掛川タウン誌
78%KAKEGAWAの発行人のやなせかずこが取材や仕事を通じて思うがままに書き綴った日記。
1983年 Vol.40
1983年5月26日

今日は私のウン才の誕生日である。年を正確に発表できないのが残念。それにしても、年だけは毎年確実に取っていく。これは私だけでなく、全宇宙の生物はすべて同じ経過を辿っていくのだからしょうがない。山口百恵だって松田聖子だって、マッチだってトシちゃんだって、み〜んな同じ。人のことを「オバン、オバン」と言えるときが花。せいぜい言って下さい。
さて、今日は正午に秋田県沖でマグニチュード7.7の大地震が襲った。ちょうどタウン誌の配布の時だった。スポンサーの所で聞いてびっくり!合川南小学校の児童45人と引率の先生ら4人が津波にのまれたという。そして、12名が行方不明になった。今年は地震がやたらと多い。富士山の爆破説も流れ、不安でいっぱいだ。7〜8年前に御前崎沖で地震が起こると誠しやかに噂が流れたことがある。私なんか、衣料品や食料品や鍋釜に至までを茶箱に詰め込んで車の中に入れて走っていた。皆に笑われながらも、挫けずに季節ごとに中身の入れ替えをし、お腹には10万円を入れた財布を縫い込んだヒモをくくりつけ、肌身離さず持っていた。ところが、一年経っても二年経っても地震はやって来なかった。ついにお金も使い込んでしまって止めてしまった。
天災は忘れた頃にやって来る。危ないといわれている所にはこないで、まさかと思うような所でまさかと思うような出来事が今回も秋田で起こった。用心することに超したことはないが、天災だけはどうにもならない。たとえば、大水に備えて家を建てたら地震に弱かったとか、地震は屋根が軽い方が安全だと思っていたら強風で屋根が飛んじゃったとか…。どうあがいても自然には勝てないのかなあ。昨年は掛川も大水で大変だった。2年間は同じ様な天候が続くと言われている。大水の場合はまだ予測が立ちやすいので、危ないと思ったらすぐ避難することだ。

1983年6月5日

連雀通りを歩いていたら、反対側を歩いていた女の人が、急にスッテンコロリン。転んだ本人は一瞬キョトンとしていた。その後すぐ恥ずかしそうに立ち上がって走り去って行ったけど、また転ばなければいいけど…。時々あるんですよね。ツーンとすまして歩いている時に…。

1983年6月10日

朝、仕事の帰りに自宅の前で新聞配達のおじさんとバッタリ。「今日は早いじゃん」と言われてしまった。おじさんは78%の年間購読の読者でもあるんです。来年、期限が切れたらまたお願いしま〜す。

1983年6月15日

今、政府は大型間接税の「EC型付加価値税」という増税の準備を進めている。わかりやすく言うと、私たちが買う物全ての商品に税金がかかってくると言うことです。今でも、たばこやお酒については間接的に税金をとられていたわけですが、今度の政策が実施されると、電化製品から、ジュースやコーラに至まで、すべての商品に税金がついてくるのだそうです。洋服を買えば洋服に、食料品を買えば食料品に、家賃を払っていれば家賃に…。日常生活の全ての分野で税金が取られるっていうんだから、ますます購買意欲は減退する。そうなれば消費者はもちろん、中小企業や商店も、ますます厳しい状況に追いやられそうだ。その税金が何に使われるのか?政治家なんていうのは、選挙の時だけ「市民(国民)が豊かな生活が送れるように…」とか言葉巧みに誘いかける。その実、本当に私たちのことを考えている政治家が何人いるだろう。名誉をあげるためだけに血眼になっているみたいだ。
1983年 Vol.41
1983年6月24日

先日、ある酒屋さんの自動販売機の前で、ジュースを買った30才前後の男性は、一歩離れるごとに後ろを振り返り歩いていた。自動販売機が当たり外れのある機械だったので、気になったんですね。当たったらすぐ引き返すつもりだったのでしょう。それなら最初から機械の前で結果を見ればいいのにと思うんだけど、なんとなく「当たるはずないや」という気持ちと立ち止まって待っているのもバカみたいだし、という気持ちがあるのです。わかるような気がします。私なんかも買った後、すぐに車に乗っちゃいます。そいでもって車の中からじ〜っと見ているんです。一応は期待しているんですね。でも、まだ一度も当たったことありません。

198年7月5日

5月号のこのページで、お便りいっぱいほしいと書いたら。途端にいっぱいくるようになりました。お茶が終わったからでしょうか?これからもいっぱいください。期待しています。

1983年7月9日

今年もまだ、本当の暑さはやってきません。夏の気分に浸れないんですよね。雨でじとじとしていて気分が悪い。早くカラッと晴れた夏らしい夏が来てくれないかなって思います。ところで、生涯学習センターもオープンしたばかりだと言うのに、もう不満を買っています。ドームの下が暑くてたまらないそうです。当然ですよね、天井がガラスで窓がないんですから…。温室同然です。冬は天井が高いから意外に寒いんじゃないでしょうか。これは冬になってみなければわからないことだけど。とにかく、専門家の設計にしてはお粗末でした。それとも予算が10億円もオーバーしたためにケチッたのかな?それにしても、利用価値が低くなったのでは、もっと公費のムダ。何とかしてもらいたいものですね。

1983年7月15日

新幹線もいよいよ本決まりとなりそうな気配です。私自身はっきり言って反対です。今はその時期ではないと思うからです。それよりも掛川市の財政を立て直す方が先決だと思います。ますます市民の負担は重くなるばかり。税金はますます高くなり、地価はうなぎ登り。聞くところによれば、城西でさえ坪30万円もすると言う。決定する前からこれでは先が思いやられる。結局、新しく家を建てる人達は、遠くへ遠くへと追いやられ、日常生活が不便になるだけ。人口が増えることを期待しているようだけど、果たしてこんなに地価が上がった土地にやってくるだろうか?まあ、大勢の人が賛成して決まったことを、私一人がどうのこうの言っても仕方が無いことだけど…。
とにかく、どんなことでも自分で自分の首を絞めないように、住民一人ひとりが慎重に考えていくべきだと思う。金銭的な面だけでなく、掛川市に競馬場が出来るという話があった時にも、街にはヤクザがウロウロしていた。生涯学習センターが出来ただけでも、いろいろなウワサを耳にする。新幹線駅が出来ることによって、静かな街が一変することのないように願いたいものである。
最近の暴力団の資金は、主に覚醒剤だという。浜松では今、本当にこの人が…というような人までが覚醒剤に蝕まれているという。恐ろしいことだ。覚醒剤の追放を叫ぶより、その根元の暴力団を撲滅しなければ、いつまで経ってもその根は絶えない。その辺の所もよ〜く考えたいものですね。
1983年 Vol.42
1983年7月20日

先日、とっても不快な手紙がきましたが、まあ、世の中十人十色でいろんな考え方や思想を持っている人がいて当たり前。雑誌に対する批判もあって当然だと思います。78%も雑誌作りに関しては全くの素人から始めたのだから、批判したいことはいっぱいあると思います。しかし、こういった誤解を受けることは心外です。この誤解を解くためにもあえて書きます。長い文ですので省略させていただきます。「何部発行しているかは知りませんが、単価と装丁等を考えると赤字ではないですか?その補充はどこの団体がしているのですか?」とありましたが、残念ながらどこの団体にも所属しておりません。ひとつの団体に縛られて出すくらいなら出しません。誰でも自由に使える雑誌として出しているのに、それでは全く無意味になるからです。赤字分は印刷物のデザイン・企画等の仕事をしていますので、そちらのほうから補充しています。今後についてもたとえ援助のお話しがあってもはっきりお断り致します。
それと、社会的批判をしていることについても「不要な思想を吹き込むことはやめてほしい」と書いてありました。どこのどなたか存じませんが、誰でも自分の住んでいる街や国がよくなることを望んでいるはずです。戦争を反対することも、税金を有意義に使ってもらいたいのも、みんな自分達の生活手段からきていることです。国民が政治に関心を示すのは当然の事。いろんな主張、意見があっていいはずです。これからもどしどし、社会批判を交えながらいろんなことを考えて行きたいと思っています。

1983年8月10日

それにしても、今年の暑さは異常ですね。夏には強い私も、いささか参りました。体中がだるくて、全然仕事をする気になりません。昨日なんか原稿をまとめようとして、机に向かうと眠くなるんです。参りました。

1983年8月15日

ここ2、3日、連休で旅行に出かけていく人達と、掛川に帰ってくる学生やサラリーマンが入れ替わったのか、街を歩いている顔ぶれが変わったみたい。どの顔もみんな真っ黒に日焼けして、健康的に見えた。先日の不快な手紙の中に「かずこ様、人並にレジャーをしたいのなら78%に関わらなければよいのです。雑記の内容はわがままです」と書いてあったので、「海に行きたい」なんて事も迂闊に言えなくなりましたが、太陽を体一杯浴びる事はいいことだ!
1983年 Vol.43
1983年8月17日

東名高速道路の三ヶ日インターを過ぎたところで、中年のおじさんが自転車で悠々と走っているのです。あまりにも堂々と走っているので、始めは気がつかなかったんだけど、通り過ぎてからハッとしましたね。東名はサイクリングコースじゃないんだぞ!いったいどこから入ったんでしょうかねえ。

1983年8月31日

今日は夕方になって土砂降りの雨と雷がひどく(20〜30分で止んだんだけど)車を運転していたら視界が遮られて恐いくらいでした。でも、私、雷は意外と平気なんです。地震は怖いけど…。さて、今日はソフトボールチーム・フェニックスの取材の日で、試合が終わってから来るという約束だったんだけど、この分では中止だろうと思っていたら、夜9時30分頃になって「試合が終わったから…」と言って事務所にやってきた。今日はヤマハ発動機の女子ソフトボールチームとの試合だったそうだから、何が何でもやりたかったんだ、うん、そうに違いない。「グランドはちょうど良いお湿りで、やりやすかった」そうだが、おかげで事務所の中は泥だらけ。スパイクに付いた泥があっちこっちに足跡をつけていきました。帰った後の掃除たいへんでしたよぉ。

1983年9月1日

4、5人で議論をしていたとき、ある人が「…中国の星が落ちた」と言った途端、隣の長いすで寝ていた男性が椅子から落ちた。議論が最高潮に達していたときだけにドッチラケ!しかし、あのタイミングの良さにはビックリ!後でみんなで大笑い。でも、こういう偶然ってよくありますよね。以前、私があるお宅を訪ねた時、「ごめん下さい」って言ったら「いらっしゃい」と若い女性の声。それにしてもなかなか出てこないのでおかしいと思っていたら、テレビの声でした。

1983年9月10日

若者の間で、ジュースやコーラの空き缶にシンナーやペイント薄め液を入れて吸うのが流行っているそうだ。植物は太陽と空気と水という自然を吸って生きている。人間だって同じだ。切り取って枯れた花を見ても、誰も「美しい」とは言わない。空気の代わりにシンナー吸って生きられますか?シンナー吸いたくなったら空気のきれいな所に行って、思いっきりおいしい空気を吸いなさい。その方がよっぽど気持ちよくなります。自然に逆らっては生きられないのです。