写真あれこれ
Vol.8 1980.11月号掲載
納富正水(全日本写真連盟掛川支部)
 季節がら運動会、お祭り、七五三と行事が重なり、カメラを手にすることが多くなる。
 最近のカメラは電子化され、これ以上改善することはないといわれる程完成され、シャッターさえ押せばよく映るようになっている。したがって昔のように撮ること自体は、それ程の技術ではなくなった。反面、高価なカメラ程よくうつると思いがちで、不必要なカメラをゴロゴロ持ち歩いている人をよく見かける。(概して高価なカメラは大きくて重い。)記念写真程度のものを撮るのに、その差はない位に今の、日本製の初級カメラもよくうつる。
 カメラ仲間が、二、三人寄ると、レンズの解像度がどうの…ということをよく耳にするが、撮った写真を見ると使う側に問題があることが多いようである。その原因は、先ずカメラぶれがある。次にピントがよく合っていない、光線状態が悪いことの三つ位である。その中で一番多いのがカメラぶれで(皮肉なことに、高価なカメラ程その傾向がつよい)シャッターはできる限り静かに押し、カメラぶれを絶対に起こさないことがシャープな写真をつくるこつである。基本的なことで、単純なことだが守られていないことが非常に多い。

 映画やテレビの画像は、明るくてシャープである。これは人工光線を利用している為で、自然光線が補助光である位である。このことは最近購入したカメラを使っている人はその経験がある筈である。これはストロボを利用した時で、このごろのカメラは、このストロボをほとんど組み込んであり、これを多用するのが良い写真をつくる一番の近道である。(ストロボの光線が、カラーの発色に合い、高速で発光するのでカメラぶれが起きにくい。)日中でも一寸暗いと思ったらストロボを利用し、部屋の中で撮るときは絶対に使用すべきである。
 無理して高価なカメラを求めず(旅先でカメラ一つの大きさ、重さがひどく負担になることが多い)自分の目的に合ったカメラを使っていただきたい。こう書くとカメラやさんに叱られそうだが、その分だけフィルムを使いたいものである。

 写真の対象として子供が多いが、成長の記録をするのは子に対する義務だと思う。特に母親は子供と一緒に居る機会が多いことから、この頃では日付も写し込めるカメラもあるので、我が子が可愛い仕草をした時など、すかさずカメラを持ち出す位であってほしい。