軽音楽クラブ
Vol.50 1984年5月号掲載
ギンギンのヘビーメタル目指して

音楽をやっている人達って、なぜこんなに明るいんだろうと感心してしまう程、典型的な根アカ集団のレイト・メロウ・アソシエーション(略してLMA)の面々。常葉学園短期大学軽音楽部と聞いたとき、ジャズかポピュラー音楽をそうぞうしていたら、意に反してLMAはロック系のバンドでびっくり。それも、ギンギンのヘビーメタルをめざしているというのだからさらに驚きだ。

軽音楽部は現在2年生の9名が、2バンドに分かれて活躍中です。気の合った仲間がグループを作り、勝手気ままに練習しています。顧問の先生も一応いるそうですが、ほとんど顔をだすkともなく、ごくたまに来ても「ああ、やってるな」程度で、曲に合わせて手拍子を打って帰って行くだけで、まことにのんびりしたものです

LMAは昨年の9月に1年生のメンバーが揃い、本格的に活動が開始された。初めての文化祭での演奏は前座的存在で、出演予定の中で出場しなかったグループがあったために、間が開いたときの時間稼ぎに出演させられた。2年生になった今は、どうやら前座的存在から抜け出せそうだ。

それでも全員が全くの素人から始めたバンドなのでどうなるかはわからないが、今年の文化祭では、ロックのギンギンの派手さで勝負!するという。


メンバーに聞いてみました

石井章子さん(ドラム)

ドラムの石井さんはLMAのリーダーでもある。メンバーはそれぞれ出身校が違い生まれた土地も違う。好きな曲の好みも少しずつ違っていたりで、共通点がなにもなかった。リーダーとしては、上手くまとまるかどうかが悩みの種であったようだが、いざやってみるとまとまりが早くて、悩みも一気に解消した。今では「この仲間でやって本当に良かったと思っている。」そうだ。


石垣佐知子さん(ギター)

「今までは聞く方だったから自分でもやればできるんだなあって感激しちゃいました」と言う石垣さんの一番思い出が深かった出来事は、たった一度だけの合宿。体育館に毛布を持ち込んでそのまま板の間に寝てしまった。秋だったのでちょっと寒かったそうですが、楽しい思い出になったようです。この学校では届けを出せば、合宿も直ぐに許可が下りるそうです。


高橋美恵子さん(キーボード)

以前クラシックピアノを少しやっていたという高橋さんは、「ギターも弾けないし、ドラムも叩けない、歌も下手くそだった」ので、キーボードを担当した。よく失敗するそうだけど、失敗した時は笑って誤魔化すか、即座に音を替えながらやり直すという。こちらの方は天才的だそうだ。「このまま卒業してしまうには惜しいグループなので、卒業してからも県内にいればいつでも飛んでってやりたいと思う」と、意欲も満々。


中西理晶さん(ボーカル)

「このことをやれること自体に感動しています。社会人になっていたり、他の学校に行っていたら出来なかったんじゃないですか?」という中西さんは、あがり症なのにボーカルを担当している。だから、リズム乗って舞台で踊るなんてとても、とても…・もっと度胸をつけたいそうです。


渡辺晶子さん(ベース)

「バイオリンを弾いたことはあるけど、ギターとかエレキを持つのは初めてなので、すべて自己流で勉強している。」という渡辺さん。去年の文化祭の前日にベースの弦が切れてしまい、弦を取り替えたところ、演奏途中でたるんじゃって音が三味線みたいになってしまい、かなり焦ったそうだ。
石井さん
石垣さん
高橋さん
中西さん
渡辺さん