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市政雑感ーなぜ掛川には体育館がないんだーを読んで
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Vol.29 1982.8月号掲載
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戸塚健司
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| 先月号に掲載されていた、バスケットボールチームKBBCの皆さんの「なぜ掛川には体育館がないんだぁ！東遠地区でも体育館がないのは掛川だけ。とにかく掛川は施設が何もない…」を読ましていただいて、市政にたずさわる者として、こうした若い方の要望に応えていけない現実に済まないなぁと言う気持ちを抱き乍ら、こうした体育施設、文化施設が何故掛川がおくれているのだろうか？という点について言い訳がましくなりますが、私の常日頃感じている点を記してみます。 丁度、隣近所と比べて、歴史とか、格式とかはあっても、大きな家屋敷は古くなり、中に住む家族は、所得源の少ない少人数で、雨漏りの屋根も、伸び放題の生け垣も、思うように修理できないで、なまじ広い屋敷故に手が隅々まで届かないでいる旧家がさみしい財布をやりくりして、それでも一生懸命、居間や、玄関口を改築し子供の勉強部屋も、なんとか手直しはできたものの、客間の畳はぼろぼろで、その中のピアノもこわれたまま、庭や池の噴水も直したいのだが、それよりもまず枯れた井戸では生活用水にも事欠くので、したくない借金もして、やっと水道を引いた。屋敷の前の道も、部落の人たちが共同して格巾し舗装をし車が出入りし良くすると言う。その負担金もださなくてはならないし、そのままにしておけば時代に遅れそう。将来的なことを考えて、この広い屋敷の有効活用も考えなければならないし、この家の親父、本当に頭が痛い！……掛川市を一軒の家に例えれば、丁度こんな具合になるのではないでしょうか？ 別表のように近隣市町村のデータを記しましたので、是非比較して御覧頂きたいと思います。掛川市の面積は近隣市町村の中で一番大きく、従って中に通じている道路延長は必然的に長くなりますし、広い面積に人家が散在すれば全ての行政効率は悪くなり勝ちです。一番顕著なのは教育施設ですので、この表も記しました。また、掛川市は周囲が山で、従って谷田が多く、ひいては河川が多くなります。川の延長が長くなればこれまた橋の数も増え、この営繕費もかさみます。水道も同様のことが言えると思います。 別表右欄の建設事業％と言うのは、道路とか橋とか或いは学校とか全ての建設事業に使うお金が全予算額に占める割合を表したものですが、掛川市の50.5％は全国640余市の中で上位から、5、6番目です。それだけたくさんの仕事をしているとも言えますが、逆に言えば、それだけ街づくりが遅れているとも言えましょう。 掛川市のもう一つの特徴は、市民の租税負担率が少し低いことです。これは市民の皆さんが悪いわけではなくたくさん市税を負担できる大きな企業が少ない事にもよると考えられます。今後は市民の皆さんの所得の向上をはかる積極的な施策も必要で、そうした事がなければ、とかく足らないと言われる、体育面文化面の施設を充足する為の財源確保も容易ではないと考えます。 掛川市が広い為に、お金が掛かる点を述べましたが、反面、自然残存率の高い広い市の面積は、将来的に考えれば、市にとって貴重な財産でもあるわけで、今後の市政の方向をしっかり、見きわめ、精いっぱい頑張りたいと考えております。 |
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| 別表（1982年度）金額の単位：千円 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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