落語同好会
Vol.59 1985.2月号掲載 
掛川初の落語同好会

 
昨年の10月に掛川で「落語同好会」が発足した。落語同好会といっても、自分達がやるのではなく、落語家を招いて聴いて楽しむ方である。現在の会員は全員が、テレビやラジオで落語があると聞けば、かじりついて聴くほどの落語好きである。ホールなどで大勢の観客の中でやる落語ではなく、マイクを通さず、生の声で、しかも唾の届く距離でやろうと、本当に身近な落語寄席を目指している。地方にあって、テレビやラジオでは味わえない落語を聴こうと言うので有る。

 落語同好会を発足したのは、昨年田旗さんのお宅で、柳家小八という落語家を招いて、親しい人達だけでやったのがきっかけとなった。落語が終わった後もみんなでワイワイ。それが気に入って1回だけでは済まなくなったという次第。

 なにしろ、落語家に来て貰うにしても財源は乏しいし、また、大規模にやる気も無いし。ということで真打ちを呼ぶことは不可能。そのかわり、お互い膝を交えて、野次ったり冷やかしたり出来る距離なので、また違った楽しさが味わえる。

真打ちになったら必ず掛川に…

 
昨年の12月1日には、故林家三平師匠の息子である林家こぶ平を招いて、生涯学習センターの日本間で、第一回の落語会を開いた。この時は口コミで60名ぐらいの人が集まった。(部屋の大きさに合わせ観客の人数を決めた。)一席終わって、楽屋に帰ってきたこぶ平が「今日のお客さんは素晴らしい。とにかく乗せられちゃって恐いくらい…。」と言ったとか。とにかく爆笑の連続だったという。会員も「乗りに乗って最高に素晴らしい落語会だった。」と、いまだ興奮冷めやらぬという感じ。

 しかし、その後のこぶ平を交えて開いた反省会では、会員からかなり手厳しい意見が出たという。会長の曽我さんは、「ここはこういう風にした方がいいんじゃないかとか、ここは間違っていた、時代に合っていないとか、かなり厳しい意見が出て、こちらはハラハラしてました。」と胸の内を告白。「でも、その後の役員だけの反省会でも、いろいろな意見が出て、その時の意見をテープに録って送ったんです。そういう厳しさの中で、本人も真剣に受けとめてくれ、おれが真打ちになったら最初にここに来る、と言ってくれました。」

 まるっきり落語の人情噺の世界そのままであるが、こうした会員の意志が通じて、一日も早く真打ちになって貰いたいものです。林家こぶ平の落語会の後会場でアンケートをとったところ、次の時も「ぜひ来たい」という回答を寄せてくれた人が、38名中38名。全員が満足してくれたことで、多いに気を良くしている。

会員募集中!

 
落語同好会は年6回の定例会を行う。定例会の日は毎回大相撲の千秋楽の日と決めている。(必ず土曜日になる。)定例会では、会員同士で手持ちのテープや本を交換したり、情報を流し合ったり、テープを流して落語を聴いたりする。会費は月500円。落語会の時は別に入場料として1,000円が必要。年齢男女問いません。落語の好きな方ならどなたでも入れます。(事務局:田旗光まで)


 林家こぶ平

会員(敬称略)
曽我正志(会長)・田旗光(事務局長)・石山兼三郎・内海かつ子・梅津健吉・岡田憲二・奥野寿夫・佐藤豊・鈴木はま子・鈴木隆夫・高橋郁子・田辺良一・田旗勝之・中川龍司・早川明・水野忠一・溝口政年・渡辺渡・佐藤健一・高村紀久男・牧野弘志・巣山雅子・伊藤弘・新貝正繁・松下晴彦・小沢宏行・栗田良典