MARU(音楽・映画・演劇の情報ミニコミ紙)
Vol.74 1986.5月号掲載 
ついに78%のライバル出現?!

 
「終わった終わった、つかれたつかれたで、なんかあっけなかったなあ。ラストの『心の旅』で一気にJunkだもん。アンコール曲なんか気が遠くなるくらい飛びはねてしまった。もうろう。シカシ『『有頂天のお客さんはシャイ』とかいうけど、そーゆー人達ほど見境なくなってしまうんですね。押されてコケてしまった私は、も少しでボコボコになる所でした。内蔵が飛び出しちゃうくらいの勢いのよさ。ホントにこわかった。その日の、ケラさん含む有頂天のみなさんは市松模様のシャツ(カワイイ)にボロボロのジーンズといういでたちで………。」

 これは78%のライバルとなるかもしれない「MARU」という情報紙(創刊号)の記事(1月26日に静岡のライブハウスで行われた「有頂天」というバンドの取材記事)の一部である。「MARU」は県内外のライブ、演劇、映画などのイベントを紹介したり、情報を提供するミニコミ紙なのです。発行所は大東町にある「まるオフィス」という所で、スタッフは今のところ1名プラス助っ人1名だが、今後は協力者をいっぱい募って紙面の充実を図りたいそうなので、78%の強敵になる可能性大である。(これはうかうかしていられないぞ!)

 さて、取材当日78%編集室に現れたのは、なんと高校2年になったばかりの加藤アツコさんと助っ人の後藤有見さんであった。

MARU=まるは、お金

 
加藤さんはこちらが勝手に想像していたイメージとはまるっきり正反対の、とっても恥ずかしがり屋の女の子です。こちらの問いにも小さな声で答える。(緊張していたんだろうか?)所が自分が取材する側に回ったときは、くそ度胸が出るんだそうで、一人でどんどん取材に出かけて行くと言う。

 学校の部活ではギターを弾き、文章を書くことが大好き。将来はジャーナリストの道に進みたいそうで「MARU」は、その予行演習も兼ねている。「MARU」を発行するきっかけになったのは、ある雑誌の投書欄に、こういったミニコミ紙を個人で出している人の記事が載っていたことから始まる。早速手紙を出して、そのミニコミ紙を送って貰い、自分で発行すべく準備を始めた。

 「まるオフィス」と言っても、実は自宅の自室でシコシコと編集しているだけで、資金は毎月の小遣いをつぎ込んでいる。しかし、取材するために入るライブハウスの入場料、交通費、郵送料、写真のフィルム代、現像やプリント代と、経費もなかなかバカにならない。「まる」はつまり「丸」お金を表している。お金が無いから印刷できない。手書きの文に、印刷はコピー。見た目は良くないが無料配布しているので「カンタンに捨てないで欲しい」という気持ちが込められているのです。

 このミニコミ紙を手にした方、じっくり呼んで、できれば保存して置いてくださいね。最高に心のこもっているミニコミ紙なんだから…。

内容充実のためにガンバルぞ!

 
加藤さんは、テレビとか雑誌にあまり出てこないマイナーな人が好きだということで、アイドルにはあまり興味が無い。加藤編集長(?)から見た将来有望なアマチュアバンドは、「ラブリーボーイズ」と「ストッププレス」だそうで、かなり掛川贔屓という気もしないではない。(どちらも掛川のアマチュアバンド)

 第二号は4月中旬に発行された。これからは「誌面を大きくして、配る範囲ももっと広げていきたいし、自分個人の感想だけでなく、観客や読者の感想なども聞いて、内容を充実させていきたい。」と言う。こういった記事を載せて欲しいと言えば、いつでも載せてくれるそうです。現在の配布先は、掛川・静岡・浜松のライブハウス、楽器店、レコード店だそうです。

 最後に、加藤さんはミニコミ紙の編集等、協力して下さる方を大・大募集しています。手伝ってあげてもいいなと思う方はご連絡下さい。