むかしと今の子供の遊び
Vol.24 1982.3月号掲載
 兼井 勝
 私の子供のころは、どこの家でも子供が多かったので「外で遊びなさい」と親に追い出されて、ありとあらゆる所を遊び場としなければならなかった。川の土手、掛川公園の裏、裁判所、車があまり通らない横道、小川などなど。最近の公園はすっかり変わってしまいコンクリートで作られた人工の場所を押しつけられて、自然のままの木、草や土に接して遊べなくなってしまった様だ。

ドロ合戦、陣取り、カンケリ、土手の竹で作ったスギ玉テッポウ、紙テッポウ、木の又で作ったゴムカンなど折込ナイフ1本で作ったものだ。ペッタン、カッチン玉、クギ打ちなどもよくやった。

 今の子供は遊び道具を作って遊ぶことはあまりない様だ。学校から帰ると宿題は多いし、ピアノやら塾で遊ぶ時間はあまりないのではないか。先日、小学一年生の父親参観へ行って国語の授業を見ましたが、我々の時より内容がむづかしく、これでは家での勉強をしっかりやらなくてはついていけなくなると父母が思ってしまい、教育ママができてしまう。子供達には少々かわいそうである。

私が一年生の頃は家ではあまり勉強しなかった記憶だ。外が暗くなって家に帰ると、もちろんテレビは無いのでラジオの連続ドラマを聞いたものだった。今のアイドル的な存在は無い相撲取りのブロマイドを集めたり、ペッタン、カッチン玉を数多く集めた。自然のままに親しめる遊び場が無くなっていくのが残念である。

 私は男なので女の子の遊びがどんな風に変わったか定かではない。