THE LITTLE T&A(ロックバンド)
Vol.70 1986.1月号掲載 
写真下左から:山本ひろしくん・福田誠くん・大野慶明くん・佐藤達也くん
冒頭の会話から

78%:結成は一ですか?
福田:いつだっけ?俺がひろしくんに電話したの夏前じゃなかったっけ?
大野:この間練習した日が正式に結成した日じゃないだかぁ?
山本:あれ、10月だっけ?
福田:覚えてないよ。
山本:祭りで忙しいって言ってたもんで、9月じゃないか?
福田:ああ、9月だ!(78%に)9月です。
…… これが冒頭の会話。いかにいい加減なバンドかということが、読者のみなさんには察していただけたと思いますが、あ〜あ気が重い。

4ヶ月で1回の練習

 
昨年の5月頃(取材したのは1985年)、福田くんがバンドを組みたいと希望して、友人から紹介されたのが山本くん。その時福田くんが漏らした言葉は「大丈夫かなぁ」という一言。不安感はあったものの、とりあえずバンドを組んでみようと思ったという。しかし、山本くんの伝で他のメンバーもすぐに集まると思っていた福田くんは、いつまでたっても集まらないのにシビレを切らし、結局は自分で探すことになる。こうしてメンバーに佐藤くんと大野くんが加わって、ようやく正式に結成となった。

 ところが、11月の同じ日にメンバーの2人(山本くんと大野くん)が結婚。同じ日になったのは、別に相談し合ったわけではなく、単なる偶然。10月の祭りと結婚式が重なり、練習が全然出きなかった。そして今も、甘い新婚生活に浸りきっているせいか、結成以来練習はたったの一度だけという。(本当に大丈夫かな?)

 実は、昨年の5月に結成の話があったとき、第68号で紹介した「ビニールハウス」のメンバーと合同コンサートを開く予定だったが、結局流れてしまったという経緯もある。ビニールハウスと合同コンサートなんかやったら、支離滅裂なコンサートになりそうな気配もあるから、かえって良かったのでは無いだろうか。

簡単な曲ならなんでも

 
「今はオフに入っているけど、1986年からは本格的な活動に入るでね。ライバルはLOOK」と山本さん。とりあえずは1985年12月22日に行われるビニールハウスのライブステージをじっくり聞かせて貰った上で、安心感を持って、大きな気持ちでバンド活動に取り組みたいと言う。ビニールハウスが解散するまでは続けて行きたいと固い決意も窺われる。これなら期待できそうだと思いきや「78%に載っけてもらうために結成しただで、もういい。」(カクッ)

 しかし、何と言っても全員がバンド経験者で、根っからの音楽人間なので、本格的にやり出せば結構おもしろいバンドになるかもしれない。ジャンルはどちらかというとロック系が多いが、簡単な曲なら何でもやりたいそうである。コピー曲やオリジナル曲を織り交ぜて、自分達のカラーを出していきたいとのこと。コピー曲では、めんたんぴん、ジョニービーグッドの曲をメインにやっていきたいそうである。



◆福田誠くん(ボーカル・24才)
オリジナル曲の作詞作曲も担当。「気にいらなければ自分で作る。自分で作れないときには我慢してヤル。」とやけのやんぱち?「とにかく、上手いとか下手ではなく、自分達の色を出していきたい。」

◆大野慶明くん(リードギター・25才)
「とにかく長く続けて行きたいと思う。僕らのバンドは個性は十分あると思うし、オリジナルを混ぜてステージを上手くこなせるようになりたい」と、新婚生活もエンジョイさせながら、好きな音楽を楽しみたいという大野さん。

◆山本ひろしくん(ベースギター・26才)
「結婚しちゃうと家に居るだけで、精神的にふやけちゃう。それがイヤでもっと積極的に若い人達の中に入り込んで行きたいと思った。それには、自分の出来ることと言ったらバンドしかないし…。」と山本くん。おのろけもたっぷり聞かせて貰いました。ごちそーさん。ちなみにLOOKの鈴木とおるくんと一緒にバンドを組んでいたこともある。

◆佐藤達也くん(ドラム・25才)
 「目標は、3っか4っバンドカラーの出る曲を作って、この曲ならどこにも負けないというものを作りたい。」と佐藤くん。メンバーの中では一番物静かだげ、その分ステージで自分をアピールしたいという。