掛川工業高校「バレー部」
Vol.35 1983年2月号掲載
チームがまとまれば全国大会も夢じゃない!

掛工バレー部は、開校当時はごく普通の運動クラブとして活動していた。ところが、8年ほど前に滝井先生が顧問となってからは俄然強くなり、それを物語るかのように、部室には賞状がビッシリと並んでいる。

しかし、それだけに裏に回れば、練習も厳しく部員たちの努力は並大抵のことではない。とにかく年がら年中厳しい練習に明け暮れている毎日である。今年のお正月も、1月14日と15日に行われたインターハイに向けての練習で、のんびりしたお正月を迎えることが出来なかった。

それでも部員たちは文句一つ言わず「僕たちにとってのお正月は、インターハイで優勝したときです。試合が終わって、練習して良かったと思えれば幸福です。優勝したらきっと楽しいお正月になるでしょう。」と答えてくれた。

部員のほとんどが、練習の厳しさや、試合に負ける度に悩み苦しんできた。それでも身体が弱くてやめていった部員を除いて、一人の脱落者も出ていない。
夏のインターハイでは県で2位という好成績を残したが、部員たちにとっては決して満足のいくものではなかった。ここ3年間チームとして全国大会出場という目標が果たせず、3年生にとっては後悔ばかりが残る。

「後輩の中にはいい選手がいっぱいいるので、ぜひ全国大会に向かって頑張って欲しい。僕らが中3の時やそれ以前はずっと出場していたのに、ここ3年間一度も出場できなかったのが残念でたまりません。」と、ある3年生は言っていた。

しかし、身長187cmという3年生の柴田君だけは、2年連続で国体出場という快挙を成し遂げた。各学校で優秀な選手だけが選ばれて、静岡県選抜チームとして出場し、一度はベスト8になった。期待の持てる選手として注目されたが、その彼もこの春には卒業してしまう。

でも、1年生の中にも期待の持てる選手が何人かいるので、これからの活躍が見物である。マネージャーによると「今は余り強いチームではありませんが、まとまり出せばすごく強いチームになると思いますよ。」と言うことで、まとまりのあるチーム作りがこれからの課題となりそうだ。
部員の声
鈴木孝典(2年生)新部長
「中学時代からバレーをやっていて、掛工のバレー部は有名だったので入りました。中学校の時は甘さがあったけど、高校の場合は甘さが許されないし、強いチームだけになおさら厳しい。顧問の先生もとっても厳しいけど反感は全然持っていません。バレーに関しては尊敬しています。」という鈴木君は家族もとても協力的で、今はバレー一筋に(勉強の方は?知りませんが…)打ち込んでいる様子。
鈴木康友(1年生)1年生代表
すでにレギュラーとして活躍していて、これから大いに期待されている新人のひとりである。2年生についていくのはかなりハードのようではあるが、「自分自身としては、ずっとレギュラーを続けていきたいし、チームとしてはここ3〜4年全国大会に出場していないので、ぜひ出場したい。休みがなくても、好きなバレーができれば楽しいです。」と張り切っている。
兼子浩之(3年生)
現役は下りたけど、卒業するまでずっとやっていきたいと言う兼子君が後輩に一言。「現役中は厳しくてやめたいと思うけど、引退した時、やっぱりやめなくてよかったと思うはずだから、苦しくてもそれを乗り越えてほしい。必ずいい結果が残ると思います。」
兼子君自身も、今はそれを強く感じているようである。たったひとつの悔いは、やはり3年の間一度も優勝を味わえなかったことであろう。
柴田輝幸(3年生)
「能有る鷹は爪を隠す」のことわざ通り、とても国体出場選手には見えない。「自分でもそう思っています。」(さすがっ!)実力のある彼も、やはり悩み苦しんだ。試合の負けたあとにはいつも焦りと苦しさがつきまとっていたという。
「自分自身まだ未熟なので、大学に行ってもっと新しい技術を身につけていくたい。」と言うから、今後の活躍に期待したい。勉強との両立については「授業中にはよく居眠りしていました。いけないなあと思っても、ついウトウト…。」
水野直樹(2年生)マネージャー
マネージャーは、部費を集めたり生活面で部員をまとめていく大変な役割である。特に彼の場合はマネージャー兼選手という二重の大役をこなしているから、よけいに大変だ。OBとか来客の接待、挨拶の指導ももちろん彼の役目である。
「いろんなことがまだよくわかっていないので、時々手落ちがあったりして怒られることもあります。でも、このチームはまとまれば強いチームになるので、今後の課題になりますが、チームをうまくまとめていきたいと思っています。」頑張って下さい!