という感じでした。中国人の女の人は、お化粧はしないのですが、とても生き生きとした目をしていたのが、印象的でした。バスガイドの方に、歩きながら中国語、つまり単語を教えてもらったり、レセプションでは食事をしながら交流会をやって盛り上がり、とても楽しかったです。

今回の船の船長さんは、とてもおもしろくていい方で、講師の先生方にもいろいろと教えられて、人生のいい勉強になりました。この船に乗って心から良かったと思っています。
また、西崎浩士君(23才)は今年でもう24才。青春の思い出に、この船に参加しました…。

今思えば、もう遠く過ぎてしまったあの12日間。でも、今でもこの心の中に鮮明に浮かび上がってきます。苦しかった船酔い、つらかった研修、そして、友人と夢を語り合った夜々、その中で本当の人間の姿を見たような気がします。

やはり、この青年の船というものは、若さと若さのぶつかりあいがあるからこそ、活きているのでと思います。

話はかわって、もっとこの船の良い所、それはやはり、船を降りてからのつき合いではないでしょうか。今でも、この掛川の人達の集まり、また班、ブロックでの集まり。これらは、これから生きていく自分の人生のなかでも、とても大切な人達となっていきます。そして、自分にとっての宝である。と確信しています。
 その3
Vol.52 1984.7
今回で、私達のこのページも最後となりました。今まで読んでいただいて、どの様な事を感じたのでしょうか。船に乗りたいという気持ちはおこらなくとも、どんなものか知りたいという気持ちを少しでも抱いてもらえたら幸いです。

実際、船の良さを文で伝えようとしても、それは限られた範囲のものでしかないし、また体験してみないとわからないものがたくさんあり、難しい事なのです。また、一人一人の考え方が違うように、船に乗って得られるものも一人一人違ってくるものだし…、つまりは、今までこのページで2回書いてきた事は私達の体験してきたものであって、これから(今年、17回目の青年の船が出るわけですが)の船で同じような体験をするとは限りません。

しかし、共通したものもあります。それは、自分自身を今一度見つめ直す事が出来る事と、これからの自分の将来における友人が出来る事です。さて、今まで書いてきた事が今のあなたにとって必要なものでしょうか?もし、そうであるとしたら、まず行動をしましょう。青年の船に乗るにはどうしたらいいか、それを知る事から始めましょう。

と、いうような事で、第17回青年の船について詳しい事がわかりましたので、お知らせしたいと思います。
               ◇第17回静岡県青年の船◇

1.概要
(1)日程 昭和59年12月27日(木)〜昭和60年1月7日(日)
(2)渡航地 中華人民共和国(杭州)
(3)使用船 新さくら丸(商船三井客船一万六千トン)
2.応募資格
(1)年齢 昭和59年4月1日現在、18才以上30才未満の者
(2)(3)略
(4)原則として全日程参加出来る者
3.募集人員
 四百五十名
4.経費
(1)参加費 十七万円
(2)現地研修費 四万円
(3)その他 海外旅行保険、手続費等約一万円(パスポート代は含まず)
5.募集期間
昭和59年6月1日〜昭和59年7月31日
◆申込み問い合わせ先
掛川学習センター内 教育委員会 社会教育課

君も、青年の船に参加して、多くの若者と出逢いの輪を広げてみようヨ。