掛川工業高校「吹奏楽部」
Vol.34 1983年1月号掲載
定期演奏会に向けて練習に励む

掛工のブラスバンドには、現在36名の部員がいる。今は(12月9日に取材)12月26日に行われる定期演奏会に向けて練習に余念がない。3年生にとっては最後の演奏会ということもあって、意気込みも大きく全力投球で頑張っている。定期演奏会が終わるまでは毎日練習が続く。

定期演奏会は今年で17回目を迎える。吹奏楽が主体となっていて、楽器もピッコロ、フルート、アルトサックス、テナーサックス、トロンボーン、トランペットなど20種類以上が揃っているから音の広がりの手応えも十分。当然ながら中学生のブラスバンドと違ってかなりレベルも高くなっています。

定演は練習の成果の発表の場だから楽しい!

部長の「楽しくやっていければいいなあって感じです。できるだけ和気あいあいとやっています。」の言葉通り、全体的によくまとまっていて、音楽を楽しんでやっているという感じを受ける。そのせいかどうか、実力の方はいま一歩というところ。それでも、昨年はランドマーク序曲(JA・コーディル)を演奏して西部大会で2位になり、県大会にも出場できた。(県大会の盛夏は内緒…)本来、音楽というものは、呼んで字の如し、音を楽しむものなんだから、成績云々は関係ないんですよね。

掛工ブラスバンドの部員は、たとえ演奏中にミスしても、お互いに笑ってしまう寛容さを持ち合わせています。だから、ちょっとしたミスなら「なんだっ、お前は!」くらいで済むから、責任を感じて落ち込んでしまうこともないようだ。「演奏中にミスしても、大勢いるからバレない。」と、ある1年生がそっと教えてくれた。でも、本番の時は全員緊張しているし、それなりに練習も積んでいるので、そんなに大きなミスはないとのことです。

部員の中には、クラブ以外でも個人的にバンドを組んで、音楽をさらに楽しんでいる人も少なくない。吹奏楽では部活意外になかなかやる機会もないので、個人的にギターとかドラムなどでバンドを組むようだ。
部員の声
後藤高幸(3年生)部長
音楽はあんまり得意じゃなかったので、やってみたかった。最初は楽譜も読めなくて、精神的にも肉体的にも疲れました。簡単なものは吹けるようになりましたが、今でもむずかしいのはぜんぜん駄目です。遊んでばっかりいるから…。楽器はトロンボーンを吹いています。たぶん、卒業してしまえば吹くチャンスもなくなるでしょうね。
足立吉伸(3年生)指揮者
音楽が好きだったので、中学の時からトロンボーンを吹いています。将来的には高校を卒業したら音楽の専門学校に行って、音楽関係の仕事をしたいと思っています。3年生になってから、練習の時の指導をやっていますが、曲をまとめるのってむずかしいですね。人それぞれ、音に対する考え方や聴き方の違いがありますから。曲の山のところでそれぞれの個性が出るために、違う感じの曲が出来上がっちゃうんですよ。よく演奏会なんかに行くと、終わったときに感動が残りますよね。その感動が出せるようになりたいですね。
杉田哲康(2年生)新部長
最初、運動クラブの見学に行ったんだけど、厳しそうだったのでやめました。ブラスバンドへ来たら結構楽しそうにやっていたんですよね。それで入ったんですけど…。クラリネットをやっています。クラブとは別にバンドを組んでいて、ギターとかボーカルもやっていますけど、どちらも楽しいですよ。でも、クラリネットは吹き手によって音が全然違うですよね。同じ音が出ないんです。腕の未熟さがすぐに出ちゃいます。他の学校と合同練習したとき、その差をつくづく感じました。
伊藤 博(1年生)1年代表
中学の時から吹奏楽部に入っていました。中学の時の吹奏楽っていうと女ばっかりで、同級生では男子が、僕を入れて2人だけ。フルートとカスタネットばっかだったもんで、何かカッコイイのを吹きたいと思ってトランペットにしました。でも、中学と高校では全然レベルが違いますね。多少厳しいけど楽しいですよ。今は定期演奏会が近いので、毎日練習しています。1年生は部活が終わってからさらに30分間個人練習しています。