No.70~No.78
編集雑記
◆あけちゃっておめでとさんです。去年から探している私のいいもの。ビビッとくるものは見つかったんだけど、ウヒャッとするもの、ギザギザするもの、ツクツクなもの…まだ見つかってないの。今年はそれを探そうと思ってます。色にたとえればモノトーンより原色で…。(ちゃあき)

◆私は一昨年から実行している「冷水かぶり」を今年もめげずに実行していこうと思う。私の場合、桶でザブッと一気にかけるのではなく、シャワーでザーザーかける。(この方法はあまりやらない方がいい)水は切れるように冷たいけれど、一度かけてしまえば身体がポカポカしてくる。これ、私のゼンソクとカゼ退治の健康法。(かずこ)

◆中曽根首相が了承していた国家機密法が一応廃案になった。しかしいつまた提案されるかわかったもんじゃない。そういう体質を、独占資本にとりまかれた自民党はいつも保有している。米国資本が不況だからその負担を日本へ。政府は国民へ押しつける。そのパターンが続くうちはまだいいが、その次が問題だ。右と出るか左と出るか。(あきら)
No.70
1986年1月1日発行
発行部数:3,000部 定価200円
発行:レターハウス
編集人:永倉章
発行人:やなせかずこ
スタッフ:松浦寿子

表紙写真:奉納まとい振り」龍尾神社
(撮影:鈴木仁士様/葛川)

編集雑記
◆このところ夜になると、猫の泣き声がやけにリアルに聞こえてくる。決定的におかしいと思ったのは3日目の夜。犯猫は美しい!…シャム猫だった。勝手に部屋に侵入したのは向こうだけど、監禁状態にしたのは私だから被害猫?!知らなかったとはいえ、3日も空腹状態!何か食わせてやるからナ。(ちゃあき)

◆ハレー彗星が76年振りに地球に接近しているというので、去年からやたらと空を見上げるクセがついてしまった。星座の本で調べてもどの位置にいるのかさっぱりわからない。でも、ついに今年発見。自宅のベランダに双眼鏡を据え付けて、探す事10分。しかしあまり感動はわかない。空全体の星の輝きを見ている方がいい。(かずこ)

◆人生の岐路に立つ人が身のまわりに多くなってきた。別離、結婚、転職、旅立ち、希望に燃える人、結婚する人、悩む人…。時は多くのストーリーを与えてくれる。そして白いページに、けっして他の色では染まらないまっ黒なインクで、その中の一つのストーリーを選んだ自分のことを書いてくれる。いまも時は確実に動いている。(あきら)
No.71
1986年2月1日発行
発行部数:3,000部 定価200円
発行:レターハウス
編集人:永倉章
発行人:やなせかずこ
スタッフ:松浦寿子

表紙写真:「時のながれ」仁藤(笠屋町)(撮影:78%編集室)

編集雑記
◆“パルボ”犬の命を狙う恐ろしい伝染病…。愛犬桃子もこれに幼い命を奪われた。死ぬ間際、私の腕の中にいた…そしてピクッと身体を躍らせ、動かなくなった。私は桃子を抱いたまま茫然自失…。そして桃子の身体が硬直しはじめた時、はじめて死を意識した。(ちゃあき)

◆いつもジーンズ姿で勇ましく動き回っている私。夏はTシャツ、春秋はトレーナーを腕まくりして、力仕事もなんのその。年に数回は気が向くとスカートをはくが、たまにはくからよく目立つ。必ず「珍しい」という声がかかる。今日も何ヶ月ぶりかのスカート姿。ところが足がすーすーして、今年はカゼをひかないと自負していたのにくしゃみは出るやら、鼻水は出るわで、もうやめた!(かずこ)

◆機械化とは恐ろしい物だ。百坪もない(小さな)畑を(大きな)トラクターが耕している。あの重量が土に乗れば踏み固めていると言った方がよい。生態系を無視した人間は悲劇的だ。速く、合理的に、大量に…。この仕組みに取り憑かれたら最後、計画性の無い日本の社会では、自然との共存さえ不健全になっても気が付かない。(あきら)
No.72
1986年3月1日発行
発行部数:3,000部 定価200円
発行:レターハウス
編集人:永倉章
発行人:やなせかずこ
スタッフ:松浦寿子

表紙写真:「二俣線慕情」
(撮影:盛岡友治様/浜松市北寺島町)

編集雑記
◆生活改善、気分一掃と思い、身の回りの整理整頓を始め、戸棚の中をのぞけば、高校時代の教科書やらTEST、10年前の雑誌…。よし!この際一気に捨ててしまおう。渡辺美里のマイ・レボリューションを聞いていると、やたらファイトが出て来てしまうなあ。(ちゃあき)

◆あっちを見てもこっちを見ても、鼻をズーズー鳴らす人、くしゃみ、咳をする人ばかり。かく言う編集室も全員がくしゃみ、鼻水、咳、熱に悩まされ全く大変な月である。鼻炎なのかカゼなのかもわからない。おかげで私など精神が散漫になって、タウン誌の作業がちっとも進まない。13日になってようやく重い腰を上げて、急ピッチの作業。疲れるぅ!(かずこ)

◆玄米と同じ栄養素が入った強化米が出回っている。内容を見たると合成ビタミン添加。合成ビタミンは栄養強化の目的のためではない。発色剤、溶解剤、酸化防止剤として多くの食品に使われて居るもので、その有害性も知られている。その上、厚生省も許可している。とにかく企業、政府宣伝には騙されないように。買わされたら返品。(あきら)
No.73
1986年4月1日発行
発行部数:3,000部 定価200円
発行:レターハウス 編集人:永倉章
発行人:やなせかずこ
スタッフ:松浦寿子

表紙写真:「花まつり」
(撮影:鈴木仁士様/葛川)

編集雑記
◆事務所のトイレの窓から見える“つた”。秋冬を経ていっせいに枯れてしまった。トイレに入る度に眺めていた私はガッカリ。ところが春になって、みごとに息を吹き返し、今ではやんわりと葉が息づいている。春の息吹を感じずにはいられない。(ちゃあき)

◆岡田有希子という一人のタレントの死後、若者の飛び降り自殺が相次いでいる。後追い自殺者も出たりして、いったい全体どうなっちゃているんだ。勉強勉強で一番大切な「命の大切さ」を教えられなかった可哀想な子ども達よ。後に残された両親の悲しみも知って欲しい。(かずこ)

◆もうすぐメーデーだ。今年も世界、日本各地で集会やデモにより労働者の意気込みを提示してくれることだと思う。この頃の組合活動の多くを見ていると、資本家から少しでも多く分け前をもらう位の感じしか受けないのだが…。賃上闘争なら労使交渉で妥協点は必ずあるし、資本の側にとってみれば、次の手で賃上げ分位の元は取れる。この繰り返しをいつまでもやっていても結果は同じ。資本は肥え、労働者は地に落ちる。(あきら)
No.74
1986年5月1日発行
発行部数:3,000部 定価200円
発行:レターハウス 編集人:永倉章
発行人:やなせかずこ
スタッフ:松浦寿子

表紙写真:「手作りこいのぼり」
(撮影:鈴木仁士様/葛川)

編集雑記
◆与えれるよりも与える方が好き、喜びを表現するのがヘタだから。何につけ人に何かをしてもらうのはニガ手です。でも与えるてことが自己満足に過ぎない、しいてはそれがナルシストにつながるものだとすると…。ムムッムズカシクテ…頭の中がニタッちゃう。(ちゃあき)

◆浜岡で行われたハンガリー合唱団の公演を、取材のついでに最後の方を少し聴かせてもらった。残念だったのは小さい子どもがいっぱいいて、落ち着いて聴けなかったことだ。(かずこ)

◆栃木県高根沢町の町長選で、民主選挙はどこ吹く風とばかりに、対立候補への事前買収が行われ、新町長や県知事秘書、農協理事や町議長らが逮捕された。日本の伝統的な裏工作、根回しの典型的なものだ。そのときに町長は「私は金いじりが大嫌いだ。だれにも頼んだ(買収を)ことはない。神様に誓って言える」と関わりを否定。ここで仏様とかイエスとかは出てこない。三波春夫なら神様イコールお客様、この町長の場合、神様イコール町の人たちというわけではあるまい。(あきら)
No.75
1986年6月1日発行
発行部数:3,000部 定価200円
発行:レターハウス 編集人:永倉章
発行人:やなせかずこ
スタッフ:松浦寿子

表紙写真:「二俣線掛川駅」
(撮影:78%編集室)

編集雑記
◆○○シャンプー&リンスの試供品がポストに…。「これはテレビCMの○○だあ。よし、せっかくだから使ってみよう!」「んっなかなかの荒いごこち、今度からこれにしようかなあ…」というわけで、メーカーの商法の思惑にしっかりはめられてしまった。恐ろしいことに私だけではなかった!(ちゃあき)

◆78%が78号で終了することは、目標に一歩一歩近づいているわけで、ホットしたと同時に、一抹の淋しさも味わっている毎日です。この6年半は、毎月毎月原稿に追われ通しで息つく暇もありませんでした。途中で、何度投げ出したいと思ったか…。でも目標通りに78号で終われることは、この上なくハッピーな気分です。(かずこ)

◆「アブネェーゾ!」という言葉が聞こえてきたので見てみると、女子高生の団体が2人乗り自転車の小学生に注意していた。そのうち「フザケンジャネーヨ!」「何だ、コノヤロー、ちょっとこっちへ来い!」と強者言葉。ずっと先に行ってしまった小学生も負けずに「バーカァ、ここまでおいで!」(あきら)
No.76
1986年7月1日発行
発行部数:3,000部 定価200円
発行:レターハウス 編集人:永倉章
発行人:やなせかずこ
スタッフ:松浦寿子

表紙写真:「ハンガリー合唱団」
浜岡町民会館(撮影:78%編集室)

編集雑記
◆6年半って短いようだけどなかなか感動的な年月になる…。総目次を活字にすると、12ページになっちゃうし、78%と同時に産声を上げた赤ちゃんは小学生に、28才の編集長は34才だし、夏が6回、冬が6回…近頃よくお便りをくれる11才の杉本浩二君は5才だったことになる…。なかなかの重みだよねぇ。そして又6年半たったらどうなるかな…。浩二君はロックバンドをつくって、ひょうたん島でライブをやってるかしら…。そうしたらお姉さんは、真っ先に飛んで行って聞いちゃうよ。ひょうたん島も漂流しないで掛川の地にしっかり根を張ってほしいし…。あ〜あ、たいへん、たいへん6年半…。(ちゃあき)

◆最近、活字中毒にかかっていて、時間があると自然に本に手が伸びている。実は仕事中も、時々隠れて読んでいたりして、いけませんねえ。いよいよ読む物がなくなると、パンフレットやカタログにまで手が伸びる。寝る前にも必ず読むくせがついていて、いくら遅くなってもたとえ1ページでも目を通すのが日課になっている。自分で異常じゃないかと思うんだけど、上には上がいるもんで、Fさんは結婚当初、洗濯する間も惜しくて、姑の目を盗んでは、いろいろと悪知恵を働かせたようです。2階からロープで洗濯物を降ろすと、下でご主人が待っていて、それを奥さんの実家にせっせと運んでくれた(洗濯した)という話を聞いて、ホッと胸をなでおろした。実際、自分で書いているよりも、人が書いた物を読む方がずっと楽で楽しい。(かずこ)

◆今回の78%総目次は創刊号から先月号までのまつめとして、読者の方々がいつか利用する日が来るものと思い企画しました。78%は読者参加を中心としスタートしましたが、今回この総目次には、肝心のスナップや特集協力者の氏名を掲載出来なかったことを残念に思っています。一応リストは作ったのですが、なにせざっと数えただけでも千名以上にのぼり、ページ数と照らし合わせても物理的に不可能となってしまいました。こんなに多くの人たちが協力してくれたのだと改めて感謝いたしております。でもあと1号あります。やはり、78%を作ってくれた人たちなので、全員とは言いませんが、その一部の方々の思い出のスナップ写真を一枚でも多く掲載する予定です。(あきら)
No.77
1986年8月1日発行
発行部数:3,000部 定価200円
発行:レターハウス 編集人:永倉章
発行人:やなせかずこ
スタッフ:松浦寿子

表紙:「削られた人生」
(イラスト:78%編集室)

編集雑記
◆締め切り日が一日繰り上がったおかげで「78%…78号…これがさいごのぉ…」と感傷に浸る間もなく一日が過ぎた。ラストシーンなんて意外とこんなもんかもしれない。だから人生おもしろかったりするわけだ…。そんなことより「編集長、和子さん本当におつかれさまぁ」と言いたい。新たな目標に向かって突き進んでいくお二人のパワーにいつまでも刺激を感じていたい…。そして、そのパワーを私のエネルギーにし、私は私なりに歩いて行こうと思う。ねェ、そこで頬杖をついているあなた、ため息をついている君、夕日にバカヤローと叫んでいるあなた、あなたもあなたも、君も君も、何かを探しに、何かを求めて…私たちも旅立とうじゃないの。(ちゃあき)

◆私達にとって78%をやめることは、敗退ではなく一歩前進することなのです。苦しみに耐えてなにがなんでもやり通す人生も大切だけれど、あっけらかんとやりたいことをやって人生を送るのも、ひとつの生き方だと思います。自分の考えをほんの少し変えるだけで、全く違った生き方ができるんだという事を、しみじみ感じているこの頃です。「78%をやめないで…」という声やお便りをたくさんいただきました。(ありがとうございました。)でも、山口百恵さんではないけど、惜しまれながらやめたいという気持ちも心の片隅にはあります。その方が、いつまでも読者の中で生き続けてもらえるのではないかと、虫のいいこと考えているんだけど甘いかな。いつかまた復活と言うこともあるかもしれないし、ないかもしれない。先のことは誰にもわからないけれど、取りあえず、78%はさようならです。(かずこ)

◆掛川生まれでもない2人が、タウン誌のタの字も知らず、スタートしたのが6年半前。当時も今も掛川の文化状況はほとんど変わらない反面、やたらと金の掛かる文化や金儲けの消費文化事業はどんどん進行している。土地固有のくらしはどこへやら、トーキョーナイズが最高とばかりに情報だけはトーキョー並。しかし、街には消化不良になった人々があふれ、街も無機質化していく。これが現在の掛川。こんな街だからこそ、この次の78%を出すのはあなたの番なのです。言いたいことが言えて行動できる、78%を超えるタウン誌を作って下さい。そう、この最終号があなたの創刊号なのです。(あきら)
No.78(最終号)
1986年9月5日発行
発行部数:3,000部 定価200円
発行:レターハウス 
編集人:永倉章
発行人:やなせかずこ
スタッフ:松浦寿子