掛水会(水彩画同好会)
Vol.73 1986.4月号掲載 
水彩画コースから、同好会に発展

 
昨年の11月から今年の1月にかけ、市教育委員会主催の生涯学習市民大学水彩画コースが開かれた。その修了者作品展示会の開催準備中に、このままで終わらせないで同好会を結成し、水彩画を続けて行こうという話が持ち上がり、2月末に「掛水会」という名称でスタートした。現在会員は約50人、6割近くが女性で、年齢も20才〜72才までと幅広い。

ヘタ、ウマなんて関係なし。とにかく自由に

 
まったく初めて描く人でも、筆を持って絵の具を画用紙に塗っていくと、その人の性格がどこかに出てくるものである。大胆に描く人、細かく描く人などその人の個性によって表現方法も異なってくる。「掛水会」でも、初めての人には2〜3枚くらい自由に描いて貰って、その中にある個性を伸ばして行くという方針をとっている。美術教諭で掛水会の会員でもある中山壮一さんは「赤いリンゴを見て真っ黒に表現しても、それは個性であるのだから、その人のよさである。他人が見て、初めはヘタだなという人でも何枚も描いて経験を重ねていけば、それなりに人間性も含めてますます世界が広がっていく。」(佐藤洋一さん談)という。描くことを悩まずに、どんどん自由に描き進んでいくことが大事で、それが上達の秘訣と言えそうだ。

水彩画を通して文化面を高めたい

 
絵を描くということは、描かれる対象があってはじめて成立する。すなわち、じっくりと描く物を観察しなければ表現できないし、自分自身をそれなりの環境に置かなければ落ち着いて掛けない。色使いや構図、タッチなどで、その人の環境や内面性などが直接表現される点も興味深い。世話役で事務局長の佐藤洋一さんは「人間だれでも、変化が身近にめまぐるしく起こると、ついていけない面が出て来ると思うんです。掛川市に新幹線が出来ると言うことで、市街地は特にめまぐるしく変化していますね。都市化が進むにつれ人間の方は心を大切にしなければならないと思うんです。だから情緒の面で自分のやりたいことを趣味として、ある程度長続きするものを今から育てていくことが大切だと思っています。そして、このような会を通じて人間的なふれあいが出来れば嬉しいことです。私たちは掛水会として文化面の向上の一翼を担いたいと思っています。」と語る。

作品展や交流会で会員の輪を広げたい

 
「11月の掛川市文化祭には作品を出品したいですね。会としてはその時々の作品テーマに挑戦していくことの方が大事だと思っています。展示会はあくまで活動した積み重ねで、自分にないものを他の人の作品で見ることによって確認したりできる良いチャンスだと思っています。」と佐藤さん。これからも、菊川や磐田などの盛んな地区との交流会も予定しているとのこと。今後の活躍を期待したい。

会員大募集!次回は法多山で写生会です

 
「掛水会」の活動日は毎月第1・3火曜日午後7時〜9時で、場所は主に生涯学習センターです。会費は一ヶ月1,000円。個人で揃える道具は、絵の具・筆・水入れなどのいわゆる水彩画セットで十分とのことですので気軽に参加できます。次回4月6日は法多山での写生会。以降、静物画、人物画、大作への挑戦、段ボール画、ペン画と続きます。初めての人でもすぐに溶けこめる雰囲気で、いつでも入会が自由だということです。


◆会員紹介(敬称略)
中山壮一・五島たみ子・山本米子・佐藤績・田中智・平川論・山鹿美代子・松本介子・太田光彦・内海美芳・岩下恵子・平野浩子・松浦寿子・中村俊恵・昇輝子・三浦実・遠藤文美子・小野徳一・角皆やえ子・山崎真弓・赤堀直子・佐藤洋一・藤原康雄・松本一男・岡本貞一・伊藤千章・加藤博久・寺田容子・児玉すづゑ・佐藤みち子・松下しづ・松本直子・藤中昭夫・飯田文恵・他水彩画コース会員