新婦人の会 掛川支部
Vol.66 1985.9月号掲載 
子供を産んだ母親が、子供達の平和を守るのは当然。
 新婦人の会というのは、今から23年前に母親問題や婦人問題を考える必要性を感じてスタートを切り、今は、全国組織として各地に広がっているそうである。新婦人の会掛川支部も発足当時は10名ほどしかいなかったのが、現在は55名の会員がいる。

 「子供を産んだ母親が子供達の平和を守るのは当然」という信念に基に、「世界平和」と「子供のための教育」が出来るような教育を願いつつ活動を続けている。今年は反核の署名運動、戦争を背景に愛を描いた映画「想い出のアン」の上映を他の団体と合同で取り組み、広く反核を訴えている。

 創立以来23年間もの長い間活動を続けてこられた会長の井上さんは「子供と家庭、すべてがそこから発展しています。煮詰めていくと、やはり平和が大事であるし、教育の問題も大事であるし、政治の問題も考えなくてはいけないということです。」と言う。また、「反核署名はこれから1年間続けていきます。毎日街頭に出てやるわけではありませんが、意識は毎日やらなければいけないと思っています。」と語る。

お母さん、核ってなあに?

 
8月4日日曜日。掛川駅前の交差点で1時間にわたり反核の署名運動をおこなうというので早速出かけて行った。掛川市民がどういう反応を示すか興味があったからだ。1時間も立ってみていると、戦争に対して人々がどの程度の意識を持って居るのか現在に実情がわかる。何となく日本の全体像(将来も含めて)が見えてくる。

 毎年8月がやってくると、戦争についてマスコミが騒ぎ立てるが、人々の関心はそれ程でも無いようだ。この署名にも、今が良ければ過去も未来も関係ないという顔で、大半が無関心に通り過ぎていく。今回の署名運動に参加した会員の一人は「お年寄りの方はとても協力的で、老眼鏡を掛けないと見えないようなおばあちゃんまでが、一生懸命署名してくださいました。若い学生さんも積極的に書いて下さったんだけど、一番協力的で無いのが、私たちくらいの年代のお母さん方なんですよ。サッと除けて通ってしまうんです。本当はそういう人達が一場子ども達に教育していかなければいけない立場にある人達なんですね。目覚めていただきたいですね。」と言っていた。

 署名をしたからといって世界中の核が無くなるとは思わないけれど、親として子ども達に残してあげるべきものは、財産ではなく平和な社会であるということも自覚して欲しいのです。財産を残してあげても、ひとたび戦争が起これば全てがなくなってしまうのです。子ども達のかけがえのない命と健康、そして笑顔を残してあげるのが、子供を産んだ親の大切な役目ではないだろうか。

 当日、署名の最中に子供が、「お母さん、核ってなあに?」と聞いた。親子で核の問題を考える一つの場にしたいという、今回の署名運動の目的は、たとえ少数にしろ果たせたわけである。

 県が同じ署名を実施した時には100名の署名があったそうであるが、今回の掛川では、それを上回る114名の署名が得られたという。会員にとっては大きな励みになったようである。
新婦人の会掛川支部では月に一回支部委員会を開いています。事務所は週2日(月・金)は開いています。教育の問題についても相談にのってくれますので、お気軽にどうぞ。


(写真)本当は誰もが平和を願っているはずなのに、無関心に通り過ぎて行く人が多い。そんななかで、核兵器廃絶の署名をしてくれた人たち。