農業土木科
Vol.47 1984年2月号掲載
資格取得で即戦力

農業土木科というのは、直接農業とは関係無いが、土地改良や農地の保全開発などは間接的に関わりをもつことから、昭和38年(1963年)に設けられた学科である。

生徒は卒業後、ほとんどが測量建設、建設業、コンサルタントなどの土木関係の仕事に従事し、進学の場合は農業土木のある大学に進んでいく。

学校側では様々な資格取得に力を入れており、本人のやる気次第で、3年間にいくつもの資格を取得することができる。測量士補、危険物取扱主任者、毒物・劇物取扱主任者、砂利採集業務、電卓の検定など、社会に出て即戦力となるものばかり。来年度からレタリングもはじめる予定とか…。そして、学校では今後も必要性のある資格や技術が出て来れば、どんどん取り入れていく方針だそうだ。

難しいとされている測量士の試験も、昨年は16名も受かり、危険物取扱主任者の資格も半数以上が合格している。時代に対応して、3年になればコンピュータの勉強も授業の中に黄身込まれている。

これからは就職するにしても専門分野を勉強した者や資格を持っている者がますます有利になっていく。そういった意味でも小笠農高では特に資格取得に力を入れているとのことである。


農業用水の水温をあげるための研究

いま土木科では一つの研究実験を行っている。それは農業用水の水が冷たいと穂の伸びが悪いために、どうやったら水の温度をあげられるかという実験である。

これは昨年の5月から始められ、昨年の農業クラブ(学校単位)の全国大会でも発表され、県下の最優秀賞に選ばれた。関東大会ではもう一歩のところで全国大会にまで進むことが出来なかったが、冬の寒い日のデータが必要ということで、現在も実験研究が進行中である。

U字溝の中に様々な色を塗って、太陽熱の吸収の違いを調べたり、夜間の温度も調べ一日を通した綿密なデーターをとる。3年生は卒業までに実験データーを集めて研究の結論を出すことが大きな課題となっている。



学んでいる生徒に聞いてみました

小川哲也君(3年生)

土木関係の会社に就職が決まっている小川君は、3年間で測量士補、毒物・劇物取扱主任者、危険物取扱主任者、砂利採集業務の資格、電卓の検定でも等級を取ったりと、なかなか頑張ったようである。中でも難しかったのは、測量士補の試験だったそうです。








岡本充弘君(3年生)

卒業後は「、牧之原nある土地改良で農業用水の仕事に従事するという岡本君。
「実習なんかで、寒い時にも外に出て力仕事をやったりしたので大変だったけど、就職すればもっと大変になりますね。頑張ります。」そうですね、頑張って下さい。
作業実習中の生徒達。
U字構の中に色を塗って水温の違いを実験。
小川君
岡本君